音楽鑑賞の時間②「YouTubeのコメント欄」を授業に生かせないか
1.積極的に音楽鑑賞を楽しんでいる人ってどんな人?
前回の記事で音楽鑑賞を積極的に楽しんでいる人をいくつか挙げてみました。本記事では、積極的に音楽鑑賞できている人ってどんな人?ということを考えていきます。ただ、漠然と考えていくのは難しいと感じたので、YouTubeのコメント欄に曲の感想を書く人について限定して本記事では考えようと思います。実際にYouTubeで書かれているコメントを読み、コメントを書くほど音楽に関心のある人が、どのように音楽を聴いているのか考察したいと思います。
2.コメントの考察➀ DISH//(北村匠海)ー猫
➀動画を選んだ理由
THE FIRST TAKE はYouTubeの登録者数が741万人もいます。そんな影響力の大きいチャンネルのなかでも1.9億回と最も再生回数が多かったため選びました。
②着目したコメント
ある歌詞に着目して曲の良さを語るコメントに多くの「いいね!」がついていました。「そうそう!その歌詞が心にグッとくるんだよ!」という共感もあれば、「私はこの歌詞が心にグッとくるな」など歌詞に着目することで、自分なりの曲に対する良さを見つけられるのではないかと思います。また、同じ人が聴いていても聴く時期によって、心に染みる歌詞が違うというのも面白い視点だなと感じました。また、全力で歌っている姿に感動するというコメントも多く見られました。
3.コメントの考察② 藤井風ー帰ろう
➀動画を選んだ理由
この曲を聴いたとき、私はすごく感動しました。時間をかけて、コメント欄を分析するのであれば好きな曲にしようという単純な理由で選びました。
②着目したコメント
コメント欄を読みながら感じたのは、曲を聴いている人自身の切実な思いが綴られた内容が多いということでした。曲を媒介にして、人々の温かいコミュニケーションが生まれる場になっているのが興味深いなと感じます。
人々の切実な思いが綴られているのに比べて、「声の音色」や「曲調」について触れられたコメントはあまり見られませんでした。このことも、音楽鑑賞とはなんだろうということを考える一つの材料になるのではないかと思います。
4.YouTubeのコメント欄の役割とは?
積極的に音楽鑑賞をしている人とはどんな人か?を考えるために、YouTubeのコメント欄を分析を始めました。分析するなかで、YouTubeのコメント欄は「音楽を媒介としたコミュニケーションを促進する場」だということに気づかされました。藤井風の「帰ろう」を聴きながら、コメント欄を読む。すると、そのコメントを書いた人の思いが、なんだか自分事のように思える。そして、そのコメントを書いた人へ応援のメッセージを送りたくなる。このような「音楽を媒介としたコミュニケーションを促進する場」が、YouTubeのコメント欄なのではないかと思いました。そして、このことは音楽の授業でも活用できるのではないかと思います。子どもたちが音楽を媒介にして、自分の思いを語り合えるこんな場がつくりたいです。
5.次回の記事では
前回の記事で、ポップスを積極的に聴くことを上記のように考えました。YouTubeのコメント欄のように、子どもたちが音楽を媒介にして、自分の思いを語り合える場をつくることができれば、上記の2点を達成できるのではないかと思います。次回の記事では、どうやってそのような場をつくることができるか考えていきたいと思います。