【2024J1⑱vs柏レビュー】貯金は計画的にしましょう。
1.はじめに
2−1でガンバの勝ち!!ダービー勝利後、天皇杯もふくめて8戦負けなしで好調をキープしています。好調を維持している要因は、やはり守備。決して守備一辺倒のサンドバックからカウンターで勝利ではなく、ボール保持をベースとしながら、それがうまくいかない時間が長くても「守りきれる」といった自信がチーム全体からみなぎっています。
前節の湘南や今節の柏との試合ではガンバのゲームというよりは、相手チーム優位にゲームが進みました。サポーターとしては、好調時はスコアも内容も相手に勝ってほしいと欲張りになってしまします。では、なぜガンバは柏に苦しめられたのかレビューしていきたいと思います。
2.柏のサッカー
2−1スタメン
まずは、スタメンです。
ガンバは、U23日本代表の活動から復帰した半田がスタメンに入り、山田康太が久々のスタメン出場となりました。一方、柏はチームの中心であるマテウス・サヴィオがFWで出場。U23日本代表の関根はスタメン、細谷はベンチスタートとなりました。
では、柏はどのようなプランでガンバに挑み、ガンバはどのように対応したのかをみていきましょう。
2−2柏のプラン(前半)
柏は左SBのジエゴを前進の出口・フニッシュの一つ前のプレヤーとしてタスクを与えていたように思います。前半からガンバの右SB半田の背後(大外レーン)を狙い所とし、左SH山田雅と左SBジエゴでガンバの右サイドを攻略していました。
柏のビルドアップは、CBがPA幅に広がりGKがその間に入りビルドアップに参加します。【1−2−2】もしくは【1−2−4】で前進し、ジエゴはビルドアップ隊に加わらず、左大外レーンでボールの出口として待ち構えるプランです。
柏CBから対角のボールと山田雅・ジエゴのユニットで、ジエゴにクリーンにボールを届けます。いわゆる、アイソレーションってやつです。山田雅が半田・中谷の間をラインブレイクランをするので、半田は山田雅を無視することができません。山田雅のランはジエゴをよりフリーにする戦術的ランでした。柏は左大外レーンにボールを運ぶと、ジエゴのクロスや中盤を経由してのサイドチェンジで右サイドから、関根・小屋松でポケットを取る攻撃でフィニッシュまでもってきました。
2−2柏のプラン(後半)
柏は2点リードされた後半、小屋松に代えて細谷を投入。細谷・木下の2トップにし、マテウス・サヴィオが左SHに入り出力を最大限に出せる配置に変更しました。細谷が出場することで最前線のターゲットが細谷・木下の2つになり、柏の攻撃に深さが加えられ、幅(ジエゴ)と深さ(細谷・木下)でチャンスをクリエイトし続けました。また、左サイドにマテウス・サヴィオとジエゴが縦関係で配置されたことにより、縦への推進力が増し増しになり、ガンバは相当苦しめられました。
また、柏のアイデンティティである「ネガトラはハイプレス!」にもガンバは苦しめられ、ボールを奪取してもプレス回避のために意図のないロングキックでロストする機会が多かった試合です。
3.ガンバ貯金
3−1ガンバのトライアングル+半田陸
さて、やっとこさガンバのお話です。ガンバサポ目線のレビューなのにここ最近は相手チームのことばかりになりがちです。それもこれも、ガンバが相手に押し込まれる試合が続いてるからです。。。ガンバれ!ガンバ!!
