【2024J1⑲vs神戸レビュー】シーズン後半に向けて、キャプテン宇佐美が提言。
1.はじめに
上位対決3連戦のファーストラウンド、vs神戸は2−1で勝利!!町田・鹿島が引き分けたため、鹿島とは勝ち点が並び、町田とは勝ち点2差まで縮めることができました。
ガンバはリーグ戦4連勝で8試合負けなしとなりました。しかし、わたしの中ではモヤモアしたものがありました。それをうまく伝えてくれたのがキャプテン宇佐美貴史です。
ここ最近、わたしも「この戦い方しんどいなー」って思うところがありました。湘南・柏・神戸と前からハイプレスに来るチームに対して意図したボール保持ができていません。まったくできていないかと言えば、そうではないのですが、ただ単にロングボールを蹴らされている場面が気になりました。さらにキャプテンはこう続けます。
ポヤトス監督も柏戦後のコメントで「しっかりとボールを握るというところを勇敢にやって欲しかった」と話しています。また神戸戦前のコメントでも「思い切って勇気を持ってやるという気持ちを大事にしたいです」と述べており、ガンバのスタイルとして【ボールと試合を支配する】姿勢で、神戸戦に臨んだと思います。
では、ガンバは神戸に対してどのようにボールを前進させようとしたのかレビューしていきたいと思います。
2.キャプテンのコメントから神戸戦を読み取る
2−1スタメン
まずは、スタメンから。ガンバは前節の柏戦から変更はなし。先発のメンバーも固定されてきたように思います。
2−2ガンバのプラン
ボール保持時においてガンバがあらかじめ用意していたのは、神戸のMF-DFラインの間にボールを届けるプランです。神戸の右サイド、武藤ー酒井の間に左SB黒川はを配置して出口にしました。武藤がそこまでプレスバックしないことを考慮しての配置にしたと思います。
ボール非保持時では、宇佐美・山田が神戸のCBとGKに対してハイプレスをかけます。神戸が深い位置からロングボールを蹴ってくるのはわかっていることなので、フリーでボールを蹴らさないためにガンバは前からボールホルダーに対して制限をかけるプランを用意しました。山田康太が負傷交代し、坂本が出場しても宇佐美・坂本・山下の連動したハイプレスで神戸のパスミスを誘発していたので、チームとしてのタスクを選手はきちんと遂行していました。
2−3宇佐美コメントの現象
では、宇佐美が「相手の強度というのを無効化する上手さというものが、もっと必要だと思います」とコメントを残したのか、試合で起こった現象をふりかえりましょう。
前半17:49の場面です。上でも書きましたが、黒川を出口にしたあらかじめ用意したプランに固執し過ぎたためにボールをロストしました。相手の立ち位置とプレスの方向が見れたら、鈴木徳真につなげたシーンでした。
次は26:36の場面です。一森からボール受けた福岡が左サイドのウェルトへロングパスをしましたがロスト。ウェルトンが幅をとってハーフレーンにスペースを作り、そこに宇佐美が顔を出しましたがボールが出てきませんでした。
ロスト場面を2つあげましたが、相手の強度を無効化した場面もありました。35:41の場面です。こぼれ球を中谷が回収したところからボール保持&前進がスタートです。
2−4今節のええやんか〜
中谷→ダワン→福岡→鈴木→宇佐美とパスを繋ぎ、神戸の奪いどこを定めさせないジグザグにボールを動かしました。つぎに、鈴木徳真がオーバーロードで宇佐美をサポートする動きで数的優位を作ります。
宇佐美はオーバーロードした鈴木とワンツーでボールを動かし、センターサークル内にスペースを見つけたダワンに。半田を経由して大外レーンの山下までクリーンにボールを届けられました。わたくし的にこの動かし方が「今節のええやんか〜」です。
その他にも40:15には、一森・中谷・福岡の3人で保持をした場面です。3人で相手のプレスの矢印をみながら、ハーフレーンに列落ちした坂本をおとりに、センターサークル内にスペースを見つけた山下へ1つ飛ばし(坂本飛ばし)のパスを送りました。山下のコントロールミスでロストしましたが、相手を動かし、スペースを見つけた良い前進です。
さらに、51:27には福岡がハーフレーンに列移動したウェルトンに縦パス。酒井をぶっ飛ばして前進成功です。ウェルトンのこの力で前進できました。
3.ガンバが保持できない構造の原因
3−1神戸のサッカー
ガンバはボールを保持できない構造は、神戸の戦術によるとこが大きかったと思います。上記の図のように、初瀬からの対角のボールの先には大迫と武藤といったフィジカルとテクニックに優れた選手がいるので、どんなに長いボールでもロストしません。また、やることが明確なので、たとえガンバDFがボールを弾いたとしてもセカンドボールを回収する準備が神戸の選手はできています。
そして、特徴的なのが神戸は後ろにも深さをとるところです。サッカーでは幅と深さが大事だと言われますが、神戸は幅と敵陣での深さ(ロングボール)と自陣での深さ(バックパス)を取ります。大きくバックパスをすることで神戸のボール保持の時間は自ずと長くなり、ガンバのボール支配率が下がってしまいます。
つまり、ガンバがボールを保持できない構造は、ロングボールを収められる、後ろに深さを取られるの2つが要因でした。そして、この構造は決定機を作りやすいので、ゲームの印象としては神戸が優勢であるというところがやっかいです。
3−2それでも、ネタ・ラヴィが出てくると
ダワンに代わりネタ・ラヴィと宇佐美に代わりジェバリが交代出場すると、ガンバの保持が良くなりました。ネタ・ラヴィは相手プレスを剥がせるボールキープができ、味方に良いポジションを取らせる時間を貯金してくれます。そのため味方がフリーでネタ・ラヴィからクリーンなボールを受けることができます。先発での出場が少ないのは、鈴木徳真・ダワンと比べてポケットに侵入する相手のマークを捨てる機会が多いからだとわたしは思っています。ここさえ改善されれば、常にスタメンの選手です。そして、お金を払ってでもみたいを思わせてくれる数少ない選手なので、シーズン後半の活躍をめっちゃ期待しています。
4.おわりに
今回は宇佐美のコメントから試合をレビューしました。選手や監督から「もっとボールと試合を支配したい」という趣旨のコメントが出てくるのは、チームの方向性が明確でそれを成し遂げることができるという根拠や自信があるからでしょう。
神戸のサッカーの印象で劣勢すぎたと取られられるかもしれませんが、ボール支配率は48%とほぼ互角です。豪雨の中ですが、ボール下からつなぐサッカーはできていました。(回数は少なかったのは事実ですが・・・)
さて、次は水曜日にアウェイ鹿島です。ここからシーズン後半のスタートです。ホームでは負けましたが、この試合はガンバのペースでした。(レビュー書いているので良かったらぜひ。)
今回も超ロング駄文にお付き合いくださりありがとうございました。わたくしの後半戦の改善点は、「簡潔・読みやすい・最後まで飽きない」レビューを書くことです。今後とも宜しくお願いいたします。
ガンバれ!ガンバ大阪!!
ではでは~