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青い強化ロープは語る

お守りとして引き出しに強化ロープを入れている。
死の権化が真横にあれば、「いつでもいけるな」と逆に安心して踏み出さないのである。

なんだかこの強化ロープには神様でもついているかのようで、言葉が聞こえてくる気がする事が何度もある。
「僕は君の終わりを手伝える。けれど、君と僕が同じ"物体"であって、何故君には自我機能がついているのかという話だ。生きろというのではない。自我機能を有さない僕との違いについて対話したい」
生きろという話をしているのではなく、飽くまで状態の違いについて語り合おうとするのだ。
「間違った”終わり”は物理法則に則らない。だから、僕が横に居て君にそれを常に教えてあげたい。僕を使うのであれば、災害の時に、僕は法則の流れの中で使われたい。でも、君の終わりを手伝うのも僕を選んでここに置いてくれてる君のためならいい」
強化ロープはそう言いたいようである。
「君は尊く生きている。大丈夫だよ、いつでも終わらせてあげられるから」
このロープには神様がついているんだと思う。
死に導くのではなく、生の括りとして私のセーフティネットになっているようだ。

きっと「死」と愛し合うというのは、生をまっとうするという事。


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