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百襲姫が過ごした讃岐⑤桃太郎神社と女木島
香川県には、岡山県と同様に「鬼退治」伝説があります。
岡山県(吉備)では、鬼の住む場所は 鬼ノ城(山城)でしたが、香川県(讃岐)では、鬼の住む場所は 鬼ヶ島(女木島)です。昔話の桃太郎に似た内容になります。
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<お婆さんの洗濯場>
香川県にはなんと「お婆さんの洗濯場」もあります。鬼無駅から徒歩で行けるそうです。 昔、桃が流れてきたのでしょうか!?(笑)
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<熊野権現 桃太郎神社(香川県高松市 鬼無町 鬼無)>
正式には「熊野権現」 だが、愛称として、「桃太郎神社」と称している。
御祭神:
伊邪那岐神
伊邪那美神
稚武彦命(わかたけひこのみこと)
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熊野権現が 悪行を働く鬼の害を除き、地名が「鬼無」となった。
1988年(昭和63年)に祭神を増祀し、「稚武彦命(わかたけひこのみこと)」が祀られるようになったようです。
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<鬼ヶ島(女木島)>
高松市の北約4kmに浮かぶ女木島は、鷲ヶ峰山頂に「鬼ヶ島大洞窟」という巨大な洞窟があり、その昔、鬼が住んでいたと伝えられており、「鬼ヶ島」とも呼ばれています。
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<この記事のまとめ>
「桃太郎神社」も歴史が浅く、「お婆さんの洗濯場」も由来に怪しい物があります。しかし、確かに「香川県」には「鬼」に絡んだ地名が多くあることも事実です。どう考えれば良いのでしょうか?
いろいろと情報を探すと次のような内容がありました。
『香川県内の小学校教員で郷土史家でもあった『橋本仙太郎(1890-1940)』が1930年(昭和5)に女木島で発見した洞窟を鬼ケ島洞窟として桃太郎伝説とむすびつけ「童話桃太郎の発祥地は讃岐の鬼無」と新聞「四国民報」夕刊に発表した。この洞窟は人工の洞窟でもあり、橋本氏は鬼が立てこもった根城で、桃太郎の舞台と見立てた。』
この情報からすると、香川の桃太郎伝説は、観光のためにまとめた「比較的新しい説話」が多いように思います。
ただし、昭和初期にまとめた「説話」の元となるような古い伝承がどこまであるのか?まではわかりませんでした。
ちなみに、「熊野権現 桃太郎神社」や「女木島」では「稚武彦命(わかたけひこのみこと)」(弟皇子)の鬼退治伝承がありますが、以前の記事にあった「田村神社」や「船山神社」では「五十狭芹彦命(いさせりひこのみこと)」(兄皇子)が祀られています。
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どちらの吉備津彦が「讃岐国の鬼退治」の主役なのでしょうか?
「田村神社」や「船山神社」では「倭迹迹日百襲姫命」が主祭神として祀られ、その兄弟であったため「五十狭芹彦命」(兄皇子)が祀られた。
「稚武彦命(わかたけひこのみこと)」(弟皇子)は鬼退治の伝承があり、「熊野権現 桃太郎神社」に祀られた。
という事でしょうか。