コロナ禍では大半の人が負ける。 なので、うまくいかない事を気にしない
コロナ禍の今、世界中で実態経済は悪くなっている。
だからこそ、今、うまくいっている起業家が注目されて、
ドキュメンタリー番組に、取り上げられてたりしているよね。
その中では、
「コロナを逆手にとり過去最高益を出しました」
とか、
「あなたも、こうすればうまくいく」
みたいな事を、伝えてくれているよね。
僕はコロナ禍で大きく売り上げを落とした側なので、
そういうのを見ると、
「だから君はダメなんだ」
と言われてるようで、正直、落ち込む事もあるんだ。
たしかにコロナによって、アマゾンや楽天のような
『インターネット販売』が躍進したり、
『密にならない遊び』に需要が生まれたり、
今までになかった新しいチャンスも
たくさん生まれているよね。
でも、経済全体で見れば、失速した業種の方が、
ずっと多いんだよね。
たとえば、旅行業界・交通業界・飲食業界・
ファッション業界・デパート業界の仕事に
就いてる人は、かなり大変なはずなんだ。
インターネットで調べると、「今、経済状態が悪いです」
という事を示す記事が、たくさん出てきたよ。
そのなかから、3つの記事を、以下に紹介するね。
① 2020年度のGDPは4.6%のマイナス。
リーマンショックが起きた2008年度を超えて、
戦後最悪レベルの落ち込み (TBS系.JNN 2021年5月18日)
② 完全失業者数は194万人。11か月連続で増加
(総務省統計局 2020年12月の『労働力調査』)
③ 全業種の有効求人倍率は、1.18倍(2020年)
オイルショックのあった 1975年に次ぐ、45年ぶりの下げ幅
(厚生労働省 一般職業紹介状況)
だから、「うまくいった」というのは、一部の例外なんだよね。
その例外を真に受けて、うまくいかない自分を
責め過ぎるのは良くないと思うんだ。
結論としては、「うまくいかない時は、うまくいかない」。
それは、歴史上の偉人ですら、耐え忍ぶ時ってあったんだよね。
その例として、徳川家康を挙げてみるね。
徳川家康 ( 1542年~1616年 : 享年75歳 )
長きにわたる戦国乱世に終止符を打ち、260年以上にわたる
天下泰平の『江戸時代』を作った、偉人中の偉人。
でも、そのような偉人になれたのは、
運の要素も大きかったと感じるんだ。
徳川家康よりも一足早く天下を取ったのは、
『豊臣秀吉(当時54歳)』だったよね。
この時、『徳川家康(49歳)』は、
豊臣秀吉の配下になったのね。
そうしたら豊臣秀吉に「君は東京に引っ越せ」と、
命令されちゃった。
これは栄転ではなく、左遷ね。
なんでかっていうと、当時の首都は京都だから。
愛知県を本拠地にしていた徳川家康は、『田舎(東京)』に
追いやられたって事だね。
当時の東京は未開の土地。
沼地が多くて、お米はほとんど作れない状態だった。
その状況を見た家臣一同は途方にくれたんだって。
徳川家康は、それからしばらく、目立ったエピソードって無いんだよね。
もう、『ヘビ(豊臣秀吉)』ににらまれたカエルというか。
仕方がないので、東京でも米が収穫できるよう、
地道に土地を良くするくらいの事しかできなかった。
でも、“あるとき”から、タナボタ的に徳川家康にツキが回ってきた。
その“あるとき”とは、豊臣秀吉の病死。
これは、東京に左遷されてから
8年後のできごとだったんだよね。
徳川家康、この時57歳。
「人生50年」と、言われていた時代だからね。
「いつ死んでもおかしくない」と言われる年齢から、
なりふり構わず動き出す。
豊臣秀吉は亡くなる前、
「ワシの跡継ぎとなる、幼い息子を補佐してくれ」
と、徳川家康に頼み、
「必ず守ります!」
と、答えていたらしいんだ。
でも、豊臣秀吉が死ぬと、アッサリ手のひら返し!
その幼い息子に難癖をつけて、あろう事か
豊臣家ごと攻め滅ぼしてしまう。
そして天下取りに成功し、江戸時代を作った。
豊臣秀吉は62歳で亡くなったけど、もしも、徳川家康と同じ、
75歳まで生きていたら、徳川家康も、どうにも
ならなかったと思うんだ。
繰り返しになるけど、徳川家康ほどの偉人であっても、
“豊臣秀吉が生きている”という、環境がダメな時はダメだった。
その時は、ひたすらジッとして力を蓄えるしかないんだよね。
いうまでもなく、徳川家康は、今、テレビで特集されているような
起業家よりも凄い人だよね。
なんたって、亡くなってから400年以上たった今でも、
すべての日本人が知っているほどの偉人だもんね。
そんな人物であっても、運命には逆らえないというか、
人間、ダメな時はダメなんだよね。
そうした時は、うまくいかない事を悩み過ぎるよりも、
今できる事を粛々と実行し、チャンスが来るまで力を
蓄える方が良いと思うんだ。
君は意思が強く、目標を定め、運命を自分の力で切り拓こう
とするタイプだよね。
僕は本当に、素晴らしいと思う。
そして一般的にも、「運命は自分で切り拓け!」と言う人は多いよね。
でも、僕は思うんだ。
「人間には、さほど運命を変える力は無い」と。
僕らの存在は、『流れの激しい川(時代や環境)』に浮かぶ、
小さな笹船なんじゃないかな?
多少、左右に舵を切る事はできるかもしれない。
でも、流れに逆行したり、大きく方向を変える事は
できないような気がするんだ。
「運命は変えられる」
「運命は変えられない」
どちらが正しいかは、証明できないだろうね。
だから、それを良い事に、自分の置かれたその時の状況で、
都合良く使いわければ良いと思うんだ。