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年末だね
猛吹雪だがこれからノコクズを持ってくるそうなので床換えだ。あまり病み上がりでやる仕事にも思えないが黙っていて誰かがやるようなものでもないので黙々とやる。
お産が遅れてくれているのが救いだが全部まとめて産まれそうだ。
皆、仕事納めでボクもサラリーマンの頃は馬にボートに自転車、バイクに麻雀と年末年始は遊ぶ事に忙しかった。うちの取引先は毎年三重県にオールナイトスロットに行っているそうだ。
牛飼いのボクはもちろんそんな訳にいかずせいぜい競輪GPの予想をするのが関の山である。
先日、お客さんに他の牛飼いに聞いたんだけど分娩後20日で子宮洗浄して貰うと受胎が良くなると言われた。
その言うたヤツに洗って貰えばいい。
牛の景気が悪くなって久しい。授精に回っていてこれは良いななんて牛はほぼ皆無になってしまった。常に妥協点を探すような授精ばかりだ。発情なんてろくに見てもいない。飼料基盤が脆弱なこの地域で藁とフスマでどうやって種を止めるんだ。
昔はのーさいが契約したらビタミン配っていたから取り敢えずどの農家にもあったがビオスリーになったらビタミンすら飲ませなくなってしまった。微量要素の意味すら分からない農家ばかりだ。肝機能なんて何の事やらだ。
そんな牛飼いが基本的な管理何一つせずによそで聞いた子宮洗浄を依頼してくる。獣医さんに言いなさい。ボクは答える事すら面倒である。
止まらないと困るんだそうだ。ボクは困らないが君の爺さんはああ見えて熱心で牛を大事にしてたから毎年確実に年一産させてたけどな。
景気が悪く気持ちが全くわからない訳じゃ無いがそれは結果的に一番高いコストを支払う事になる。
和牛繁殖の基本は生産性を上げて行く事が一番コストを抑える事になる。
面白い事にその辺の指導というのは皆無だ。その辺は酪農家さんの方が圧倒的にしっかりしている。
ただの愚痴だが良くなる兆しが見えて来たんだから焦らないで良いように管理をもう一度再確認しましょうね。