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2日目/脱・海岸線2



4:45起床!なんてこった!日の出まであと一時間しかない!朝の海を見るためにここへ来たというのに!百均で買った300円のサンダルでバビュンと外へ出た。

自販機で飲み物を買って(ここ数年で飲み物を持たないで出歩くということがすごく怖くなった)海岸を歩く。


5:01

あ〜〜これこれ この匂いだ 言うほど寒くも暑くもないちょっと寒くて湿気はない風と、季節外れの潮の匂いだ

今まで川やビルなどでお茶を濁していたけど、やっぱり海とで〜〜〜っかい空が大好きだ。すごく落ち着く

コロナが流行りはじめのとき。まだ誰もウイルスのことがわからなくて、あらゆる店が閉まってて、学校もどうなるか決まってなかったとき。ちょうど春休みで、もう世の中大変なことになってるし、なんか世界終わりそうだし、昼夜はぐちゃぐちゃだし、でも家に引きこもって鬱々してるのも身体に良くないから、よくみなとみらいまで日の出を見に行っていた。

(そう!あの頃はみなとみらいまで歩いていける距離に住んでいた。しんどい思い出も多いけど好きな家だった。)

春の早朝はまだ寒くて、日が昇るとじんわり体が温まっていくのがきもちよかった。生き物がいないビル街と、6車線くらいある太い道路を左右確認しないで渡った。あんなに排気ガスの匂いがしないみなとみらいを初めて見た。

歩きながらいろんなことを考えて、いろんな曲を聴いた。よくヨルシカを流してたから、今でも『言って。』とか聴くと春の死んだみなとみらいを思い出す。
私にとって好きな匂いの場所に行くというのは中々良いらしい。


地図を見ないで海岸を歩く。朝ごはんまでには余裕あるし、迷っても何とかなるだろうし、どこかゴールがあるわけじゃないから適当に歩く。右に行っても左に行っても折り返してもいい、選択肢は富!地図を見ないで歩くというのはとても豊かなこと😌😌


5:10

まだ暗い浜辺でリードなしでイーヌを散歩させてるお父さんと遭遇。暗闇から突然ボーダーコリーヌが飛び出してくるもんだからびっくりした。

おはようございますと挨拶されたけど朝イチで全く声が出なくてめちゃくちゃ吃ってしまった。う…つらい… てかリードしなね


好きな曲を聴く資格が無いので、周りの音に耳を傾けながら考え事をする。まだ日も出てないのに鳶が忙しく鳴いている。波は穏やかで、丁度考え事を遮らないくらい。

早朝みなとみらい散歩をしていた時期、一度だけ「凪」を体現した海に遭遇した朝があった。

【凪】
意味 なぎ。なぐ。風がやんで、波がおだやかになること。

goo辞書

日本語としては知ってたけど本当にそんな状態ってあるんだ!!!と思ってびっくりした。無風も無風。まっっっっったく波の音がしなくて、ゼラチンで固めたでっっっっかい水たまりがあるみたいだった。凪の海を知れたからあの日々は無駄にはならなかったと言える。


5:21

ちらちらと空の色が変わってきた。


5:29

GINGERの境内に到着。
木も碑も海に向かって立っている。ちょっとは私のことも気にしてくれよ。


岩場に登れそうな階段があったので登ってみた。

ウオ………………     すごく怖かった。オカルト的なことじゃなくて………、

抗えないデカい意図(エネルギー)と、なんかの、誰かのテリトリーに入っちゃった感覚がものすごかった、ひ〜〜〜〜 忘れがちだけど宗教関連施設ってそういうところありますよね。


5:33

振り返ると山が燃えていた。


5:37

ワ!!!!!!!!!


松が生茂る岩場だったのだけど、階段を降りながら海側を見るとまた別の碑が目に飛び込んできた。びっくりして思わず声が出てしまった。

さっき👆はああ言ったけど、自然物は基本【こちら】を見ていないじゃないですか。海はもちろん岩も木もこっちを見ていない(桜はたまに見ている)ので、安心して居られるんだけど、そんなさあ、【こちら】を見てないものしか居ないと思ってる場所に、急に【こちら】を見てる碑が繁みから現れたらさ、そりゃ驚いて声も出ちゃうよ。

歴史は好きだけど由来とか興味ないからいつも程々にスルーする。でもこれはちょっと気になっちゃったから調べた。
そしたら源頼朝が「良くね?」ってテンアゲした松らしいということがわかった。あとこの街一体も気に入ってたらしい。いい場所だもんね。


