【ガンバ大阪2024シーズンレビュー】熱量〜23シーズンからの変化〜
1.はじめに
みなさん、こんにちは。
ガンバサポのみやもと申します。パナスタのカテ2住民でございます。
昨シーズンから始めたガンバ大阪の試合レビュー。今シーズンリーグ戦38試合すべてのレビューを書くことができました。(開幕予想スタメンのnoteをあわせて合計39本)
わたくしは高校でボランティアコーチの経験が3年ほどありますが、素人の戦術分析レビューにガンバサポのみなさまをはじめ、Jリーグファンに方に拝読していただきました。
書き始める前は、読んでもらえるのは学級通信くらい(1クラス40人)かな〜と、スタートしましたが今シーズンは1本のレビュー平均80人ほどのビュー数がありました。
この場をお借りしてお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
それでは、ガンバの2024シーズンの総括レビューを始めます。内容としましては、ポヤトス監督2シーズンめということなので、今シーズンと昨シーズンを比較していきます。今回も最後まで駄文にお付き合いくださいませ。
2.昨シーズンとの比較
まずは、2023シーズンと今シーズンを比較します。
今シーズンから2チーム増え、20チームでのリーグ戦となったので単純な比較が難しいので得点と失点は1試合平均を出してみました。
順位は16位から4位にジャンプアップ。3位の町田とは勝ち点が同じ66ポイントでしたが、得失点差によりガンバは4位となりました。さらに2位広島とは勝ち点が2ポイント差、1位神戸とは6ポイント差。第24節〜第32節の9試合勝ちなし(6分3敗)が悔やまれます。
得点と失点はともに改善されました。得点は微増、失点は大幅減です。得失点の改善については次章以降で述べていきます。
勝利と敗北の数は逆転。23シーズンは連敗が3回(2・5・7連敗)。今シーズンは連敗が2回(2・2連敗)。負けを積み重ね続けないことが今シーズンはできました。
ちなみに他の大会の戦績を比較すると次のようになりました。(カッコ内は昨シーズン)
天皇杯は2015年以来の決勝でしたが、キャプテン宇佐美を欠いたガンバは神戸相手に優勢に試合を進めながらも0−1で準優勝。
ルヴァンカップはFC琉球相手に緒戦敗退。白井選手に恩返し弾を食らわされ1−2の負けとなりました。
3.クラブの変化
クラブの大きな変化としては、フットボール本部が創設されたことです。フットボール本部の本部長には、22シーズンにガンバの監督を務めた松田浩さんが就任しました。フットボール本部設置の目的は以下のとおりです。
ガンバといえば「取られたら取り返す攻撃的なサッカー」と言われていました。しかしそれはあまりにも属人的で、あくまで黄金の中盤(遠藤・明神・二川・橋本)が即興的に演じていたものでした。
監督が変わればガンバのサッカーも大きく異なるものでした。西野監督然り、長谷川監督然り、片野坂監督もそうでした。そして、監督に明確な戦術がなく、選手のアドリブ頼みのサッカーをしているときは残留争い(J2降格)に巻き込まれています。
しかし、フットボール本部が創設されたことでポヤトス監督とともに抽象的でない言葉で表現できる「ガンバのサッカー」を作ってくれることでしょう。ガンバのゲームモデル(=プレーのガイドライン)を作ることにより、ガンバがめざす方向性が明確化されアカデミーから一貫性した育成が行わることが期待できます。
そして、ガンバのゲームモデルにあった監督・選手の獲得をフットボール本部が実行してくれることが今後期待できます。
4.選手の変化
ポヤトスガンバの1年めを終え、24シーズンはポヤトス監督のリクエストが反映された選手の入れ替えが行われました。強化部が本当にガンバってくれました。今シーズンは躍進は強化部の働きなしでは語れません。
シーズンの初めに13人イン、16人アウト。そしてシーズン途中に、林大地(シント・トロイデン)が加入し、坂(栃木)、今野(愛媛)、石毛(ニュージーランド)、中村(松本)、唐山(熊本)の5人が移籍しました。
その結果、夏以降のガンバは28人体制でシーズン最後まで戦うことになりました。シーズン終盤は長期の怪我で三浦・林大地・宇佐美の3人を欠いて実質25人の小集団となりました。
