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リユースビジネスへの参入を考えるときに検討すべき項目

こんにちは!リユースビジネス支援サービス 『Selloop』 ジェネラル・マネジャーの新谷です。 普段は、クライアント企業様のリユースビジネス参入において、企画・設計の伴走支援に携わっています。

この記事は、リユースビジネス(買取・再販、レンタル、製品サブスクリプション、シェアリング、…)への新規参入を検討されている企業の担当者様を対象としています。
メーカー企業や小売企業においてリユースビジネスへの参入を検討する際、経験のない事業領域に対して「何を検討しなければならないか」を整理するだけでも大変です。この記事では、一般的なリユースビジネス構想における検討項目の例と、ポイントを整理していますので、参考にしていただければ幸いです。


1. 検討の段階

リユースビジネスに限った話ではありませんが、新規事業の検討はおおむね以下のようなステップで進むかと思います。

  1. コンセプト設計
    自社にとっての事業の位置づけと、「誰に/何の価値を提供するのか」を整理することで、事業の方向性を定める

  2. 事業案設計
    コンセプトを具体的なビジネスモデル等の形に落とし込むことで、何をやっていくのかと、そのポテンシャルや課題をより明確化する

  3. PoC設計
    事業案を展開するための検証論点を整理し、検証のための取り組み、および検証方法を設計する

以下では各ステップについて、検討すべき項目、検討のポイントを整理していきます。

2. コンセプト設計

自社にとっての事業の位置づけと、「誰に/何の価値を提供するのか」を整理することで、事業の方向性を抽象的なレベルで定めることが、このステップでの目標です。考えるべきことは大きく2つあります。

1つ目は、「自社にとっての事業の位置づけ」です。リユースビジネスに取り組む意味が、二次流通市場からの収益の獲得にあるのか、サステナビリティや脱炭素の文脈での取り組みなのか、顧客に新しいサービスを提供することで接点強化・再購入促進を狙いたいのか、そういったことを明確に定義しておきます。

この点は事業のgo/no-go判断や、撤退判断にも関わるため、単に形式上の定義を定めるのではなく、社内コンセンサスを形成することが重要です。

※ リユースビジネスの位置づけを考えるうえで、「そもそもリユースビジネスにはどういったポテンシャルがあるのか」という点に興味がある方は、これらの記事も参考にしてみてください。

コンセプト設計の2つ目の論点は、「誰に/何の価値を提供するのか」という点です。例えば買取再販サービスを展開するにしても、その価値は「高く買い取る」というところにあるのか、「便利で手間が少ない」というところなのか、それとも「脱炭素に貢献するという体験」にあるのか。そして、ターゲットユーザーは自社にとっての新規顧客なのか、既存顧客なのか、コアユーザーなのか。こうした論点について方針を定めます。

この論点はリユースビジネスの形を大きく左右します。したがって、自社の方針や都合だけに基づいて設定するのではなく、想定ユーザーのリアルな声をヒアリングし、そこから丁寧に潜在ニーズを探っていくことが欠かせません。

3. 事業案設計

コンセプトを具体的なビジネスモデル等の形に落とし込むことで、構想、ポテンシャル、課題をより明確化するのがこのステップの目標です。論点を大きく3つのかたまりに分けて整理していきます。

何をするのか

構想の具体像を検討していきます。最終的に、俯瞰的なビジネスモデル(モノ・カネ・情報の流れ)、ユーザーから見たサービスフロー、現場から見たオペレーションフローの3側面から表現できると良いかと思います。

多くの場合は事業の本格展開の前にPoCを実施することになるので、ここでは事業の細部まで詰め切る必要はありません。「これが実現できればインパクトがありそう」と判断できる程度の具体性があれば十分です。

具体的な検討項目としては、次のようなものがあります。(いくつかの項目はコンセプト設計の時点で定まっているかと思います)

  • 対象ユーザーの範囲

  • ユーザー接点の形態(オンライン/オフライン、アプリ/webサイト、既存店舗の利用、…)

  • 取り扱い商品の範囲(製品カテゴリ、自社/他社ブランド製品、…)

  • 必要な機能(回収、査定、リペア、再購入のレコメンド、…)

  • 再流通の方法(toB/toC、自社チャネル/他社チャネル、…)

  • マネタイズポイント

  • 必要なリソース(人員、作業拠点、システム、…)

  • 集客方針(既存接点の活用、プロモーションの実施、…)

どのように実現するのか

必要な機能やリソースを踏まえて、それらをどのように獲得・実現していくのかの、大まかな方向を考えておく必要があります。場合によっては、外部企業との協業・委託を考え、候補先の例を考えておきます。加えて、リユースビジネス特有の許認可や法規制の確認と、それらをクリアする条件の整理も必要です。

検討の粒度としては、細部にわたる計画を立てるというよりは、ノックアウトファクターが無いことを確認できる程度で良いでしょう。

どんな成果が得られるのか

構想の内容を踏まえつつ、事業のインパクトの予測を考えます。何をもって「成果」とするかは事業の目的設定により変わります。目的に照らした尺度で、どのような前提を置けばどのくらいの成果が見込めるかを検討していきます。

例えばこちらの記事で述べているような観点に立つと、「成果」には買取・再販による直接的な差益だけでなく、買い替えサイクルの強化や顧客ロイヤルティの向上も含まれます。この場合は、こうした波及効果も成果指標として含めながら、それが投資に見合う可能性があるかを検討していきます。

4. PoCの設計

事業構想上の検証すべき論点を整理し、検証のための取り組み、および検証方法を設計します。基本的には、フィジビリティテストおよび顧客ニーズの確認が主題になるかと思います。

客観的な評価ができる定量指標を工夫して設定する必要があることは言うまでもありませんが、それに加えて、自社にとって全く新しいサービスを顧客がどう受け止めたのかを丁寧に把握することが重要です。10名以上のユーザーヒアリングを実施するのが良いでしょう。

5. 検討体制

以上、リユースビジネス参入において考えるべき項目をざっと見てきました。実際に検討するとなると、様々な項目でリユースビジネスに関する専門的な知識や経験が必要になってきます。検討をスムーズに進めるためには、企画検討段階から外部のアドバイザーを巻き込んだり、専門企業との協業とする形も効果的です。

6. リユースビジネス支援サービスのご紹介

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
オークネットグループ企業ストラテジックインサイトでは、一般企業様におけるリユースビジネスの立ち上げを支援するサービス『Selloop』をご提供しています。 クイックかつローリスクなリユースビジネスの立ち上げを、ビジネス設計のコンサルティングや各種開発・制作の代行、業務BPOによって実現します。
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