WHY?45歳の主婦がフォルケホイスコーレにきた理由
授業は毎日3時半に終わり、その後夕食の5時半までは絶妙に暇だ。
また、夕食後6時〜就寝する11時くらいまでも、
テレビもなく何をするわけでもなくやっぱり暇だ。
遠くへ行くほどでもないし、
お話しするだけにしても長すぎる。
陶芸やアート、手芸やカメラ、音楽など、それぞれの創作活動がノって来たら、
この時間も創作活動に没頭するのかもしれない。
私は
「デンマーク語が勉強したい。」
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ここからは、私が何故フォルケにやって来たかの理由を少し(ではないかも)。
17年前、デンマークに赴任する夫に帯同し、
子供達(娘1歳、息子3歳)を連れてこの国にやって来た。
来た当初は大体5年くらいの赴任になると聞いていたので、
子供達を何らかの教育施設に入れることは必須だった。
2〜3年後小学校に入るにしても、事前に幼稚園なりに入れておかないと、
言葉の問題、その他諸々が心配すぎるからだ。
当時デンマークでは保育施設に入所を申し込めば、
必ず3ヶ月以内に場所を用意してくれる制度があり、
(今はどうかわからないけど)
娘は保育ママ、息子は現地の幼稚園へ入園が決まり、
その結果、私は語学学校へ行くことができた。
語学学校は難民、移民のために、無料で受けられる学校だったが、
当時無料から有料になる瀬戸際?で、
帯同者で一時居住な身分の私は有料、もしくは通えないと聞いていた。
それでも、子供達の幼稚園の先生や、現地の人とデンマーク語で会話したくて、
有料でもいいから通いたいと、直接kommune(市役所)にアポをとり、
拙い英語で書いた手紙を持参し、直談判?した。
当時28歳。2コブつけてなかなか頑張っていたなと思う。
その甲斐あってか?その後何故か無料で1年間通うことができ、
語学学校の最終テスト一歩手前まで進むことができた。
ここで
外国人のためのデンマーク語講座について簡単に説明すると、
デンマークには
移民、難民の「大人」のために用意されている教育プログラム
DU (dansk uddannelse=デンマーク語教育の略)というものがある。
一時有料だったみたいだが、現在ではまた無料で受けられるようになっている。
ただし、ほぼオンラインで行われているようだ。
(受講資格、方法、条件、開口日時etcは各kommuneのホームページ参照・英語ver.もあり)
DUは DU1 (1~6) DU2(1~6) DU3(1~5)
の3つのレベルで構成されていて、
各モジュールテストに合格するごとに昇級できる。
全員がDU1-1から始めないといけないわけではなく、
それぞれの自国でのバックグラウンドが考慮されて、
日本で高校〜大学くらいまで卒業しているなら、
大体DU2の途中から始める事が出来、最終DU3-5のテストに合格すると、
12歳くらいのデンマーク語能力があると認められる。
これは居住権の条件の一つで、その後高等教育へ進学する場合の条件ともなる。
もちろん一時的に仕事で来ている人や帯同の家族などは、
そのテストに受かる必要はないが、
ここで仕事を探して暮らそうとする人、結婚してここで住もうとする人、
移民、難民は居住権が欲しければこのテストに合格する必要がある。
当時、私は1年間語学学校へ通い、PD3-4のテストに合格したが、
後1つで最終テストというところで、夫の帰国が決まり、
結局PD3-5は受けることができなかった。
これが、私のデンマークへの大きな心残りの一つである。
そして、今回フォルケ在学中に近くの語学学校で最終テストを受け、
落ちても受かっても、この心残りに一旦区切りをつけようと思っている。
と、ここまで長々と書いておきながら、実はこれは最近まで忘れかけていた。
つまり最終テストを受ける事が目的でフォルケにきた訳ではない。
理由はごく単純
ただ、デンマーク語の響きが好き。
ただ、デンマークの自然が好き。
ただ、デンマークの人々の暮らしぶりに惚れている。
ただの旅行ではなく、またこの地で暮らしたい。
そんな目標も打算もない、普段他では一滴も湧き出ることのない純粋な欲求が、
私をそうさせた。
と言ったら、少し大げさかな。
だって、デンマークが好きという理由には、目に見えない言葉にできない何かがあるのだからどうしようもない。
この15年間、大枚はたいて2度ほど家族旅行に訪れたりしながらも、
やっぱり「もう一度、デンマークで暮らしたい」
そんな思いがずっとずっとあった。
そして、その第一歩が、
「子育てが終わったら、フォルケホイスコーレへ!」だった。
何故フォルケか? そこは意外と簡単で、
年齢にかかわらず(30越すと、意外とここで引っかかる)
デンマークの地で、デンマーク語のシャワーを浴びながら、
デンマーク語の勉強ができて、実践する場がある。
そして
食住が満たされ、費用もなんとか手が届く。
そんな素晴らしい場所がフォルケだったから。
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