冬の布団選びはここに”注意”
羽毛布団の選び方、難しいですよね。
似たような布団なのに、なぜ価格にこれほど違いがあるのか。
羽毛布団のスペックには、見るべきポイントがいくつかあります。ポイントを押さえておけば、間違いの無い羽毛布団選びができます。今回はそれらポイントをご紹介したいと思います。
1.布団の種類
まずは布団の種類を確認しましょう。
羽毛布団には季節に合わせた厚さと呼び方があります。
夏用には薄手の「肌掛け布団」
冬用には厚手の「本掛け布団」
春と秋用には中間の厚さの「合い掛け布団」
がそれぞれあります。
詳しくは上記3種の違いを書いたコラムをご覧ください。
2.羽毛の「鳥」の種類
鳥の種類を確認しましょう。
羽毛布団に使用される鳥は主に2種類です。
ダック:アヒル
グース:ガチョウ
グースはダックよりも約2倍体が大きく、その分ダウンボール(羽毛)の大きさも2倍近くあり、保温性に優れています。
グースはダックと比較して匂いが少ないことも特徴です。ダックは匂いを除去する為に洗剤を多く使用するので、ダックの羽毛布団は獣臭か洗剤臭が残っている商品が多いと言えます。
グースとダックの羽毛布団は、羽毛布団の膨らみや軽さ、暖かさ等全ての面において違いが出てきます。
多少高くても良い羽毛布団を購入したいとお考えの方はグースの羽毛布団をオススメします。
3.羽毛の「産地」
羽毛の産地を確認しましょう。
流通する羽毛布団の多くは北欧か中国が主な産地になっています。
北欧では「ポーランド」や「ハンガリー」が主な産地です。北欧ではありませんがロシア産やカナダ産の羽毛も流通しています。
一般的には鳥の飼育環境や羽毛の品質管理の観点から北欧産のダウンが良質と評価され、中国産ダウンは北欧産と比較して安価に流通しています。
4.羽毛のダウン密度
羽毛のダウン密度(ダウン率)を確認しましょう。
羽毛布団に使われる羽毛には、「フェザー」と「ダウン」が含まれています。
フェザー:鳥の羽根
ダウン:鳥の胸毛
フェザー(羽根)は芯があり、側生地からの吹き出しの原因になります。また、ダウンと比べて保温性は低くなります。
ダウン(胸毛)は軽くて柔らかく保温性が高い素材です。
ダウン率とは、使われている羽毛に対してダウン(胸毛)が何%含まれているかという品質を表しています。
例えばダウン率90%の場合、羽毛布団に使われている羽毛の90%以上が柔らかい「ダウン/胸毛」で、残り10%が芯のある「フェザー/羽根」になります。
つまり、「ダウン率が高い=より保温性に優れた羽毛布団」 となります。
5.ダウン密度の「高い低い」
続いてダウン密度の高さ、低さを確認しましょう。
流通する羽毛布団はダウン率を大きく4段階に分けています。
段階1:50%以上
段階2:80%以上
段階3:90%以上
段階4:93%以上
仮にダウン率が95%以上あったとしても、表示上は93%とされることが一般的です。表参道布団店でも羽毛性能評価試験で「95%」の性能結果が出た場合でも「93%」と表示しています。(まれにWEBサイト上で95%表示をしている会社もありますが、商品に付けられた品質表示タグには93%と表示されているはずです。)
ダウン率が低いという事は「フェザー(羽根)」が多くなる為、布団が重くなる、保温性が低くなる、羽毛が飛び出す、等のデメリットが多くなります。その分安価な価格設定になっています。
良い羽毛布団を選びたい方は、ダウン率が高い商品を選ぶ様にしましょう。オススメは90%以上。品質にこだわりたい方は「93%表示」の羽毛布団をお選びください。
6.羽毛の量
使われている羽毛の量を確認しましょう。
比較検討中の羽毛布団で、産地も同じ、ダウン率も同じなのに値段に開きがあると感じられた経験をお持ちの方、羽毛の重量に違いがあるかもしれません。
冬用の本掛け布団でも、会社によって羽毛の充填量に違いがあります。羽毛布団の原価に占める割合は「羽毛」が圧倒的に多いので、安く羽毛布団を作るために充填量を減らしている会社もあります。
