【2024J1第37節vs新潟(A)レビュー】キャプテンに依存しないガンバ。
1.はじめに
ともにカップ戦のファイナルで敗れたチームの一戦。
ガンバは神戸相手に試合を優勢にすすめましたが、GKからのロングキックを起点に失点し敗戦。新潟は小見の活躍で延長後半に追いつくもPK戦で敗戦。
敗戦のショックを拭いたい一戦ですが、ただそれだけではありません。
ガンバはACLE出場圏内の3位をめざし、新潟は残留確定させるために両チームともにモチベーションの高い一戦に。
それでは、新潟戦のレビューをしていきましょう。
今回はガンバの前進にフォーカスを当ててレビューします。
守備面では山下の背中を新潟SBに使われて前進されていたのが気になりましたが、深掘りは今回はパスですm(_ _)m
2.スタメン
ガンバは天皇杯決勝から1人変更。倉田に代わりウェルトンがスタメン。スタメンを外れた倉田は今節はベンチ外。
一方、新潟も前節柏戦から谷口から小見へ1人のみの変更となりました。
3.ガンバの前進
3−1 SBが中盤へ移動
新潟の守備戦術は次の2つ。
1.ハイプレス
2.ミドルゾーンで【4−4−2】のブロック
この新潟に対してガンバは次のように前進しました。
【4−4−2】の新潟のブロックに対して、ガンバは最終ラインを3人にしてボールを保持します。そのとき、SBの半田と黒川のどちらかが中盤のそこに移動し【3−2】のかたちになります。
SBがボランチの位置に移動することで一石三鳥なことが。
1.中盤へのパスコースが2つになる
2.CBからWGへのパスルートが開通
3.CBがドリブルで運べる花道ができる
新潟が【4−4−2】のブロックをひいても、どこにボールを誘導して奪うというプランが不明瞭なためガンバは新潟の第1・第2ゾーンをクリーンに前進することができました。
前半15分には黒川が中盤へ移動し、坂本へロングスルーパス。坂本はGKとの1対1を外してしまいましたが、ハンジ・フリックバルサのような中央からの崩し。
大外レーンでの上下動を得意としている黒川が中盤の底でも質の高いプレーができることが新たな発見となりました。
75分すぎからはガンバの巨大ロンド。鈴木徳真をフリーマンにしたロンド。ガンバの公開練習でもよく見るTR風景を試合で見た気がします。
で、出口は左右のハーフレーンです。ハーフレーンでボールをクリーンにもらったアラーノはゆっくりドリブル。前線の黒川・山田・坂本・山下の4人もゆっくりランで新潟DFを押し下げます。
立ち位置だけで相手のプレスを無効化して前進。しかもスピードを上げずに相手をゆっくり押し下げる。こんなガンバを見せてくれるポヤトス監督は最高です!!来季もぜひガンバで。
3−2 ハイプレスにはロングパスで前進
今シーズンのガンバのビルドアップにおける弱点はDFラインへのハイプレス。新潟もご多分に漏れず圧力をかけてきます。
しかし、ガンバも丸裸で相手のプレスを受け続けるわけにはいきません。ポヤトス監督はしっかり準備してきました。
ポヤトス監督が準備してきたのはロングパスです。
ロングパスが味方にうまくつながれば良いのですが、距離の長いパスなのでなかなかそうはいきません。そこでガンバはセカンドボールを回収も含めたロングパスでの前進をデザインしました。
タスクが明確なので相手より先に足を動かすこと(この場合は攻→守のネガティブ・トランジション)でボールを回収し、ガンバの攻撃が継続されます。
上の図では、ロングパスのこぼれ球に対し半田とダワンで相手にプレスをかけ、坂本が回収します。ボールを回収した坂本がドリブルで運び、ウェルトンへスルーパスを送りました。前半17分です。
スルーパスは新潟DFに阻止されますが、鈴木徳真がこぼれ球を黒川にパス。ドリブルでボールを運んだ黒川がPA中央へクロスを上げ、山田が頭でゴールを奪いました。このときPA内には山田・山下・ウェルトン・坂本・ダワンの5人が入ってどこからでもシュートを打てる状況を作れていました。
このゴールが決勝点となり1−0でガンバは勝利。
ガンバは勝ち点を63に伸ばしましたが、町田と広島が勝利したため3位は非現実的に。町田とは勝ち点が並ぶ可能性がありますが、得失点差が10もひらいています。
4.おわり
天皇杯決勝の2日前にキャプテン宇佐美が肉離れで離脱。
宇佐美のチームだと言われた時期もありましたが、天皇杯決勝と新潟の2試合はキャプテン不在でも試合を支配することができました。
なんと逞しくなったガンバなんでしょう。
ほんまに今シーズンはワタクシ的に充実した1年になりました。
2024シーズンも残り1試合。
ラストはホームで広島とです。広島は勝ち点1差で首位神戸について2位。優勝の可能性がある広島は相当高いモチベーションでパナスタに乗り込んでくるでしょう。
しかし、ガンバもACL2の出場という明確な目標があります。
パナスタ劇場で広島にも勝利を!
ガンバれ!ガンバ大阪!!
ではでは~