白ごはん×オレンジ

〜福岡県、5人家族、両親は教師の元で育った不思議な家族の酒のネタ。〜

保育園児だった頃、働き盛りの両親は毎日激務で月に1度の弁当の日を忘れることがよくあった。
「弁当の日!」と気づいた時は、バタバタなんとか用意したものを持って行くことで対応していた両親だったが、その日は完全に忘れていた様子。
私は5歳ながらに、なんとかしなくてはという気持ちで、保育園児が使う直径15センチ、高さ2センチ程の小さな弁当箱に5歳児が出来る精一杯のおかずをつめて保育園に向かった。
昼ごはんの時間になると、自身で作ったという嬉しい気持ちと開ける前のドキドキ感があった。
そんな私の精一杯で詰めたおかずは白ごはんとオレンジだった。みかんではなくオレンジ。
オレンジを輪切りにして白ごはんの横に詰めていったのだ。輪切りにしたのは、母親がオレンジをデザートとして出す際、輪切りにしてくれていたのを覚えていたから。おしゃれにしたくて。笑
一応、付属品の仕切りをつけ、ご飯とフルーツのコーナーに分けていたのだが、オレンジの果汁は容赦無く白ごはんをオレンジ色に染めていた。
周りのみんなのお弁当なんて全く覚えてないし、見てもない。おそらく、私の弁当箱の中身が自分で見ても衝撃的で(完成時は綺麗な見栄えだったはず)、味も衝撃的だったから。
甘酸っぱいご飯の味は今でも覚えているほど。
両親にこの話をしたら毎回大爆笑。家族の鉄板ネタって一生のうちに
何回話すんだろってくらい話さない?うちだけ?
そんなネタがたくさんあります。うち。
文章力は全くないけどいつか読み返した時にこんなことあったなって思えるように。


家族それぞれが、それぞれの社会の中で精一杯生きてたんだなと改めて思わされるし、それは現在進行形でもある。
家族の中にも社会があって、それは家族にしか分からなくて、正解とか不正解とかないけど元気に生きてるだけで良いやってなる、そんな今だから笑える話でした。


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