儡脊は元藤乃家説

 まだまだ謎の多いキャラクター儡脊。彼の正体についての考察です。(今回は根拠がしっかりしてるよ)
 ※最新話までの内容を含むのでご注意ください。

 考察1:儡脊の才能

 儡脊は鵺さん曰く千年に一人の結界術士。そんな才覚溢れる人材が一般家庭から産まれるとは考えにくい(夏油の例もあるが)。ともすれば、陰陽師の実力ある家系。それこそ二大旧家と呼ばれる家から産まれたと考えるのが自然である。

考察2:儡脊の存在

 そんな逸材を見て、陰陽師歴の長いであろう皇隊長が反応を示していない。面識はなくても、千年に一人の結界術士がいるなら噂話程度には聞き及んでいるはずだ。
 このことから、儡脊は本部には伝わらないよう隠匿されていた存在だと想像する。
 そんなことをするのは、陰陽寮と仲の悪い藤乃家ぐらいだろう。

考察3:儡脊の式神

 彼の操る式神「胎羽八咫烏」。
 そして、代葉ちゃんの操る式神「眇の鴉合」。
 どちらもカラスの式神であるという共通点がある。
 藤乃家の管轄する式神は、カラス関連の式神になるのかもしれない。

考察4:儡脊の名前

 代葉ちゃんの名前を音読みすると、「だいよう」つまりは代用という言葉になる。
 儡脊、彼が人間の時からこの名前であるかわからないが、62話の女学生のセリフから「儡」の文字は入っていることだろう。そして、この漢字は傀儡という言葉に使われる。
 どちらも名前に厄ネタが仕組まれているという共通点がある。

考察番外:双斧について

 もう一人のネームド藤乃家、双斧について考える。
 双斧は婿養子で藤乃家入りしたと、私は予想する。
 というのも、上の要素とは(ほとんど)対称的である。
 まず、彼は本部側と仲が良い。弟子を採って育て上げており、本部からの評価も高いだろう。
 また、彼の式神「倉尖隧」はカラスのような鳥類の見た目ではない。
 さらに、彼の名前には斧と書いて「よき」と読む、縁起の良い言葉が使われている。
 
 23話で菅隊長が、

「あー 双さんな あの人も大変だ」

と発言していたが、それは藤乃家に婿養子になって大変だという意味も含んでいるのではないだろうか。

考察5:鵺さんの知識

 鵺さんは、4話ラストで今の世代の陰陽師の実力を知って感心していた。
 そして、現代になって、陰陽寮が隊長会議を開いていたことからも、60年前は本部との接触はなかったと読み取れる。
 しかし、7話において鵺さんは、藤乃家と本部との不仲を知っていた。
 学郎は陰陽師についての知識はないし、周防先輩にはあの時、一般人の沙鵺子を演じていたことから情報を仕入れる方法はない。
 では、どこで藤乃家と本部との関係性を知ったのか。
 もし儡脊が元藤乃家ならば、彼から話を聞いていたということになり辻褄が会う。

考察6:藤乃家の動き

 ここからは、儡脊が元藤乃家という前提で考察する。
 60年前、死んだと思われていた儡脊は藤乃家にこっそりと回収される。
 それから、当時の藤乃家当主は鏖と契約できる儡脊の才能を利用して、本部を出し抜こうと考えた。
 50年前、藤乃家は独断で儡脊を火車と契約させようとする。
 契約は成功。しかし、直後に儡脊は裏切り藤乃家が足取りを掴めなくなる。
 大失態を犯した藤乃家は、侵入したという噂話で情報統制を行う。
 しかし、それだけでは他の隊員に感づかれる恐れもあるので、火車の封印場所である第五支部の隊長に藤乃家の人間を置く。
 それでも、いつ儡脊が動き出すかわからない状態に変わりがない藤乃家は、儡脊から聞いた鵺を対抗策として手に入れようと画策する。
 それから50年、学郎が鵺と契約したことで、鵺を探知※できるようになり、代葉ちゃんが、本部よりも早く派遣された。
 こういった流れが本編の藤乃家の動きに繋がっているのではないかと私は予想する。

※探知に関しては、儡脊から情報を予め聞いていたか、前回の【キャシー=火車の一部説】を用いて、封印場所の火車に何かしらの変化があって察知できたか、この2つが今のところ考えられる。

考察7:鵺さんと代葉ちゃん

 もし、儡脊が元藤乃家なら、18話で鵺さんと代葉ちゃんがお風呂場で行った会話に重みが増す。

「私は君に会えて嬉しいよ」
「昨日皆でスキヤキが出来て凄く楽しかった」
「皆と一緒にゲームが出来て楽しかった」
「学郎と仲良くしてくれて嬉しかった」
「君が私と話をしてくれて嬉しかった」
「私にとっては君を守るのに十分過ぎることだよ」
「君が来てくれて嬉しい 凄く凄く嬉しい だから行かせない 絶対に」

 この鵺さんのセリフがスッゴい重くなる。
 儡脊たちともこんな風に仲良くなって楽しんで。でも救えなくて。今度こそ代葉ちゃんを守ろうと決意している鵺さん。お労しい。「行かせない」もつまりは死なせないということだろうし。あー。
 もし、儡脊が元藤乃家ならなおさらこのセリフに意味が含まれる。
 鵺代が見い出される~。
 それを踏まえて考えると、初登場で学郎を傷付けるつもりでもあった代葉ちゃんに敵意を向けてないし、代葉ちゃんをボロボロにした白沢に対して「赦さないよ」と敵意を向けている。
 鵺さんが代葉ちゃんへと向ける愛が大きいのは、こういった背景があると説明がつく。

考察8:単行本表紙

 前回の【キャシー=火車の一部説】と同じ内容だが、表紙に写る双斧が次号に注目される可能性があるとすれば、儡脊が元藤乃家だった場合だろう。
 6巻の表紙がキャシーと双斧だったのは、本誌内容の火車と儡脊を対照させるためだったのだ!
 というのは、些か妄想が過ぎるだろう。
 おそらく8巻の表紙は火車と儡脊だと思う。6巻と対称的な構図だったら面白いなと勝手に期待している。いや、当てにしている。

おわりに

 結局、最後の方は妄想になっちゃったよ。でも、前半部分の考察はなかなか面白いと思います。
これからも

せな、精進せな

最後まで読んでくださってありがとうございます。

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