買取価格はどのように決めると良いか?
導入
こんにちは、『Selloop』Operations Managerの阿井です。
この記事は、リユースビジネスへの新規参入を検討されている企業のご担当者様を対象としています。
リユースビジネスを行うにあたって買取価格をどうやって決めるか、頭を悩ませているご担当者様も多いかと思います。
この記事を通じて、買取価格の決め方について考えを進めるヒントになれば幸いです。
1,買取価格を決める際の取るべきアクションは?
この記事の結論から申し上げると、買取価格を決める際には、取るべき3つのアクションと重要な要素が1つあります。
3つアクションとは
買取を行う目的を明確にする
収益期待値を試算する
顧客の納得感を醸成する
そして重要な要素とは、買取/再販相場情報の取得です。
それでは順を追って解説していきます。
アクション1:買取を行う目的を明確にする
まず第一に、計画されているビジネスモデルや買取を通じて得たい成果を明確にする必要があります。
例えば、一般消費者からの買取を行うとしても
買い取った商品を別の一般消費者に再販して差益を狙う
買取を行うことで新商品の買い替えを狙う(所謂、下取り)
両者は傍目には同じ買取に見えても、目的が異なります。
それによって、再販売上の重要性やコストをかけてもよいポイントが異なってくるでしょう。
この辺りはアクション2,3に繋がる部分ですので、まず第一に考える必要があります。
参考として、買取を含むビジネスモデルの例や、自社でリユースビジネスに取り組む際の収益性の考え方について、以下の記事でより詳して解説しています。
https://note.com/jolly_beetle845/n/n07fce1ebd056
アクション2:収益期待値を試算する
収益期待値とは、”買取を通じて得られる総売上”から”買取にかかる総コスト”を引いた値のことです。
”買取を通じて得られる総売上”とは
買取品を再販したり、レンタルなどに活用することで得られる直接的な売上金額
買取に応じた顧客が自社商品の再購入をすることによる、顧客LTV(Life Time Value)向上への貢献金額
などがあげられます。
”買取にかかる総コスト”としては、
買取/再販を行うための買取金や人件費、設備費などの運営コスト全般
があがります。
収益期待値を試算することは、アクション1であげた買取の目的が定量的に達成できる構造になっているか確認する指標になります。
もちろん、新たなビジネスを始める際には投資的な側面が強いですので、当初はコストが大きくなってしまうことでしょう。
短期ではなく、中長期の視点でとらえる必要があります。
実務的な話として、下取りのようなマーケティング施策においては、買取金額を専用ポイント/クーポンを用いて返すことで収益機会の増加と同時にコストの削減を狙うなど細かなテクニックもあります。
アクション3:顧客の納得感を醸成する
買取時には、顧客とのコミュニケーションを通じて、提示した金額に対して納得感を醸成することが重要となります。
顧客が買取を承諾するか否かの判断基準に、買取価格が大きな影響を与えます。買取価格が低い(不当)だと感じられてしまうことで、買取不成立となるリスクには注意が必要です。
従来よく使われていた手法としては、一括買取をすることで買取相場との外れ幅を均したり、1点ごとに買取金額の理由を丁寧に説明するなどがありました。
しかし最近は、買取を通じて環境貢献に繋がることをアピールしたり、買取金額の一部を寄付に活かすなど、価格重視ではないアプローチをするサービスも出てきています。
2,なぜ「相場情報の取得」が重要なのか?
買取/再販相場を知らないことで、ビジネスモデルが崩れるパターンとして、以下の2パターンが考えられます。
買取相場・再販相場(買値・売値)を知らないことで、ビジネスとして逆ザヤ状態となってしまう。
買取相場(買値)を知らないことで、適切な値付けができず、買取が成立しなくなる。
これらを回避するために、買取/再販のマーケットデータを手に入れることが重要です。
買取/再販のマーケットデータを集める際には、二次流通の取引データを集計しているサービスに登録したり、中古品オークション会場に参加して過去の取引データを参照するなど、自ら情報を集める必要があります。
過去の膨大なデータを集めて分析することは簡単ではないと思います。
もう1点、リユースビジネスの場合、買取品自体の”状態に関する情報”が重要な要素となります。そのために商品の査定が必要になってきます。
3,査定とはどんな活動?専門性は必要?
査定とは商品の”状態”を判断したうえで、相場に照らして値段をつけることであり、高い専門性が必要される活動です。
査定でチェックする”状態”には大きく2つの観点があります。
1つは見た目
これは、商品の内側や外側の傷や擦れなど劣化状態のことを指します。基本的に、新品の状態に近ければ近いほど良いとされています。
また、使用時に目につきやすいポイントの方が重視される傾向があります。
2つ目は機能
例えば、電化製品などの場合、動くかどうかを確認します。
実際に電源を入れて操作したり、専用の検査機器にかけるなど色々なパターンがあります。
以上のように、”状態”に関する情報を取得/判断するには専門性が必要になり、一朝一夕に身に着けられるスキルではありません。
また、商材によっては、真贋や修理歴の確認など、より高度な専門性を要するケースもあります。
専門性を獲得するうえでは、外部の力を借りるのが最も合理的であるとの判断もできます。
例えば、既存マーケットが存在する商品であれば、該当する業界企業の力を借りることのが良いでしょう。
新たなマーケットを創造しようとする場合は、物の状態を情報化できる、いわゆる二次流通業界のプロや有識者に頼ってみるのはいかがでしょうか?
4,二次流通支援サービスのご紹介
最後までお読みいただき、ありがとうございました。 オークネットグループ企業ストラテジックインサイトでは、一般企業様におけるリユースビジネスの立ち上げを支援するサービス『Selloop』をご提供しています。 クイックかつローリスクなリユースビジネスの立ち上げを、ビジネス設計のコンサルティングや各種開発・制作の代行、業務BPOによって実現します。 ご興味のある方は、Selloop webサイトよりお気軽にご相談ください。