💜🗻🤍
🦅

波打ち際まで下りられるみたいなので、ぐんぐん下へ。


5:45 日の出☀

Beautiful biew!!!!!!
かなり良い場所!!!!遠くに江ノ島、そのまた向こうに富士山が見える。いい感じに腰掛けられる段差もあり、ここで休憩がてらマウントフジを眺めることにした。


5:48
みなさん蟲師の「囀る貝」は読んだことありますか?
そうですか、じゃあ読んでくださいね
意外にも直線が多い


五感に集中して山や海や石や岩を観察をする。

脳🧠 ☛ 五感👂 ☛ 脳🧠 ☛ 五感👁 …

を繰り返して感情が入る隙を与えない。


うん、うん、創作のことはやはり創作でしか解決できない。そしてありがたいことに、創作のことについて相談できる人と近日合う予定がある。ここまでくると感情に支配されずに教えを乞うことができそう。

よし、いったん保留!
それはそれ、これはこれ。ヘマをしないように、アウトプットだけは控えて。すこし自分を許せた。まあまあいいじゃない、大事になる前にちょっとした怪我ですんでよかった。

覚えてる祝詞を唱えるぐらいならいいだろと思って、山に陽があたる様子を見ながら何曲か歌った。普通に近隣住民の方がイーヌの散歩などに来るので恥ずかしかったけどいいやべつに、私はここの人じゃないし。


6:01

背後に迫る朝日が、遠くの街や山をゆ〜っくり照らしていくのがわかる。それまでシルエットでしかなかった、でっかい影の塊の細かなところがじわじわ見えるようになる。すごく綺麗、これは詠まなきゃ。

ジェロニモ短歌賞に行ったことで、生活の選択肢に【歌を詠む】が誕生した。選択肢は富、選択肢なんか多いほうが絶対に良い。
今まで良きものに出会ったときの心象を切り取る方法は、文章・写真・絵ぐらいしかなかったのだけど、短歌! 良い、景色とか記憶の話をするのに丁度いい制約だと思う。

グッドビューの記録はタイムラプスにお願いして、風の匂いを嗅ぎながら5と7のことを考える。
短歌を作り始めてから昔の人の短歌の上手さにものすごく驚いた、いくらそれしかやることがなかったからって上手すぎやしないか??






できた!

稜線を溶かしてまわる陽光は百年前のオートクチュール

そこが名勝だとしても、歴史があっても、他のみんなが知っていたとしても、目の前のものが良いなと思った体験は私のものにしてよい。全然よい。

歴史疎いし調べられなかったから適当に百年って言ったけど、頼朝がここ来たの1180年とかっぽいね。ワハハ!まあいいや どうせ百年前の人もこの景色を「ええやん〜」と思っていたはずだし。


お腹空いたーーー!!!! 宿に帰って朝ごはんを食べよう!

6:53
中川「全部同じじゃないですか!」


ご飯を食べて、ザパーとお風呂に入ってメイクをする。

あれ!ちゃんと鏡の人が誰かわかる!おお、私だ!私!おかえり〜〜!メイクかわいいね!

あと選んだときは何も感じてなかったけど(心臓にコンクリートを流し込まれていたので)、夏の私が秋になったら着たいと思ってたワンピースを持ってきていたので着てみた。

わ!すごく可愛い!すごく可愛いと思える!わーーー!

メイク楽しい!!着たい服もちゃんとある!!なんか元気になってきた証拠じゃない?

早起きしたからめちゃくちゃ眠い、京急でゆっくり帰ろう。まだお昼だからなんでもできる、なんでも。選択肢は富。私は今ものすごく豊か。
海に来てよかった。海ありがと〜〜〜〜🎶🎶だいすき🎶🫶🫶


追記

そういえば昨日は真空ジェシカの寄席「寄席崎心中」のチケットを取っていたのですが、流石にお笑いを見る気になれなくて蹴ってしまった。(譲渡も出したけど買い手が現れなかった😔)

そしたらシークレットゲストがランジャタイとキュウって!!!ウワーーーーッッッ!!😭😭😭😭

かなり悲しい!!!でも考えようによっては高円寺に行っても海に行っても救い※が用意されていたということだから。
ifルートも悪くない、どっちも正解! 人生のちいちゃい分かれ道がどっちも正解だって分かることなんてそうそうないからね、嬉しかった。高円寺に行った別の世界線の私も幸せになってるんだと思うと、それはそれで良かった。

※…私はかなりランジャタイを救いだと思っている

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