脳卒中後の歩行自立予測ツール:TWISTの紹介【2022年版】
脳卒中急性期からの予後予測には数多くのものがある。その中でも今日は、TWISTアルゴリズムについて紹介したい。
TWIST アルゴリズムとは
TWISTアルゴリズムは2018年にMarie-Claire Smithさんが開発した歩行自立度の予後予測ツールだ。2018年に開発し、さらに臨床的に使いやすくした改訂版を2022年に出している。
紹介元の論文は下記の通り。
"Smith et al The TWIST Tool Predicts When Patients Will Recover Independent Walking After Stroke: An Observational Study ,Neurorehabilitation and Neural Repair 0(0)"
従来の予後予測ツールとの違い
従来の予後予測は、二木の予後予測やFIMの予測式、画像を使った皮質脊髄路の損傷度合いからの予測が存在していたが、これらは発表時の研究で検証されたにすぎなかったため、エビデンスとして国際的に用いるには信頼性において疑問が残っている。
また、歩行の予測についても6か月後といった、病院としてはほぼ退院している時期の歩行しか予測できず、入院中のいつの時点でどのくらいの確率で歩行できるか、といったことはわからない、という課題も存在した。
これらの課題を解決したのがTWISTアルゴリズムだ。
TWISTは世界の多くの施設で検証した研究があり、2~26週その時点で何%程度歩行自立に至る可能性があるか、を点数ごとに教えてくれる。
2018年版TWISTと2022年版TWIST
2018年版のTWISTは、評価項目がTCT、股関節伸展のMCRだったのだが、2022年版ではこれらから一新されている。
今回紹介したいのも、2022年版のほうである。
実際、臨床的に評価しても、TCTは検者間信頼性が低いのではないかと感じるところがあった。
また、股関節伸展のMCRも、急性期ではそもそも腹臥位が取れない患者さんも多いため、使いやすく、だれが評価しても同じ結果となるか、というところには疑問が残るものと感じていた。
具体的な2022年版TWIST
具体的な2022年版のTWISTの項目としては、
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