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(2024年10月)品川でみた大道芸

2024年10月の、とある日曜日に見たもの。

品川区の水辺エリアで開催されていたイベントの一環で、屋形船に乗って運河周遊というのをやっていました。
いく便かはあるものの事前申し込みが必要だったようで、飛吉氏は屋形船には乗りませんでしたが、モノレールの大井競馬場前駅近くの桟橋では屋形船の発着が見られました。
桟橋は下船した人たちに記念品を渡したり、飲食物の販売があったり、簡易的なごく小さなイベントのようになっていました。

さて、周遊が終わって屋形船が桟橋へ帰船すると、親子連れや海外のかたをはじめ海上散歩を楽しんだ人々が順序よく船から降りてきました。
そんな人々を待ち受けるように、全身が青い色の衣装をまとった男性が。
青い色の衣装というのがまた特徴的で、まるで和菓子の職人のよう、前掛け(青)に帽子(青)まで被っている。
男性は、これから大道芸を始めますと言っています。
和菓子テイストの大道芸らしい。

まずは女の子を連れた親子二人が座って、期待に胸を膨らませていました。
大道芸人の人は二人のお客さんを相手に、大道芸スタートしました。
1mはあろうかと思われる巨大な三色団子(レプリカ)を、左右に持った棒で弾いています。
三色団子(レプリカ)は弾かれながら右へ左へリズミカルに動き出し、空中を行ったり来たり。
三色団子(レプリカ)を操る大道芸人の人の軽妙なトークに誘われるように、子どもたちを始めお客さんが増えていきました。
大道芸人の人は棒で弾きながら操る三色団子(レプリカ)を、ダイナミックに片手でぐいんぐいん回したりして、賑やかな雰囲気に大人も子どもも興味津々です。
屋形船から降りてきた外国人のグループも、やや離れたところから見ていたり。
次に持ち出してきた赤い布をさっと取ると、10段重ねぐらいありそうな鏡餅(レプリカ)が現れました。
ジャパニーズ・トラディショナル・ライス・ケーキを使ったパフォーマンスに、外国人も興味深げで、子どもたちは跳ね回って楽しんでいました。

つづいては、台の上に大きな茶筒(レプリカ)を横にしてゴロゴロし、その上に板を乗せました。
そしてそこへ飛び乗りました。
さっきまで跳ね回っていた大勢の子どもたちも、固唾を飲んでじっと見つめています。
まるで大道芸です、というか大道芸でした。
しかしなにがすごいって、草履のようなビーサンのような下足でやってるのがすごい。
大道芸人の人の丁寧口調ながらも人情味あるトークも相まって、穏やかで楽しい雰囲気があたりを包んでいました。
さらに茶筒(レプリカ)を増やして積み上げ、グラグラ度をアップ。
さすがに今度は裸足になって、その上に慎重に乗る大道芸人の人。
グラグラと不安定に揺れながらも立ち上がった姿は、テレビや配信動画では感じられない凄さがありました。
悲鳴にも似た歓声に大きな拍手が重なるように響き渡り、盛り上がりを見せていました。

巨大なみたらし団子(レプリカ)を3本、ジャグリングして楽しませてくれたあとは、お客さんのなかからアルバイトのお手伝いを募集。
それほど多くのお客さんがいたわけではなかったけれど、大道芸人の人が募集の声をかけると、たくさんの子どもたちから「はーーーーーい!」と元気に手が上がっていました。
みんなそんなに働きたいのか。
求人ひとりに対して、この求職者数。
日本の景況感を物語っているのか、と思わせるようなシニカルにも見える大道芸。
異常なまでの求人倍率のなかで見事アルバイト採用されたのは、たった二人で冒頭から見ていた6歳の少女でした。
大道芸人の人は、2mぐらいの高さがあるハシゴを前後に揺らしてバランスをとりながら登っていく。
ハシゴに上り詰めた大道芸人の人に、アルバイト少女が先ほど使ったみたらし団子(レプリカ)を手渡していきます。
アルバイト少女の顔が真剣で、しかもテキパキとすばやく動く姿は、見ている大人たちに微笑ましさを感じさせ、拍手で包まれていました。
そしてハシゴの上で3本のみたらし団子(レプリカ)を投げ回す大道芸人の人に大きな拍手が送られていました。

20分足らずの大道芸で、主に周遊が終わった屋形船から降りてきた人やイベントスタッフがお客さんとして見ていたので、通りすがりで大勢の人が集まってくるという環境ではなく、大道芸特有の密集した盛り上がりはなかったけれど、なんともあたたかい雰囲気がいっぱい溢れ、ほっこり楽しい気分になれる良い大道芸でした。

おわり

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