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レンカとミズキ
レンカの経営しているアパレルブランドに
ミズキがプロデュースしたデザイン画が届いた
「あのクールなミズキさんにしては
だいぶフェミニンですね」
「形にできそう?」
「少し削れば予算内に収まります」
「わかった。本人との打ち合わせまでに
いくつか案を頼むよ」
「承知しました」
なんとか経営は安定してきている…
しかしこのフェミニンな感じ…
ユウキだろうなぁモデルは…
本来なら最年長のあたしが枕を含め
交渉役に立つべきだった。
しかし大雑把な姉御キャラが
リーダー役というものをめんどくさがり
ユウキに任せていたという役回りになってしまった…
いやそのポジションに完全にあぐらをかいていた。
ナツミからセンターポジションを引き継いだ
段階であたしから持ち掛ければよかった。
せめてリーダー役はあたしがやると…
▲ ▲ ▲ ▲
「ユウキィユウキィ!」
かつてのトップアイドルを真っ裸にして
その身体を隅々まで舐め回す!
「なぁ…AV女優になればよかったじゃん!
なんでソープ嬢なのさ❓」
「ファンの方々とぉもっともっと深く繋がりたくてぇ」
「ウソだね。復讐なんでしょ。他メンバーへのさ…枕を押しつけられて、おいしい思いだけしているメンバーたちに罪悪感を苛ませたくて
こんなことしてんでしょ?」
「違いますよ。みんなのことは陰ながら応援しています」
「うっわ怖いわ…女ってマジ怖‼️」
「ひどいなぁ」
「ああ‼️気持ちいい気持ちいい🥴ユウキが不幸でサイコーだぁ」
「ああん💓私も気持ちいい☺️」
「ユウキィユウキィ‼️」
▲ ▲ ▲ ▲
私たちがまたみんなで笑い合う日ってきますかね。
トウカからのラインを見て、ユウキのことを
少し考える時間を持った。
ソープ嬢は立派な職業だと私は考えている。
芸能活動をする私たちとは距離感ができてしまうし、ユウキは自らの意思で私たちの輪から去った。
彼女の決意を私は尊重したい…
ファンとの握手会で誰よりも時間をかけて
1人1人ノートにまとめている様子を見て、
ファンと握手以上のファンサービスを求めるのは自然な流れだと思う…
私はドライな人間なのだろう。
メンバーを家族のように大事に考えながら
どこか距離感を第一に考えてしまう。
レンカからラインがきた。
「デザインありがと!このフェミニン感
ユウキに向けたもの❓」
私は常々自分というものがわかっていないようだ。
メンバーに指摘されないといつも気づかない。
「そっか。ユウキに着てほしいもの
考えてたんだね私…」
了
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