【J1⑤vs札幌レビュー】 ネタ・ラヴィ最強
試合が終わりスタジアムの外を歩いていると、僕の横には手を繋いだ父と3歳くらいの娘が歩幅を合わせて歩いていた。
北風が冷たく、スタジアム帰りのサポーターの影が身長より長くなっていた。
肌寒く感じタオルマフラーをギュッと締め直しながら僕は、
「親子でサッカー観戦なんて、いつ依頼やろ」
と独りごちていた。
「あぁ、Jリーグが開幕した年の万博でのマリノス戦やったっけ。
おとんの会社の親睦会で行った試合やったなぁ。
ガンバ勝ったんやったけ。全然覚えてへんわ」
と、物思いにふけていたら娘がお父さんに言ったことで現実に戻された。
「ガンバって弱いけどさぁ、2対2の同点で良かったね」
激しく同意(´;ω;`)
3歳の女の子も43歳のおっさんの僕も思っていることは同じです。
第5節 札幌(H)
2△2
得点:石毛、ファン・アラーノ
勝ち点3 16位
失点の仕方が酷いので、内容も酷いと思われがちのガンバです。
この試合も前半6分にCKから失点。
そして、前半32分に福田のバックパスが相手にわたってしまい失点。
だけど、だけどなんですが1失点目以降の試合運び悪くないんです。
準備していたことを出せていた印象です。
札幌は東口(GK)にはプレスをかけません。これは、新潟とマリノスとの試合でも同じです。ですので、東口からワイドにロングパスやミドルサードに落ちた武蔵へミドルパスを送っていました。
ただ、パスの精度が悪く相手ボールになることもありましたが、さすがにミドルパスやロングパスの成功率100%を東口に求めるのは酷です。
また、ポヤトス監督が求める「3人目を作る・探す」、「スペースを見つける」も時間が進むにつれて出来てきました。
後半の2得点につながるシーンが前半終了間際にありました。
左CBの江川のからサイドにはった左SBの黒川へパス。黒川から山本理仁へダイレクトパス。山本からの縦パスを受けようと福田が落ちます。山本からのダイレクトの縦パスを福田がスルー、スペースを見つけた黒川が3人目の動きで札幌の田中の空けたスペースへランニングをし、ドリブルからクロスボールを上げることが出来ました。
しかし、このクロスはファーサイドの杉山へふんわりクロス。最後はネタラヴィのシュートで終わりましたが、このふんわりクロスはいただけません。相手選手が背走しているときは、クロスは「腰の高さ」が基本です。(これを言うところのポヤトス監督が個人戦術でしょうか?)
ふんわりクロスの件はハーフタイムにTwitterで通告しておきました。
効果てきめん、同点ゴールにつながった黒川のクロスは腰の高さ!!
ガンバの選手は短時間で修正できる技術と頭脳があるんです!
ポヤトス監督をはじめコーチングスッタフのみなさま、個人戦術の指導もよろしくお願いいたします。
アンダー世代を指導していたポヤトス監督、マルセルコーチの得意分野とお伺いしていますので。
この前半ロスタイムのシーンが成功体験として選手たちに自信をもたせ、後半の2得点に繋がりました。
ポイントは、
・中盤の選手が前向きにボールを出せる場面をつくる
・スペースを見つける
・3人目の動き
・配置バランスをポジティブに崩す
このシーンも右のインテルオールの山本理仁が左サイドでスルーパス(キーパス)を出しています。これを良しとするか難しいところですが、チャンスメイクは出来ています。
ただ、アラーノ・武蔵・杉山に対し札幌の最終ライン3人となっているので数的均衡が作れているのでこの場面は「良し」かと思います。
それでは、後半の2得点を画像とともにどうぞご覧くださいませ。
矢印が多いのはご容赦くださいませ。
なんせ、パスとランニングが多く連動したものすごく良いゴールなんです。
2点目のネタラヴィの動きが秀逸なんです!!
東口と三浦のパス交換のときに動き始めています。
ここでネタラヴィ意識したことは2つ。【位置的優位】と【数的優位】。
【位置的優位】
江川の左ナナメ前のハーフレーンを位置取ることで、東口から江川にパスが出たときのサポート→フリーです。
【数的優位】江川からパスをもらい黒川とネタラヴィvs金子の2対1を作る→パスもドリブルも選択できます。
ネタ・ラヴィ最強です。
・スペースをつける目
・相手より優位性(数・位置・質)を考えれる頭脳
・たしかな技術
さすがCLに出場するチームの選手(しかも、キャプテン!)。個人戦術がす素晴らしい。これをチームで共有してチーム戦術に落とし込んで欲しいです。ポヤトス監督がチームとして仕込んでいたなら、なお素晴らしい。
そして、ネタラヴィを獲得した強化部も素晴らしい。
未だ、リーグ戦の勝利はないですが、次はパナスタで大阪ダービー。
ダービーは勝つか勝つか。
冒頭の女の子が
「ガンバって強いのにさぁ、2対2の同点ってもったいないね」
って、言える日が来るまで。
ガンバれ、ガンバ大阪!!
ではでは。