『DeepSeek』によるエヌビディアへの影響

「Nvidiaのデータセンター向けGPUと生成AIへの需要は依然として強い勢いを保っている。したがって、この新しい技術が短期的にNvidiaを圧倒する可能性は低いように思われる。」
また、DeepSeekが6万ドルで開発したと主張しているが、米調査機関によると、実際にはエヌビディア製のAIチップを5万個超、少なくとも5億ドル以上を購入に費やしているらしい。
つまり、DeepSeekの主張は嘘。流石中国、嘘を平気でつきます。
また、サーバー設備投資に16億2900万ドル、運用コスト9億4400万ドルと試算されています。
どうやら、シンガポールや東南アジア経由でエヌビィディア先端AIチップを調達した模様。
(1) エヌビディアの強み

  1. GPUの圧倒的な技術力・エコシステム
    長年にわたりGPU開発をリードしてきた実績があり、クラウド事業者や大手テック企業などはすでにNVIDIA GPUをベースとしたAIインフラを確立しています。CUDA等も充実しており、エンジニアがCUDA開発環境に慣れてしまっている。

    1. データセンター向け需要の拡大
      AIモデルの大規模化、生成AIの普及に伴って学習・推論処理が加速しており、データセンターでのGPU搭載量は増加傾向にあります。特に大規模言語モデル(LLM)などは高性能GPUを数千~数万単位で並べた大規模クラスターを必要とするケースもあるため、しばらくは需要が高い水準で維持されるという見方もあります。

  2. WSTSによると、半導体産業は2025年に100兆円を超える産業になる模様・

  3. 用途の多様化
    ゲームや自動車(ADAS・自動運転など)から、ロボット・産業用途、メタバース関連など、GPUを必要とする分野は幅広く、AI分野以外にも収益源が分散している点は企業としての安定材料と言えます。

(2) リスク要因

  1. 競合の台頭

    • AMDやIntelなど、他の半導体企業もAI向けGPUや専用チップを強化していますが、エヌビィディア一強だろう。Intelは論外でしょう。

    • Google (TPU)・Amazon (Inferentia) などクラウド事業者も独自チップの開発を加速しています。

    • 一定の用途(特定のタスク)ならばGPUよりも専用ASIC(特定の用途に特化したAIチップ)のほうが高速・省電力な場合があり、これが高性能化すればGPUが選ばれにくくなる可能性があります。ちなみに、ASICが強いのはブロードコム(スマホ内のチップ)です。(5Gや6G関連)

  2. 需要サイクルの変動(4年周期の半導体サイクル)
    半導体業界特有の景気循環(在庫調整など)があり、一時的に需要が縮小するタイミングは避けられません。とくに2024年以降、世界的な経済状況の変化によりデータセンター投資のペースが一服するリスクも指摘されています。しかし、トランプ肝いりのAI投資政策で孫正義が座長となり、イーロンマスクやサムアルトマンと共に4年で80兆円!の巨額AI投資が行われる予定です。マグ7一強寡占化が更に進むのだろう。

  3. 地政学的リスクや規制
    中国向け輸出規制など、世界各国の規制が強化されると特定地域への売上が制限される可能性があります。輸出規制強化でハイエンドGPUを海外に提供できなくなると、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。


3. 今後の見通し

(1) 中長期的な視点では需要が根強い可能性

  • 生成AIや大規模言語モデルの需要はまだ拡大過程にある
    企業や研究機関、サービスプロバイダーが一斉にAI関連投資を行っており、GPUのような汎用性の高い高性能計算資源は引き続き必要とされると考えられます。特にAIモデルは年々大規模化し、学習も反復的に行うため、簡単に需要が急減するとは考えにくいです。

  • ソフトウェアエコシステムの強み
    CUDAをはじめとする開発環境の成熟度や既存ユーザーによる実装事例の蓄積は大きな参入障壁になっています。新興技術がGPUを一部置き換えることがあっても、GPU全体の需要を一気に奪うほどのインパクトが出るかは不透明です。

(2) 短期的には株価変動に注意

  • 投資家心理によるボラティリティ
    AIブームの高まりでエヌビディア株は2023年には大幅に上昇しました。その後、マクロ経済の変化(インフレ動向や金利上昇など)や、ライバル技術の話題などによって、一時的な調整局面が訪れても不思議ではありません。投資家の思惑による短期的な売り買いが相場を大きく揺さぶる可能性があります。

  • 好決算 or 失望決算のリスク
    市場の高い期待値に対して、実際の決算(売上・利益)が届かない場合、失望売りに繋がるリスクはあります。ただし、予想を上回る決算や、今後のAI投資需要の予想を上方修正するような発表があれば、再度株価が上昇に転じる可能性もあります。


4. まとめ

  • 『エヌビィディアがオワコンである』が“杞憂”かどうかは、少なくとも短期的には断言が難しい
    新技術が登場しても、すぐにGPU需要を根本から覆すとは考えにくいものの、投資家のマインドや決算内容次第で株価が大きく動く可能性があるため、慎重な見極めが必要。エヌビィディアの次回決算は2/26

  • 中長期では依然としてAI・GPUへの需要拡大が続く見通しが多い
    AIモデルの大規模化・多様化、CUDAなど開発環境の優位性もあって、少なくとも数年スパンではエヌビディアが相応の競争力を維持するとの見方が支配的です。CUDAなど開発環境は、参入障壁にもなってますよね。

  • 投資家視点では、短期のボラティリティと長期の成長期待の両面を考慮する必要がある
    AI関連分野は今後も技術革新のスピードが速く、市場の変動も大きい可能性があります。テック株の投資はハイリスク・ハイリターンの要素を含むため、業績動向だけでなく、競合状況・マクロ経済・地政学リスクなどを総合的に見守ることが重要です。特に金利に注意が必要。高金利下では、グロース株(SoFi等のフィンテック株)やハイテク株が打撃を受けやすいです。

結論として、「エヌビディア株がもう上がらない(オワコン)」と断定するのは時期尚早と言える一方で、株価が常に右肩上がりで推移する保証もなく、投資家心理や市場センチメントの変化による上下動は避けられません。長期的に見れば、AI市場全体の拡大とGPUの需要増はまだ十分期待されるため、一部の悲観論が即座に現実化するとは限らないでしょう。とはいえ、"DeepSeek"のような新技術や他社独自チップの動向も注視し、エヌビディアの決算や戦略の変化を適宜チェックすることが大切です。


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