メンデルの功績
メンデルといえば、遺伝の法則。
優性の法則や独立の法則、分離の法則がある。
昔の昔は文系が受ける試験範囲にも含まれていて、受験生を苦しめていた。
さて、メンデルさんが実際にやったことは、エンドウ豆を育てたことなんだけど、昔は授業で教えながら「教会でヒマだったんじゃないの?」としゃべってた。「ヒマなおっさんやな」って
でも、ある時おもったのだけど、「彼は必死だったのかな」って。
牧師(神父?)をしているってことは、彼のところには妊娠した夫婦が来たのでしょう。で、「元気な子どもが生まれますように」って祈って帰る。メンデルさんの時代は子どもは神からの授かりもの。今もそうだけど、当時は受精の仕組みどころか、卵子や精子の存在すらビミョーな時代。そして、神話上では、親の行いが悪いとミノタウロスが生まれたり、ヘビが生まれたりもしている。きっと敬虔な信者ほど、熱心に祈り、日ごろの生活を正しく過ごし、元気な子どもを祈ったのでしょう。
でも、どんなに祈っても、この世には遺伝病があります。当時にもきっと遺伝病はあったでしょう。「私は構わない。でも、子どもにはこの病気が出ないで欲しい」って、必死に祈ったでしょう。でも、残念ながら遺伝病です。確率の世界です。祈りは関係ありません。
どんなに必死に祈っても、遺伝病が子どもに遺伝したことがあったのでしょう。それで、きっとメンデルさんは詰め寄られたのでしょう。
「どうして、病にかかったのですか?」
「私たちは毎日神に祈り、正しく生活をしてきました。隣の夫婦は神に祈らず、教えも破り、でも元気な子どもが生まれた。でも私たちの子どもには病気が」
「どうしてですか?」
「私たちの何がいけなかったのですか?」
って、詰め寄られたこともあったのでしょう。現代でも答えるのに難しい問いです。メンデルさんは悩んだでしょう。
祈りが届かなかったとは言えない。
神のせいにもできない。
で、メンデルさんがたどり着いた答えが”遺伝子”。
「あなた達の行いではない。無論神のイタヅラではない。あなた達の体の中にある”何か”が子どもに継がれ、現れた」と。
DNAが発見されるずっと前に、「”遺伝子”という物体がきっとある」を大きな声で主張したのがメンデルさんの功績です。