改革の旗頭(前編)
最高級ソープといっていいトロピカルは
二つの間違いを犯している。
一つ、庶民を受け入れている点…
この点はまったくもって馬鹿げた話だ。
感覚がバブルで止まっているのだ。
今日本社会は金持ちと貧乏人の二つだ
だとしたらトロピカルはどこをターゲットにするか?
金持ちに決まっている…
では金持ちたちはソープランドに来るか❓
そのほとんどは愛人や高級デリヘルといった
コールガール、クラブといった秘匿性の高い業界を利用するだろう。
現代社会はSNSという監視社会であり、
みな金持ちに異常なほど清廉潔白さを求める。貧乏人のできる唯一の抵抗手段だからだ。
そして金持ちたちはオンナになにを求めているのか❓
性欲を満たすだけではない。
美しさ❓当たり前だ。
ホスピタリティ❓実は重視されてない
若さ❓ 千差万別だろう。
答えはステータスだ。
このランクのオンナをオレは抱いてる…
若い、有名、スタイルがよい。それは採点欄だ。
なによりも大事なのは、庶民が抱くことのできないステータスを持ったオンナか否かだ。
ゲテモノのように、一般人を道端で拾って
輪姦する平安貴族みたいな奴らもいるが
まず金持ちたちはそんな遊びはせず、
安全にステータスの高いオンナが欲しいものだ。
だからこそトロピカルはそんな金持ちたちを
相手にしたソープランドとなるべきなのだ。
誰が庶民たちの汚い手垢と体液に塗れたオンナにステータスを感じるというのか。
そのニ、川﨑堀之内という場所にこだわる理由も不明だ。
都内の高層タワーに移転すればいい…
警察組織が簡単に入れないエリアが山ほど
あることを知っているはずだ。
そうすれば、部屋の規模も
なによりくだらないコンドーム着用という
馬鹿げたルールから解放されるのだ。
コンドームというものに何の意味があるのか❓
性感染症も避妊もすでに他の対策方法がある…
あんなもの、もはや貧乏人が使うモノなのだ。なぜ最高級ソープであるトロピカルが
そんなモノの着用を義務付けるのか?
「ふむ、さすがに素晴らしい着眼点ですわ
トロピカルに現在在籍する5人プラス、
このニューセレクトの4人なら、政財界の
みなさんも文句はないでしょう」
まぁ本命は天秤宮 麗菜だ
あれが欲しい…
「あなたは獅子宮レオナのなんとかだったわよね?」
「ハイ、リーオー47号ですわ」
「彼女、懐柔できる❓」
「あの方を懐柔なんて…ただ、水穂さんを
高く評価しているようですよ」
「どういうこと❓」
「どうやら、水穂さんの所在を他のリーオーに探らせてました。あたしが今日来てることも
把握しておられると思います」
「なんかキモいわね」
「この親書をお見せしましょう。レオナはんも
トロピカルがこのままでいいとは思ってません」
「この戦い、私が店をクビにされた復讐をしたいという建前で動いていると思っている
吉良さんもそこを利用している…
でもね、戦い終わって浄化作戦した後
私たちの活躍の場がないというのは
困るのよ」
「おっしゃる通りです。あたしも川﨑遊郭を
作る事を最終目標にしてますが、
まず、頭の固い先生方の下半身を緩めていただきたいんですわ。法整備が進みません!」
「夜のオンナたちの生きる場所を作る戦い
聡明なレオナ様ならご理解いただけるかしら」
「そこはあたしに任せてください。
懐柔はできませんが、元来好戦的な方です。
必ず乗りますわ」
「それじゃあ、1発してく?」
「ええですか。グフフ🥴」
続く