駆け出し産業機械屋のnote2
レーザー溶着という技術があります。
レーザー溶着という技術は、2つの樹脂部材をレーザー光の照射により接合する技術です。
レーザー光を吸収して吸収材表面で発生した熱が熱伝導によって透過材へ伝わり、吸収材と同様に溶融します。そして溶融した透過材と吸収材が混ざり合うため、冷却すると分子レベルで結合します(凝固する)、これを溶着といいます。
レーザー溶着試験機を使うにあたって重要なのは、
加圧力(N)
レーザー出力(W)
レーザースポット径(mm)
スキャンスピード(mm/s)
周回数(回)
レーザー波長(nm)
また、前提として、重要なのは
1.樹脂のグレード
2.樹脂の透過率
3.ワークの位置が決まっているか
のようにまとめられるのではないか。
さらに効いてくるのは、
・透過材の厚み
・吸収材のリブ形状、リブ幅、リブ高さ、周長
です。
ワーク溶着後、接合強度(N)を測定するために、
デジタルフォースゲージを使い、
溶着を引きはがす作業をします。
そして、マイクロスコープで溶着を引きはがした断面を
よく観察し、界面剥離なのか凝集剥離なのか
判断します。
このとき、下の吸収材が上の透過材のフタに「もっていかれ」
てる状態が良いです。
たまに上の透過材が下の吸収材に「もっていかれ」る場合もある。
吸収材と透過材が熱伝導で熱で溶けながら混ざり合ったあと
凝固するのがベスト。
基本的には製品の接合部に適切にレーザーを照射するだけなのだが、
奥が深い技術です。
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