人間は、先が見えない事を極度に怖がる癖がある

僕たちは、

『先が見えない事を、必要以上に不安に感じる癖がある』

という事を、覚えておいた方が良いと思うんだ。


その不安感の原因は、原始時代からの名残だと思う。


初期の人類って、『肉食獣(ライオンとか)』のエサになる事も
多かったはずなんだよね。

まさに食うか食われるかの時代だね。

当時の人類は、すみかとしていた洞窟から、
狩猟などで平原に出るのは、メチャメチャ
恐怖だったと思うんだよね。

なんたって360度、いつ、どこから襲われるか
分からない状態だからね。

その中で、もっとも怖かったのは夜だと思うんだ。

肉食獣は、暗闇でも見える目を持っている。

けれど、人間の目は、そこまで高性能じゃないからね。


見えないなかで、肉食獣の足音だけが迫ってくるというのは、
現代の僕らには想像もつかない緊張感だったろうね。

そんな時代は、夜もウカウカ眠っていられないよね。

いつ肉食獣がやってきても撃退できるよう、
24時間365日、警戒していた。


つまり、不安感が強い性格でなければ、
生き残れなかったはずなんだ。


その不安や緊張を強いられた期間は、
どれくらい長かったのだろうか?

僕は調べてみたんだ。

そうすると、『人類』は約700万年前に
誕生した事がわかった。

そして人類が、肉食獣を圧倒する能力を
手に入れたのはいつだろうか?

それは、『農業の技術』を手に入れた時だと思う。

その理由は、農業を可能にするには、他の生物にはできない、
次の3つの『能力(知識・知恵・技術)』が必要だから。


① 『農具(クワなど)』を作る能力
② 『小麦(農作物)』を育てて、収穫する能力
③ 『小麦(農作物)』を、食料(パンなど)に加工する能力


この3つの事ができる能力があれば、人類は肉食獣を、
それほど恐れなくても大丈夫な生活が手に入ったと思う。


さて、では、『農業(比較的、安全な時代)』は、
いつから始まったのだろうか?

調べてみると、約1.2万年前からなんだって。

「何万年」とか言われても、スケールが大き過ぎてピンと
こないと思うので、ここでは、『700万年』という期間を、
『1時間(60分)』に置き換えてみるね。


そうすると、農業が始まった『1.2万年前』というのは、
わずか『6秒前』のできごとなんだ。

人類は、つい最近まで、肉食獣のエサになっていたんだね。

僕も計算してみてビックリしたよ。


そういうわけで、僕らは、

「いつ食われるかわからないから警戒せよ!」

という、原始時代から続く遺伝子がオンのまま
になっていると思うんだ。


だから僕らは、先が見えない事に対して、
過剰に恐れてしまうのだろうね。

その性質を利用してできたアトラクションが、
『お化け屋敷』だと思うんだ。

お化け屋敷に、本物のお化けが出ると
思っている人っていないよね。

脅かしてくるのは、機械とか、
バイトの大学生だとわかっている。

でも、猛烈に怖いよね。

屋敷内は、暗いから先が見えにくい。

曲がり角も多いから、なおさら先が見えない。

だから、急に大きい音がすると、バイトのしわざとわかってはいても、
死ぬほどビックリする。


でも、もし、お化け屋敷に入る前に、
見取り図をもらったらどうだろうか?


その見取り図には、

「ここの角を曲がると、1つ目小僧が光ります」

とか、

「ここの床を踏むと、お化けが『ギャー!』と叫びます」

とすべて説明が書いてある。

きっと僕らは、そんなお化け屋敷は怖くない。


「書いてあるとおり、従業員さんがドンドンと壁を叩いてきたよー」

と心に余裕があると思うんだ。


まぁ、それだけ人間は先が見えない事が怖いし、
逆に、先がわかると安心できる性質がある
という事が、わかってくれたかなと思うんだ


僕らは、人が作ったお化け屋敷が「怖い」と感じるくらいだから、
本当にどうなるかわからない、コロナはもっと怖いよね。


特に君のように賢く、良く考える人ほど、

「世界は転げ落ちるように悪くなるのでは?」

と1日の大半を心配してしまい、不安感が無限に
膨らんでしまうのではないだろうか?


それさえ知っておけば、

「あ、また、心配センサーが過敏に反応してるな。

 ちょっと落ち着いて深呼吸するか!」

と、立ち止まる事で、ある程度、気が楽になると思う。


当たり前だけど、人間には未来はわからない。

だから、未来は考え過ぎてはいけないと思うんだ。

それよりも大事なのは、今、自分ができる事、または、
やらなければいけない事をリストアップして、それを
着実にこなしていく事だと思うんだ。

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