誇るべき職業
「なんだか、コロナの混乱に乗じて
気に入らないモノを潰そうとしてるように
聞こえますがねぇ」
「いずれ、この産業は消えゆく運命なんです。
レオナさん、あなたは源氏名と言いましたね
なぜ本名を名乗らないのですか?」
「本名ですか?辰巳理央というつまらん名前だからですよ。獅子宮レオナの方が
売れそうでしょう?」
「あなたはそういうお考えなだけでね
多くの女性は身分を隠したいからなんですよ
公にできない仕事なんです」
「そんな仕事いっぱいあるでしょ。
公安警察の方が本名使ったらまずいですし
身分も明かせませんよ。でも必要なのでしょう彼らは」
「ハハハ、あなた方はスパイと同等だと❓」
「似たようなモノじゃないかしら?
ある程度違法性、グレーゾーンに生きる者としてね」
「レオナさん、正当化してはいけません。
彼ら公安も非常事態に備えた存在です。
あなた方は違う。性欲をぶつけるだけの
なんの生産性もない。恥ずべき職業ですよ。
搾取です。今あなたがイスにしている男性方もそういう扱いを受けて性的満足をしているに過ぎません。レオナさん、いえ辰巳理央さん
あなたは搾取されているのです」
「恥ずべき職業ね」
「そうです。ご両親やご友人、将来できるパートナー、そしてお子様に、今あなたがしていること話せますか?」
「私は両親にはもう何年も音信不通で
友人と呼べる者もこの世界の同業者ぐらいね。
パートナーというモノには現在相応しい者が
いないので答えようがないわね。子どもも同じね」
「辰巳さん、悲しくなりませんか。
ご両親に会いたくなりませんか❓」
「悲しいねぇ…そんな感情、もう当の昔に失くしてしまったわね」
「20年もこんな業界にいるからです!
変わりましょう辰巳さん」
「はい…少し自分を見つめ直してみますわ
今日はありがとうございました😊」
うんうんと拍手喝采がおきて、
首謀者のスポンサーらしい政治家が現れて
この討論会は終了となった…
獅子宮に戻ると、先に戻っていた…
「いやぁレオナ様❗️名演技でございました」
リーオー47号は土下座して感謝の気持ちを述べる」
「予定外の乱入者が入って悪かったわね」
牛肉は空気が読めない…
「いやいや、ああいう事態はリアリティがあっていいですわ」
「しかしキミは遊郭を作りたいんでしょ?
あの活動家を支援して何かメリットがあるの?」
「いやいや、ああいう男に一回手綱を渡して
業界をね一回更地にした方が国主導で遊郭を
作りやすくできるんですわ」
「フーン、正直言って、泣き落としを始めてきた辺りで小さいオスだなぁとしか思えなかったけどね」
「レオナ様から見れば小物ですわ…
あたしも含めましてなぁハハハ😆」
47号のこういうおべっかは好きである。
タバコをとると大きな身体を揺らして
火をつける…
「それじゃあ10日間全枠買ってもらうわよ」
「もちろん買わせていただきます。
これで今月は逆転1位ですか?」
「いえ2位ね」
「天秤宮のお嬢さんですか?」
「この情勢下で100枠到達したわ。
あれはバケモノね😈完敗よ…」
煙を吹く…
人間という者は頂点を極めた人間を見るとこう考える…恥ずべき職業だとか誇るべき職業だとか、ガタガタ言っている間はいつまでたっても
2流どまり、所詮、頂点に立てない人間たちの
負け惜しみでしかないということだ。