羽毛の充填量が少ないと、安く購入できるというメリットがある反面思ったよりも暖かくないというデメリットもあります。
表参道布団店では独自の使用テストを重ね、羽毛布団充填量を以下としています。
ホワイトグース(シングル)で1.3kg
マザーグース(シングル)で1.2kg
マザーグースはホワイトグースよりも保温性が高く、充填量を減らせます。
羽毛布団メーカーの中には、冬用グースダウン羽毛布団シングルで0.9kg程度の充填しか行っていないメーカーもあるので、購入時には注意が必要です。
一枚でもしっかりと暖かい羽毛布団をお求めであれば、ホワイトグースダウン(シングル)で1.2kg〜1.3kg程度、マザーグースダウン(シングル)で、1.1kg〜1.2kg程度を目安にすれば良いと思います。
7.側生地
続いて、側生地を確認しましょう。
実は羽毛布団の原価において、側生地が占める割合は結構なもの。
安価な商品では「ポリエステル」が主に使われていますし、高級品は「綿100%」を主に使用し、さらに生地には番手によるランク分けがあります。稀に「シルク」を使用している布団もあります。
綿は番手によって価格が大きく異なります。番手とは、編み込みの細かさを指します。番手が高いほど、細く繊細に編み込まれ、肌触りが良くなります。
一般的な綿100%生地では40番手が多くみられます。
それよりも肌触りが良い生地であれば60番手を使用してる例も。
高級羽毛布団では80番手生地を使用している商品もあります。
100番手以上となるとシルクの様な肌触りとなり、ほぼ超高級品に限られます。
表参道布団店では、「Flower Down」と「Clean Cycle Down」に60番手、「RDSホワイトグースダウン」に80番手、「プレミアムRDSダウン」に120番手生地を使用しています。
8.産地(製造国)
続いて、産地を確認しましょう。
素材が良くても、製造する人や工場のレベル次第で布団の質にも差がでてきます。日本国内で流通する布団の多くは、「日本産」か「中国産」に分かれます。
国内の高級布団メーカーのほとんどは「日本国内での製造」である一方で、大手の流通企業等が販売する羽毛布団はほとんどが「中国での製造」です。
一概に、中国産=日本産よりも質が劣るとは言い切れませんが、産地や品質を気にされる方は購入時にチェックしておきましょう。
9.その他
素材や産地による布団の質の違いはこれまで書いてきた通りですが、企業によっては他にも色々と工夫をしてより良い商品作りに励んでいます。
例えば洗い方。羽毛はそのままだと匂いがある為、いかに綺麗に洗いあげるかが羽毛の質を引き出す上で重要です。
例えば保管方法。羽毛布団はまとめて作って大量に保管する企業が多い為、長く在庫になった羽毛布団は安売り等で一斉処分されます。安い、掘出し物価格には理由があるので気をつけましょう。
表参道布団店では、お客さまのオーダー後に羽毛充填を行うので、出来立てを「お届けしています。在庫品とは異なる羽布団の膨らみにきっと感度していただけると思います。
まとめ
冬用本掛け布団を例に、羽毛布団の見分け方をまめておきます。
1:グースかダックか。(良い商品はグース)
2:羽毛の産地はどこか。(北欧か中国か)
3:ダウン率は高いか。(90%以上を目安)
4:羽毛の量は十分か。(ホワイトグース1.2kg 〜、マザーグース1.1kg〜)
5:側生地の素材は何か。(ポリエステル、綿、番手等)
6:製造国はどこか(国産か中国産か)
上記の項目で羽毛布団の品質をチェック頂くと、良い羽毛を選べているかどうかお分かりになると思います。
流通している商品によっては上記の項目を表示していない商品もあります。その場合、表示に値する質を担保できていない(表示すると競争力が劣る)可能性がある為、注意してご購入ください。
表参道布団店では、ここまでご紹介した項目を全て高い基準でクリアした製品を製造しています。良い布団をお求めであれば、是非選択肢に加えてみてください。