冷たいのっぺ
昔、新潟で食べた冷たいのっぺを作った。お店で食べるようなカットを揃えるとかではなく適当にだ。
食べ物は冷やすと味が鮮明になる。誤魔化す事が難しくなるので微妙な味付けが冷めた時をイメージして行われる。
これがなかなか難しい。冷めた時にどういう味になるかは毎回適当な味付けをするボクには難易度が高いのだけどとにかくボクは食べる時をイメージして調理している。
代表の仕事は冷たいのっぺを作る行程に似ている。完成をイメージしてそれに近付ける作業が多い。そういえば頂いたイクラがあったな、塩分はイクラが調整してくれるから加減するかとかなる。非常に美味しい冷たいのっぺが出来た。作るのは難しいが楽しい食感と鮮明な味は癖になる。
今回は数社合同で仕事を進めていて非常に複雑な事を同時進行でやっている。こう見えていくつも仕事があってくろくまくんだけやっているように思えるがそれはほんの一部だ。
数社での合同作業というのは厄介だ。社内だけでも揉めるのに全く異業種の会社や今回は海外の会社も一緒だ。
最終的な契約の前にボクはアテンドの会社さんに確認を取った。タイムスケジュールや契約事項やその仕組みに間違いが無いかを。
その確認を持って社内で打ち合わせを行い最終的な契約を交わす。
従業員さんから数枚の紙を見せられてアレ?ってなった。
結果的にうちの従業員さんはやはり優秀で事前に気づいてくれたから良かった。当日大騒ぎするとこだった。細かい説明は出来ないがそんなことある?ってもので爆笑した。
なんか変な質問が来るんだな、海外の人は変な事聞くんだなと思っていたらそら聞くわなと言うもので相手はとてもまともで優秀な方達で安心した。
我々はお互いの得意とする分野を持ち寄り各々に無い独創性を組み合わせてこの世に無いものを作り出そうとしている。ITの世界に国境は無く我々は世界中のテック企業といとも簡単に(そうでもないか)取り組む事が出来るようになった。
ボクは彼らの国の歴史や現在の状況を学びどういう考え方をする方々なのかを学んだ。とても美しい国でボクはいつか訪れたいなと思っている。
日本の上場企業だとこうはいかない。先ず胡散臭い社名の我々は調査すらされない。どんなに優秀であろうが基準に達しない企業と取引するなど日本ではあり得ない事だ。ボクは日本の企業が衰退する一因にその辺の事があるなと感じている。ボクは1度ならず侮蔑の言葉を浴びせられた事はあるが変化し続ける事が大事でそんな昭和の考え方は現代では通用しないよと思っているからへっちゃらである。何でも大きい方が勝つそうだ。そんな時代じゃないのはまともな人なら分かるはずだ。
海外は全く違う。世界的な大企業が我々に声をかけてくれた。我々の独自性と優秀さに気付いてくれたのか単に便利だったのか分からないが我々からしたらチャンスである。アメリカに唯一いいシステム作っているなという会社があるがボクはそれさえも凌駕する自信がちょっとある。我々に足りないのは資金だけだからお金のあるそっちで上手いことやってくれよとお願いすればいいだけだ。
チャンスを頂いたので我々は熱くならずに何が出来るのかを考えなければならない。熱いって事だけで誤魔化せてしまう。我々は誤魔化しが通用しない素材の味を楽しめる冷たいのっぺを作らなければならない。
温かいのっぺも美味しいですけどね。