ジャムおじさん破産したってよ。
「ジャムおじさん~~破産」
って、ジョイマンのネタがあって、爆笑したことがある。
それで、ふと、ジャムおじさんが破産したというストーリーを書きたくなった。
殴り書きなので、お気軽にお読みくださいね。
あのパン工場が閉鎖されたというニュースが町中を駆け巡ったとき、誰もが耳を疑った。
「え、ジャムおじさんが破産?あのパン工場が?」
正義と笑顔を届けてきたあの場所に、一体何が起こったのだろうか?
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ジャムおじさんの経営するパン工場は、確かに一見すると夢のような場所だった。
アンパンマン、ショクパンマン、カレーパンマン…次々と生み出されるキャラクターたちは、困っている人々を助け、世界に希望を届けてきた。
しかし、現実は甘くなかった。
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原因その1:高すぎる製造コスト
アンパンマンの顔を作るには、特別な小麦、最高品質のあんこ、そして秘密の技術が必要だ。
これらの材料費は年々高騰し、経営を圧迫していた。
しかも、アンパンマンの顔は「使い捨て」。
助けるたびに顔を提供し、新しい顔を作らなければならない。
さらに、顔を焼き直すたびに膨大なエネルギーがかかる。
パン工場の電気代は毎月高額で、エコロジーへの配慮が求められる昨今、工場には批判も集まっていた。
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原因その2:バイキンマンとの終わらない攻防
バイキンマンとの戦いが日常化している中、工場の修繕費も無視できない問題だった。
バイキンマンのいたずらで壊れた窓、割れた機械、飛び散った小麦粉――。
そのたびに修理業者を呼び、多額の出費がかさむ。
「バイキンマンを放置するのは正義に反する」というアンパンマンのポリシーにより、ジャムおじさんも反撃を控えてきたが、これが結果的に経営を苦しめる一因となった。
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原因その3:過剰な「無料サービス」
アンパンマンは人々を助ける際、一切お金を受け取らない。
「困っている人からはお金を取らない」という信念が、彼の正義を支えていた。
しかし、この無償の助け合いには問題があった。
無料で配られるパンの量が増えるほど、工場の赤字も増えていったのだ。
「売上ゼロの事業モデルで経営が成り立つわけがない」と、会計士から何度も忠告を受けたが、ジャムおじさんは首を縦に振らなかった。
「人を助けるために作ったパンで利益を上げるなんて、本末転倒だ」と彼は言い続けた。
だが、その結果として銀行からの借金は雪だるま式に増えていった。
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原因その4:従業員の労働問題
バタコさんとチーズは、ジャムおじさんの右腕として工場を支えてきた。
しかし、人員不足の影響で、彼らの仕事量は増え続けた。
バタコさんは早朝から深夜まで顔を投げ続け、チーズは毎日パン配達を兼務。
「これ以上働けない」と不満を漏らすようになり、ついには労働基準監督署の調査が入ることに。
「正義のため」という理由で働かされることに疑問を抱き、バタコさんは静かに工場を去った。
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破産後のジャムおじさん
破産宣告を受けた後、ジャムおじさんは工場のシャッターを静かに下ろした。
「みんなには迷惑をかけたな」とつぶやきながら、彼はパン焼き用の帽子を外し、アンパンマンの肩に手を置いた。
アンパンマンは涙ぐみながら言った。
「僕がもっとたくさん助ければ、工場は救えたのに…」
ジャムおじさんは首を振り、静かに答えた。
「アンパンマン、お前はよくやった。これは私の責任だよ。」
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新たなスタート
その後、ジャムおじさんは小さなパン屋を開き、地域の人々に寄り添う仕事を始めた。
以前のような派手さはないが、少し肩の荷が下りたようだった。
アンパンマンも再び活動を始めたが、彼の中には新たな疑問が芽生えていた。
「正義とは何だろう?」
それは、ジャムおじさんがいなくなった世界で、自分が向き合わなければならない新たな課題だった。
そして今でも、あの工場跡地には風が吹いている。
かつて正義とパンの香りで満ちていた場所は、静かに眠り続けているのだ。