見出し画像

あぁこんな夜を何回も…

可愛い彼女ができて、
水族館デート、映画デート、公園デートなど
沢山の時間を一緒に過ごした。

でも、頭に思い描いていたものと何か違う、
無言の時間も割とあるし、心の底から楽しい!って感覚にならない。
アレ?っ付き合うってこんなもんか?

恋人関係をキラキラしすぎたものとして見ていたせいか、
なんか肩透かしを食らったような物足りなさを感じていた。

毎日の電話も面倒くさくなったり、男友達とゲーセン行く方が楽しいと言うことに気づいてしまった。

付き合って良かったことといえば、「可愛い彼女がいる」というステータスのおかげで、周囲から羨ましがられたことくらいだった。

容姿を優先しすぎて、性格とか一緒にいて楽しいってことを妥協してしまったせい?やっぱ容姿以外も恋人選ぶには大切なんだな、

そう思い始めてた時に、彼女から連絡が入る。
「今日親いないから家でテスト勉強しよ」

異性の部屋で教科書を広げる、内容なんて入ってこない…
(これどうするのが正解?勉強誘われたからってずっと無言で問題解くだけは流石にないよな、わざわざ家に呼んでるんだぞ??落ち着かねー!)

全く勉強どころではない…
彼女の手元に視線を写す、彼女もほとんど手が進んでいない…勉強が目的じゃない?

おもむろに彼女が「勉強疲れたから横になる」と言ってベッドに寝そべる。
なし崩し的に、僕達は初めての行為に及んだ。

初めてのSEXは劇薬だった。これまでの恋人観なんてどうでも良くなった。

映画とか、水族館とか、公園デートとか
もう全部どうでもいい、ずっとこれだけしたい!

それ以降、一緒に出かけてもSEXのことで頭がいっぱいになってしまうようになった。

一緒に水族館へ行って、ペンギンを見ている時も彼女は「わぁー可愛い、よちよち歩きだ!」
などとはしゃいでいるが、
僕はもうそんな鳥類眼中にない、
股間をギンギンにして今日はこの後家に行けるのか?どうなのか?そのことしか考えられていない。

ファミレスで食事をしている時もだ、
彼女は「あれもこれも美味しそう」とメニューを広げずっと悩んでいるが
僕はもう食事などどうでもいいのだ。

デート自体外ではなく、もうずっと家デートでいいそんな風に思っていた。

付き合う前は色んなところに行って、色んな話して、記念日を共有して…なんて恋人関係を理想としていたが、もうそんなことはどうでも良くなってしまっていた。

13歳の時に、たった一度劇薬を味わってしまったせいで僕は、お猿さんになってしまったのだ。
もはや、人ではなく畜生だ、全く恥ずかしい限りである。

ここでふとある一つの疑問が生じた。
デートの時間どうでも良くなって、
でもSEXはしたくて…

これって俺彼女のこと好きなのか??

キューっと胸が締め付けられる。
だって…彼女だぞ??そんな訳ないよな…

某芸人が言っていた言葉にこんな言葉があったのを思い出す「好き−エッチ=愛」

確かめなければ…

彼女ともうこれ以上できないくらいにエッチをし尽くした…コンドームにはパンパンに入った性液…もう一滴も出ない…

ぐったりと柔らかい表情で横たわる君を見る…

アレ?

好きじゃないかも…


あの日から彼女が何人も変わって
何回も、何回も…
僕はまだそんな夜を過ごしている…。

いいなと思ったら応援しよう!