では、柏戦のガンバです。ガンバは序盤、柏のストロングである両サイドバックを押し下げるために、SBの背後にボールを送り、山下とウェルトンを走らせました。今節の中盤は、鈴木徳真・ダワン・山田康太のトライアングル。このトライアングルが流動的にローテーションしボールを保持します。中盤で三角形(ダブルアンカー)・逆三角形(ワンアンカー)を作ります。山田康太がアンカーになり鈴木徳真・ダワンがISHに立つ場面もありました。
ポヤトスガンバの哲学を表すワードは「スペース」がその一つです。どのにスペースがあるのか、どこにスペースを作るのかがガンバのサッカー。ガンバTVでは中谷が「4つのスペース」という発言をして、戦術を楽しむガンバサポの心をくすぐりましたね。わたくしは、まだその「4つ」の謎を解けていません。
で、このトライアングルがうまく機能したのが前半9分。
左サイドのスローインからプレーが再開。ダワンがボールを受け、鈴木徳真が相手マークを引きつけるためポジションを上げました。山田康太がセンターサークル内のスペースを見つけ列落ちし、山田康太がアンカーになり逆三角形を作ります。山田康太がフリーでボールを受けることで時間の貯金ができ、半田陸がハーフレーンに位置するための時間をを貯めました。
そして、前半15分宇佐美のゴールです。【4−4−2】の3ラインでブロックをしいた柏守備網を立ち位置とこの質で上回ったガンバの得点です。
中谷が相手FWを引きつけ、半田がライン間に移動する時間を貯金しました。中谷から半田へのパスで柏の第1列を突破。半田から前向きでフリーの鈴木へクリーンなボールを届け、アイソレーションでウェルトンへボールを届け、柏の第2列を突破。最終列はウェルトンと宇佐美が相手との数的同数をこの質で破壊。宇佐美の本能を開放したドリブル(ちょっと前に「骨盤パニック」って言われてましたね)で、スーパーゴール。パナスタのガンバサポの感情は一瞬で沸騰。最高のゴールで最高の雰囲気になりました。
3−2貯金ができないガンバ
ガンバは後半に入ると徐々に貯金ができなくなってきました。柏がボールを保持する時間が増えたのと柏のハイプレスにガンバは保持できなくなったのが原因かと思います。
中谷も数試合前に指摘していたのですが、「前からとりに守備ができていない」と言っていました。ブロックをしいてコンパクトな陣形のときは失点しないですが、この状況では相手ゴールから遠いところでボールを奪うことになり、得点機会が多いショートカウンターが打てないことを改善したい意図がみれました。
なかなか、連動して前からハメにいく守備が構築されていないガンバは相手に簡単に第1列を突破されたり、相手CBがフリーで前線にパスを出させてしましいます。今日から神戸・町田とロングボールが得意なチームとの上位対決が続きます。この点は早急に改善を願います。
柏戦でも上記の現象があって、そこからピンチを招きました。
宇佐美がGKと2人のCBを見るのは限界があって、立田→GK佐々木→古賀と繋がれると宇佐美のプレスはあってないようなも。古賀に対して山下がプレスに行くと背中のが空くし、最終的には柏のボランチ白井がフリーになり前進されていました。
改善策としては宇佐美・山田康の縦関係ではなく、山田康太を1列上げて2トップで相手3人対し前向きにプレスをかけたいです。昨シーズンの調子が良い時期のガンバは、前向きのプレスがハマってネタ・ラヴィ、アラーノ、山本悠樹でインターセプトできていた印象があります。こうすることによって、CBもフリーでロングボールも蹴れないのでパス精度が低くなるはずです。
プレスがかからにことにより、後半は柏ボランチから前線にガンバDFラインの前ゴロのボールを入れることが多く、失点にもつながりました。
失点の盤面を見ると、戸嶋がフリーで2つの門を通しました。宇佐美・坂本の門と鈴木・ダワンの門です。ルヴァンカップの琉球戦でも見られた現象と同じですね。こちらも改善を。
4.おわりに
後半は押し込まれたのでずっと柏ベースだったかなと思っていましたが、DAZNで見直すと、ガンバも中谷から鈴木を経由してボールを保持する時間もありました。最終的なボールを支配率はガンバ49%・柏51%だったので、ボール保持で劣勢だったとは言えません。ただ、柏の方がシュート数が多く(21本‐11本)、またダイナミックにPA内に人数をかけてきたので柏優勢の印象が強く残りました。
さて、今日から神戸(4位)・鹿島(2位)・町田(1位)と上位対決3連戦です。今シーズンの最終順位大きく影響するであろう連戦です。
さいごに、柏戦後と神戸戦前のポヤトス監督のコメントでレビューを締めたいと思います。
ガンバれ!ガンバ大阪!!
ではでは〜
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