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解決に乗り出さない事が問題だ

子牛が暴落、枝肉が暴落、お肉屋さんも肉が売れない。
農水省はこれからどうしたら良いと思う?とアンケートを取っている有り様だ。

コロナや円安、様々な経済的要因はあるがそれは等しく誰にでも降りかかった事でありそれが理由にはならない。

理由は単純で子牛が増えたからだけである。

何故こんなにも増えてしまったのか?

黒毛和牛が輸出の重点品目の筆頭になったからだ。

農水省は子牛を産む母牛の増頭をする為に我々に奨励金を一頭増える毎に25万円支払った。

これだけ聞くと普通の方は『え、儲かってるじゃないそのお金があるでしょ』って思うのだがそこに畜産の特殊な事情があってそのお金は更に牛や施設に投資された。もしくはそれまでの負債の整理に回された。和牛繁殖の最大の問題は肥育と違い全ての資産が減価償却資産で常に資産が目減りしていくという問題がある。どうしても財務諸表が悪くなりやすく25万円も補助金が出れば飛び付いてしまうのもボクには良く分かる。

これによって全員が不幸になってしまった。誰も得をしない施策の罪は決して軽く無いとボクは思っている。

兵庫県但馬家畜市場、淡路家畜市場、この2市場は子牛価格が平均100万円に到達する勢いだ。
数が足らないからである。奪い合う状態だからだ。
肥育農家さんもお肉屋さんも大変高額な牛を取り扱う事になるリスクはあるが誰も不幸にはなっていない。繁殖農家さんもリスクはある。

商売というのは安全圏で儲けるというのは難しい。それが出来るのは胴元だけだ。
つまり儲けると言うのはリスクを抱えなければ儲からないという事でもある。

我々繁殖農家はリスクしか抱えていない様に思えるけどそれは現状から来る苦しさであってリスクとは別物である。現状の苦しさとはボクは明らかに施策の失敗だと思っている。

我々が抱えて行かなければならないリスクは生産調整である。

生産調整のやり方は単純に母牛を減らせば良いとなるがそれは時間がかかるのと更なる暴落を引き起こす危険性が付きまとう。

ボクはここをどうやって調整するかの方法を考えている。それは次回。

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