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誰が為に鐘は鳴る

確定申告の肝は掃除である。
もう他に何もする事はございませんよ、あなたの仕事は確定申告を仕上げる事だけですという状況を作って初めてスタートするのである。逃げてはいけない。

なんて意志が弱いんだと毎年思う。始めてしまえばなんだこんなもんである。毎年やってるんだから心得たもんだ。いうほど大したことは無いのだが何て言うかボクの細胞が拒絶しているのは間違いない。

やり出せば集中して早いのだが逃げ出す切っ掛けはいつも探している。税理士さんとこに持ち込まないといけないので(恐ろしい)とっとと終わらせよう。いつでも良いから持ってきてねとか優しく言ってくれればもっと早く仕上げるんだけどねとか今年は言ってみようかと思っている(どの口が言えるのか見物だ)


キリの良いとこで仕上げて早目に牛飼いをしていた。いつでも逃げ出す理由は探している。

牛飼いしていると知らない番号から電話で出た。お客さんかなと思ったら違った。
ボクは牛飼い中はいつもイライラ20を聞いてこの世にこんな口の悪い人間がいるのかと笑いながら仕事をしている。お陰で耐性がついてるので従業員さんがボクに何を言っても笑っていられる涙ぐましい努力だ。


笑いながら電話に出るとお客さんではなくインタビューだった
牛飼いしながらで良いならという事で答えた。あまりそういうのは受けないのだが聞き方がプロだった。上手なんである。

お客様に関する事は話せませんという条件で質問にお答えした。

ボクの経歴や起業に至った経緯やこれからの事、我々の理念や経営内容などを結構話した。ボクにしては会社の事をあまり話す事も無いので珍しいが我々が何の為にこの仕事をしているのかを再確認するには充分だった。

お金が欲しくて始めた訳では無い。
有名になりたくて始めた訳では無い。
我々の業界の為にと始めた仕事だ。

なんて言うかうちの従業員さんみたいな才能を埋もれさせるのは惜しいなというのが1つの目的だった。

我々の業界を動かすのはこういう若い力であってそういう子を表に出すのが自分の仕事だろうなとなんとなく思ったとあまり他人に話した事は無いような事も話した。

話していて頭に浮かぶのは『誰が為に鐘は鳴る』だ。
自分の運命と社会との繋がりや我々の業界との関係を形にすることが出来たのでボクの仕事は大体終わっていて後はそういう人達で鐘を鳴らし続けていってくれたらそれで良いとボクは思っていると伝えた。

そうなんだ、ボクは才能溢れる若い人達のいる場所を作ったので大体の目的は達成していてこれからはそういう人達が鐘を鳴らせばいい。
ボクはそれを牛飼いしながら聞いているがそれはボクの為であったり彼ら彼女らの為でもあり社会の為でもある。そういった繋がりが社会というものでありのびのびと力を発揮出来る場所になればいい。
他人や社会と関わっていくことが人生なんであると知って欲しいとボクは思う。

話していてアレ?ボクの仕事は大体終わってるなと感じていた。楽しい楽しい牛飼いに戻ればいいだけだ。

インタビュアーの方には社会的に良い会社と受け止めていただけるかは分かりませんがこれからの時代はこういう会社が多く産まれて来ると思います。そういった会社を皆さんのお力で育てては頂けませんでしょうかとお願いした。

沢山の企業を紹介したいと仰有って下さったがそういうのはいいかなーと答えておいた。忙しいのである。

オッサンがいつまでもこの会社はワシのもんじゃとしがみついていてはキショイんだ。
そういうつもりで会社を作った訳では無いという事だけお伝え下さいと伝えた。
ただ、責任はあるので投げ出したりはしないので大丈夫。ちゃんと段取りだけはつけなければならない。

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