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起業
くまテック三期目にして事務所にオーブンレンジを導入した。
プライベートで使う訳じゃないから無いからと言って困るもんじゃ無いんだ、それでいくら負けるつもりや?なんてやり取りをしたかは伏せるがお店のご厚意により随分値引きしてくれた。
単純にライフスタイルの変化とボクが歳を取ったから必要になった。
フルリモートになる前は従業員さんのごはんも一緒に作ったりしていたが1人だとお弁当や食べに行った方が早い。下手にカレーや豚汁を作るとそればかり食べ続けるという事になってしまう。ハードな食生活に胃袋が付いていかなくなってしまった。
田舎は飲食店もどんどん減って来ている。食材の仕入れも業者任せでどこで何を食っても同じようなものになって来たなと感じている。
軽く食事難民になっているなと感じていた。
離島なんかに行くと食事をする場所は殆ど無かったりする。その代わりに色んな所で多種多様なお弁当を売っていてそれを食べる事になるのだけどなかなか悪くない。その島の家庭の味がしてボクは結構楽しみにしている。
食事というのは楽しい部分が必要だ。うちの猫達も今日はちゅーるにありつけるかばかり心配している。
コンビニもお弁当より冷凍食品に力を入れるようになってきた。最近のスーパーやドラッグストアもそうだ。魚の加工品やちょっとした副菜も色々充実している。
30年ほど前に冷凍技術が急速に発展したのが全ての要因だ。これにより食材の長期保存が可能になった。昔アメリカに視察に行った時に家庭ではランチプレートやディナープレートなるものがあってそれをレンジで温めて食べるというのを見てこれはなかなか受け入れがたいものがあるなと見ていたがなんだか似たような事になってきたような気がする。
技術の進歩は新たなマーケットを開拓していく。牛肉は生だよねって事に囚われずにそれをどうやって冷凍食品の技術を取り込んでどういう層へ売って行くのかなんて考えるべきかなと思う。
起業の切っ掛けなんてもんは大体がこういう所に転がっている。冷凍食品業界は活況であるが不満もある。牛肉や豚肉等を使ったメイン食材はなかなか無いな。どうして無いんだろう?どういう問題を解決したら良いのだろう。それはお客さんや業者さんは喜んでくれるのだろうか?マーケットはあるのか、マーケットを拡大する可能性はあるのか?その事業は伸びるのか。それは社会にとって良いことなのか?撤退する事は可能か?このタイミングなのか?運はあるのか?
業界が発展する時はこの程度の考えで起業出来る。
起業する人間はオーブンレンジを買っただけで最低でもこの位の事は考える。冷凍庫を整理していたら米澤牛の塊が出て来たのでローストビーフを作ってみようと思う。