5.戦術の変化
さて、ようやく戦術についてです。
システムが【4−1−2−3】から【4−2−3−1】に変更されました。
システム変更がどのような戦術の変化につながったのを述べていきます。
5−1.ボール非保持
まずは、失点数が61→35と大幅に改善されたボール非保持についてです。
一森選手・中谷選手の個の質により失点が減ったところもありますが、さすがに今季加入した2人だけ失点26は改善できません。23シーズン終了後にポヤトス監督も強化部から「失点数の改善」は主要命題として与えられたはずです。「これができなければシーズン途中でも職失うよ」くらいの話はあったのではと、妄想しています。
失点が大幅に改善=守備的(サンドバック状態)と、ならいないのがポヤトスガンバです。これめっちゃ大事。
あくまで一つの指標ですが、24シーズンにおける1試合平均のボール保持率は52.1%です。ちなみに、23シーズンのボール保持率52.7%となっています。(データはFootball LABより)
ボール保持率は昨シーズンとほぼ変わらず、50%を超えることから相手よりもボールを握る時間は多いことがわかります。
で、ボール非保持時でポヤトス監督がおこなった改善策は2つあるかなと思います。
①リトリートでブロック
相手CBはある程度フリーにさせます。(ただし、町田・京都・広島のようにCBからダイレクトに前線にボールを出すチームに対しては、CBに対してプレスをかけクリーンにボールを蹴らせません。)
前線の2人がプレスのスイッチ役となり、サイドへボールを誘導しWG・SBのところでボールを奪います。
23シーズンは3トップが前からプレスをかけるが、相手ボランチのケアが緩いため相手のボランチ経由でクリーンに前進を許していました。その結果、ガンバの最終ラインが相手攻撃陣と数的同数もしくは数的不利になり失点を重ねました。
②ボランチの守備タスク
フリーランの選手を誰がどこまでマークするのかを明確化しました。
わたしは、このボランチがポケットに進入する選手をマークするといったタスクが徹底されたことが24シーズンの失点数大幅減の一番の要因だと思っています。
昨シーズンはワンアンカーのネタ・ラヴィがここをケアできなくて失点したシーンを幾度も見ました。
あとは、中谷の足を動かす守備です。中谷が何度ゴールライン上でクリアしてくれたことでしょう。少なくとも5・6点はブロックしてくれているはずです。
6.パナスタの変化
24シーズンのホームはすべてパナスタで観戦しました。その中でパナスタの雰囲気が大きく変化したと感じました。
特にゴール裏です。
コールリーダーも世代交代したようで、新たなメンバーがパナスタゴール裏からスタジアム全体に熱量をもたらせてくれた気がします。ゴール裏サポも新旧サポが入り交じり、パナスタ劇場を作ってくれたと思います。
ゴール裏の熱量が相手チームへの圧となり、またガンバの選手の足を動かしドラマチックな試合(札幌・名古屋・天皇杯マリノス)をみることができました。
来シーズンは中谷選手が言っているように、「常に3万人」をめざしたいですね。
7.まとめ
24シーズンの躍進は守備のタスクの変化が大きかったと個人的に思います。守備のタスクを整備・明確化することで失点を減らす・攻撃回数を増やすことができたのかと。
さらに新規加入の中谷・ウェルトン・鈴木徳真・山下・山田康太、復帰組の一森・坂本一彩がポヤトスガンバにガッチリハマったことも大きかったですね。これに関しては、前強化部のグッジョブです。
そして、2024年はシーズンを通して選手・コーチングスタッフとサポーターが熱量をもって戦うことができました。 ここ数シーズン感じれなかった熱量を選手から感じることができ、私自身心を震わされました。
最後に今シーズンのベストゲーム・激アツゲーム・ワーストゲームを記述して終わりたいと思います。
長い駄文にお付き合いくださりありがとうございました。
2025シーズンもよろしくお願いいたします。
【ベストゲーム】第22節 横浜FM(H)
【激アツゲーム】第33節 札幌(H)
【ワーストゲーム】第29節 大阪ダービー(A)