見出し画像

➓子宮をとった日〜化学物質過敏症の入院記録〜【最終回】

■退院2日目

AM3:00 目覚める
まだお腹は腸の位置が落ち着かない様子で
動くたびにゴゴゴゴっと鳴る

5:30 起床
朝食
体温36.6度
家事をするがしんどくて
横になる時間の方が多かった

13:30 昼食
体温36.2度

母のガンのことを知った
親戚から様子をうかがうメール

元気づけようと
ついでにおもしろい画像などを送ってくるけど
お腹が痛くて
「笑ってはいけない退院生活」状態
でも少し笑えるようになった

15:00 昼寝
18:30 夕食
ロキソニン

その後数日でどんどん痛みも軽くなっていった。
手術で卵巣を触っているため
しばらくは更年期障害のような
症状が出ると言われていた。
顔がほてって汗が吹き出す
「ホットフラッシュ」などが起きた。

母はその後、検査の結果
ステージ4の大腸がん 骨転移あり
であることが分かり入院した。

私は子供が欲しいと思ったことが
1度もない!!!
こんな苦しい生理はやく
上がってしまいたかった!!!
もし子宮を取ることになったらラッキー!!!

と思っていた。
思っていたのに。

子供好きな母に、娘が子宮を取って
絶対に、何があろうとこの先
孫は生まれないという事実を
自分のガン発覚のタイミングと共に
見せることになってしまった。
どんな気持ちだったかと思う。

ガンのことを私に告げたとき母は
「そんなに深刻に受け止めてない^^」
と言っていた。

しかし
ガンを取り除く手術、
抗がん剤治療が始まると
みるみる弱っていき

「まいったな…死んだらごめん」

と言われた。

ガンは肺に転移。

およそ半年の闘病の末
母は亡くなった。






“化学物質過敏症”と聞くと
病気のように感じるかと思いますが
いろんなことを調べれば調べるほど、
化学物質を許容量まで取り込んでしまった末に
誰にでも起こる正常な生命反応のことじゃん!
というのが今の私の捉え方です。

脳が危険物質に対して吐き気や頭痛、
湿疹、鼻血、呼吸困難などさまざまな反応を出し
警告してくれている
言わば「生命維持のため」の反応。

学校や職場に通えなくなったり
住む所がなくなったり
人に会えなくなったり
数々の「見えない障害」があるため
公的に、つまり第三者に明確に伝わるように
“化学物質過敏症”という
病気扱いになっているだけ。

問題解決するにはどうしたらいいのか?
生活を改善したり考え方を変えたり
出来ることは精一杯やってきました。
たくさんの資料や論文を読んだり
化学物質過敏症の方々の声を見聞きしてきました。
そしてこれはもう
個人で出来ることのレベルを越えた
「公害問題」
でもあります。

最近はsnsで
「香害は公害」
というタグが広まっています。
この問題に気付いた方々
つまり化学物質過敏症を発症する方が
爆発的に増え続けています。

メーカーや国の機関や民間機関に
意見を送ったりしてきました。
でも変わらない現状がありました。
そしてどうやらそこには
「今だけ、金だけ、自分だけ」
な社会システムの闇も
絡んでいることを知りました。

洗剤、柔軟剤、香水、シャンプー、
芳香剤、消臭剤、制汗スプレー、
そして西洋医療の薬も化学物質。
農薬、食品添加物も。
見渡せば溢れかえっています。

そして解決策として辿り着いたのは
「ひとりひとりの意識」
にかかっている!!!
つまり
自分、個人が変わるしかない。

それが私の今の結論です。
買い物は投票です。

ご自身の健康を脅かしたり
誰かの人生を奪ったり
環境に負荷をかけるものを買わない!
そうすればメーカーは作らなくなります!
売らなくなります!
逆に言うと
これまで化学物質製品の市場を
支えてきてしまったのも自分、私たち個人。

商品パッケージの原材料名に
全ての成分を表示する義務が無いため
「香料」と書かれている裏側で
どんな化学物質が含まれているか
知ることもできないのが現状です。
だから自分で調べないと
取り返しのつかないことになります。
化学物質を避けることで
防げる痛みや苦しみがあります。

母のガンを見ていて思ったのが
化学物質にさらされてきた部分に
病気って現れるんじゃないかと言うこと。

食べ物を消化する腸
そして空気を取り込む肺。

化学物質過敏症の症状が出たことは
私にとってとても大きな体からの
メッセージだったと感じています。

「におい」は見えないことから
なかなか伝わらないことも多く
無理解で精神的に削られる病気でもあります。
はやく過剰な「香料」「化学物質」は
世界からなくなってほしいです。

合成洗剤や柔軟剤などの「香害」製品を
作っているメーカーは一刻もはやく
安全第一の製品を作る方に
考え方を変えてほしいです。
誰かの苦しみの上に成り立っている商売が
長くは続かないことは分かっているはずです。

消費者のみなさんひとりひとりが
ご自身や身の回りの方のためにも
安全性の高い製品を選ぶようにしてくれたら
いい状況に変わっていきます。
希望はそこにしかありません。


ところで
私の子宮を取ってからのその後ですが。

術後、フラッシュバックや発汗などが
ありましたがそれも数ヶ月ほどで落ち着き、
数年経った今は一言で言うと
「スッキリした!!」
生理からも解放され!!
子供を産む産まないの話題や
子供の話題に触れることがなくなった!!
(年齢的なものと化学物質過敏症で
人に会っていないことと
メディアが洗脳装置だと気付いて
見なくなったのもあるかも)

子供をどうしても産みたい人がいるのも
知っています。
産みたくても産めない人がいるのも
知っています。
私のように絶対に!産みたくなかった人も
きっとたくさんいたんです。
今もいます。
人生それぞれの選択で
学ぶ人生の科目が違うだけだと思います。
産むのが当たり前とか
決めつけられない自由が一番だと思います。

子宮を取って本当に良かった!!
今が精神的にいちばん
幸せを感じられています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?