大きなお世話です
今日、性風俗産業撲滅を掲げている
活動家が川﨑堀之内でデモを行うというのは
あたしも聞いていた。
お客さんたちにはなるべく送迎車の利用を
勧めていたが、車酔いをしやすい田中くんだけ
送迎を断り、なかなかやって来なかった。
そしたらこの騒ぎだ。
「わざわざ、女の子が単身乗り込んでくるとは
トロピカルに働いているスタッフは
とんでもない連中だねぇ」
「所詮、女性を売り物にしている連中ですね
腰抜けばかりですよ」
笑い声が起こる❗️
「バカくせ🙄、田中くん、返してくんないかな」
「君は、女性を売るようなことをして
恥ずかしくないのかね」
「ああ、悪いんだけど討論会なら、よそでやってくんないかな」
「あなた、将来絶対に後悔するわよ」
「ああ、そうですね、とりあえず金稼がないと、明日のご飯が食えないんでね」
マジで討論会する気かよこいつら…
「まぁみなさん、落ち着いてください。
我々も今日という日のためにそれぞれに
想いを秘めて来たんだよ。どうかな
彼が払う予定の代金は払おう。
その代わり少し我々と話し合わないかい?
私も今現場で働いてる女性の生の声を聞けるとは思わなかったのでね」
なんだが首謀者らしき男が出て来た。
「田中くんを離せよ。まず!」
「彼を自由にしてあげましょう!」
男がそう言うと田中くんは解放され、
あたしに近づいた。
「大丈夫」
「あの、すみません!まさか昴さんがやって来るとは」
「ムカついたからね。あのー大きなお世話なんで、勝手にやっててくださーい」
そう言って田中くんを連れて行こうと後ろを振り向くと
あ、ヤベー奴が楽しそうな顔していやがる🙄
「暇なんだ…代われ😊」
「あざーす」
任せた🙄
▲ ▲ ▲ ▲ ▲
「キミが青山宇宙クンかしら」
「なんだ君は高校生じゃないのか❓」
ならず者が1匹。
「この業界で大体20年やっている者ですが」
「あなたもトロピカルの娘かな」
青山宇宙がこちらを見る。
いいねぇ。フェミニストをリーオーにしたいわぁ🤗
「ええ、討論会がしたいようだから、
彼女じゃ役不足でしょう。私がお相手してあげるわ」
「お名前は?」
「そうね…獅子宮 レオナという源氏名で
やらせてもらっているわ」
「レオナさん、あなたは20年近くこの性風俗産業に従事しているとのことだが、
女性として大事な尊厳を失ってしまっていないかな」
「いいえ、私はむしろ、オス、いえ失礼、
男性の尊厳をぐちゃぐちゃにしているから
どちらかと言うと加害者の方だと思うわ」
ニッコリと笑い、後ろのリーオーノインと
リーオークワトロがイスになったので
座ることにした…
続く