女に生まれて良かったことは
生まれ変わったら男と女、どっちが良い?
なんて、女としてしばらく生きてきて結婚も出産もした今となっては聞かれることもない。
懐かしすぎる小学生のときのプロフ帳によくある質問だったような。
女に生まれて良かったこと、私の中でベストアンサーがふたつある。
ひとつは女性の細やかな気配りを同じ女性として近くで見られること。
以前の職場でお世話になった先輩にとても気配り上手な女性がいた。
何人かで出先でランチをしたとき、上司がみんなの分を奢ってくれたことがある。私や他の社員は「あざーす!」で終わっていたが、かの先輩は翌日こども用のお菓子を職場に持ってきた。
昨日のランチのお礼に、小さい子どもがいる上司に渡すのだと言う。
そっと、さりげなく渡す様子を隣で見ながら、私は目から鱗が落ちまくっていた。そんな気遣いや感謝の表し方があるなんて知らなかったのだ。
男なら絶対好きになっちゃう。自分が同じ女性で、間近で繊細な心配りを見られる幸運に感謝した。
女に生まれて良かったことのふたつめ、出産を経験したこと。
お産は命がけで、母子ともに無事だったから言えることなのは重々承知の上で。
嘘でしょ?の連続で人生経験として他では得難い体験だった。
赤ちゃんや胎盤や羊水が出ていく出産のあの瞬間、人生で一番のデトックスを味わった。陣痛の気絶しないギリギリのラインを攻める痛み、産後の骨盤のグラグラ感、ホルモンバランスのジェットコースター。
人間って服着てるだけで動物なんだな、と思わざるをえない自分の体の変化。
男は経験しないんだもんね…いいよね、痛みなく子どもを抱っこできて…と夫にマウントを取りがちだ。
生まれ変わったら男か女か、自分はどっちだろう。
男に生まれて良かったことは…も探してみたいから今度は男に生まれてみたいかもしれない。
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