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マッチングアプリで初めてのお付き合い

とある夏の日
相変わらず私はマッチングアプリで遊び相手を探している。

なんとなくマッチした男性。
3つ歳下の海上保安官。
高身長で本当にイケメンだった。

他の男性とは違って数ヶ月間やり取りだけをしていた。
ようやく会うことになり、お互い初めて行く焼肉屋さんで食事をした。
それまでも、焼肉屋さんの予約をしてくれたり、初回だから現地集合にしようと提案してくれたりと、下心が見えず紳士的だった。

緊張の中、焼肉屋に入り、注文をした。
お互い敬語でさん付け呼び。初々しくて私はすごくドキドキしていた。

食事中、彼は何かを言いたそうにしていたので探ってみると、バツイチ子持ちというカミングアウトをされた。
私はすごく驚いたが、この時点で好きという気持ちがあったのか、そんな彼を受け入れた。

なんだかんだで楽しく会話をした後はお互いの車に戻り解散した。
それまでの道中で、私は心の底からまた会いたいと言った。
彼はバツイチ子持ちというレッテルに駆られているのか、私の発言にホッとした表情を見せた。
歳下ということもあり、私はそれが可愛くてしょうがなかった。

これこそ沼である。

そう。私はすでに彼に沼っていた。
数週間後に彼からご飯に誘われた。
今度はお昼の時間帯で、半日時間があった。
海の近くにある海鮮屋さんで食事をし、海を見に行った。
彼は突然手繋ぎたいと言ってきた。
私は、付き合ってないが、手ならいいかと思い、繋いだ。
心臓が止まりそうだった。

しばらく歩いてぼーっと海を眺めていると、彼からキスをせがまれた。
正直本気の相手ならキスは付き合ってからしたかったが、欲に負けてしまった。

人が見ているかもしれない中、2人は熱いキスを交わした。
私はその瞬間好きが溢れた。
付き合ってないのに?と探ってみたが、彼は聞こえていないのかキスを続けた。

場所を変え、今度は人気のないところに車を走らせた。
車内では手を繋ぎ、カップル気分を味わえた。

会って二回目でこんなに進展するんだろうかと不安もあったが、そんなのどうでも良かった。

毎日LINEもした。
すると急に彼は転勤を命じられたと言い出し、次会う暇もなく遠くに行ってしまった。
彼も悲しそうにしていたが、私はもっと悲しかった。
それを知ってて付き合う気もなくキスをしたのかとか。色々考えた。

彼が転勤してからもLINEは続いていた。
会いにきて欲しいとも言われたが、福島から青森という距離。
彼氏でもない相手にこれほどの時間をかけて会いに行くのも腰が重かった。

私も彼に会いたかった。
だから、会いにきて欲しいなら、付き合って。と言った。

すると彼は、好きです。付き合ってくださいと言ってくれた。
私はなんの迷いもなく2つ返事をした。

この瞬間、私たちはカップルなのか?
二回しか会っていない、遠距離。
時間が経つにつれて付き合っているのか分からなくなった。

ほんとは今すぐ抱きしめたいけど、彼は仕事上県外から出られない。
私が行かなければ彼には会えない。そんな状況の中、この恋が続くはずもなく、私からLINEを返さなくなった。

自然消滅でいい。所詮アプリで出会った男性。バツイチ子持ちで、私にとっていい事は何もないと思うようになった。

しかし今思うと、本当に心の底から好きになった相手だったと感じた。
こんなにも素直に気持ちを伝えてくれる真っ直ぐな彼。

私もちゃんと恋ができるんだと知った。

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