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【2024J1第27節vs神戸(A)レビュー】残暑見舞い申し上げます。


1.残暑見舞い

残暑お見舞い申し上げます。
連日の猛暑には閉口しております。ガンバサポのみなさまはお変わりなくお元気にしていらっしゃいますでしょうか。
わたくしは、青春18きっぷでのアウェイ柏遠征につづき、アウェイ神戸遠征はバイクで片道60kmの道のりを事故なく無事に終えることができました。

 さて、ガンバ大阪は中断明けの2試合を引き分け(vsFC東京・vs柏)でむかえたアウェイ神戸戦。結果は2ー2のドロー。神戸→ガンバ→神戸と試合が動く中、ガンバは95分に中谷進之介の「奇跡の腿ゴール」(中谷進之介Xより)がうまれ、執念で勝ち点1をもぎ取りました。 

 柏戦につづき、この日もサウナに入っているようなノエビアスタジアム。さらに誰も望んでないロウリュウのサービス。暑さを煽ってくるありさま。選手のタフさにはクリビツテンギョウ(びっくり仰天の意)です。 

 では、神戸戦のレビューといきましょう。

2.試合レビュー

2−1 スタメン

 今節のスタートメンバーです。

神戸戦スタメン

 WGは左にアラーノ、右にウェルトンが配置されました。後ほど述べますが、この配置は神戸に対する守備のタスクによるものでした。神戸はアンカーの扇原が出場停止で鍬先が先発。

 前線中央のユニットは宇佐美と山田康太。このユニットでわたしが懸念するのは2人とも動きすぎること。特に2人の好きなエリアが左のハーフレーンで被っています。そのため、最後のフニッシュゾーンにフィニッシャーの不在が予見されます。

2−2 ビルドアップ不全?

 神戸のプレスはハイプレスとミドルプレスの併用です。ハイプレスは、ガンバがゴールキックをPA内でGKとCBがボールを繋いだときです。ガンバのビルドアップの配置が整ったときは、神戸は一度ミドルゾーンに撤退してブロックを組んでミドルプレスを発動って感じです。

 強度の高い神戸のハイプレスに対してガンバのビルドアップはどうだったのかをふりかってみます。

 まずは一森の試合後コメントから。

 拮抗した展開、神戸のプレッシャーが厳しい中で、後半は特に怖がってボールを受けにこない状況が起きていた。そうなるとやはり僕たちが目指すサッカーはできない。今日は、僕から出すばかりじゃなくて、一旦、シン(中谷)や将太(福岡)につけてから、ボールを出していくというチャレンジをしたんですけど、せっかくボールを持つことができても、出しどころがない、2つ目のボールが繋がらないと、前に進まなくなってしまう。うちには大迫選手のようなタイプの選手がいないからこそ、チームとして動かす、前に進むと決めたのなら、全員がビビらずに、隠れずにボールを受けにくるというチャレンジをしないと。そこは試合中にも伝えていたんですが、正直、相手のプレッシャーもあってなかなかうまくいかなかったな、と。

高村美砂さん〈ガンバ大阪・定期便107〉より

 選手の印象だとビルドアップがうまくいっていなかったように感じた試合。とくにCBから次のパス(2人め)が繋がらなかったと。どのような現象が起きていたのかというと下の図です。

神戸の同数ハイプレス

 ガンバの一森・福岡・中谷に対して神戸の大迫・武藤・井出がハイプレスをかけます。出口になるダワン・松田陸・ウェルトンは神戸の選手にガッツリ抑えられてます。また、大迫・井出の背中に鈴木徳真が隠れてしまっています。

 中谷は出口がないのとハイプレスにより、精度の低いパスをウェルトンにだしそこでボールロスト。まんまと神戸の罠にハマってしまいます。

 CBが保持(ガンバ)→ハイプレス(神戸)→出口なし(ガンバ)→ボールロスト(ガンバ)。このようなボールロストが前半26分や後半32分にも起こりました。

 前半48分の失点の場面は2つエラーが重なりました。1つはウェルトンとアラーノのポジションチェンジ。もう1つは福岡からの無理な縦パスです。今シーズンあまりなかった安い失点でした。

 「KICK OFF! KANSAI」という関西のサッカー番組で中谷が「ダニがアラーノとウェルトンに起こっていました。『俺の言う事と聞け!』」といったニュアンスのこと言っていたようです。

安い失点

 とはいっても、この試合のボール支配率のスタッツは【ガンバ54%:神戸46%】です。ボールが持てなかったのではなく、同数ハイプレスに手こずった試合でした。うまく前進した場面も図で残しておきます。

前半20分
後半8分

 CB運ぶ→外→中→バイタルエリア経由→外(フリーをつくる)といった前進です。再現性のあるビルドアップのためチームでプランしていと伺えます。

2−3 プレスはハマった?

 次にガンバのプレスをふりかってみます。ガンバは【4−4−2】のゾーンディフェンス+前プレ→サイド誘導のゲームプランでした。

4−4−2ZD

 前半21分にも同様に山田がサイドに開いた山川へプレスをかけアラーノがパスカットに成功。神戸はCB山川がビルドアップ時に大外まで開いてハマっている現象が多々あり気になりました。

 前半41分。ISHの井出が大外に流れてフリーになり前進を許し、左からのクロスを右SB広瀬にフリーでシュートを打たれましたが、一森のビッグセーブで失点回避。
 いくつか前進は許しましたが、神戸の最終ラインからのビルドアップに対してガンバのプレスが機能していました。

 2つの失点は、安い失点とチーム戦術の徹底不足。後半39分、右SB岸本に対し大迫と佐々木で数的不利を作らました。大迫がロングボールの起点となりサイドのクロスから失点してしまいました。

2失点目はチーム戦術が徹底できなかったことで生まれた失点だった(一森純)

高村美砂さん〈ガンバ大阪・定期便107〉より

3.おわり

 両チームとも攻守・トランジションの強度が高いおもしろ試合でした。ガンバからすると上位対決のアウェイゲームで勝ち点0を残り1分で勝ち点1を持ち帰れたのはポジティブ要素です。

 これで27試合を終え、ガンバは勝ち点47の4位です。首位町田とは勝ち点6差。残り11試合、まだまだ追いつけるだけの試合があります。

 ガンバはミッドウィークの天皇杯ラウンド16で湘南に対し逆転勝ちで準々決勝に進出し、相手は広島となりました。天皇杯のタイトルも現実的になってきました。

 天皇杯から中2日でGAMBA EXPO福岡戦。ウェルトンが出場停止ですが、ホームでは勝ち点3必須です。

この暑さもまだまだ続く気配、ガンバサポのみなさまはくれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。

 

 ガンバれ!ガンバ大阪!!
 ではでは~


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