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不動産投資の「固都税」

必ず必要な費用「固都税」

不動産投資を行う上で、毎年必ず支払う費用があります。それは固定資産税と都市計画税、略して「固都税」です。

その物件が抱える「固都税」がいくらなのか、投資を行う上で大切な指標ともなりますので、必ず物件の購入をする際には「固都税」や「固定資産評価額」を売主さんから教えてもらいましょう。

売主さんから物件の固定資産税納付書や固定資産評価額を頂ければ問題ありませんが、時には個人情報保護の為、売主側から公開されず「固都税」がわからない時もあります。

そんな場合に役立つのが今回のお話です。

土地の固都税

早速ですが、土地の「固都税」の求め方は・・・

・土地固定資産税(敷地面積200㎡までの部分)
「土地固定資産評価額」×「1/6(小規模宅地の特例)×1.4%
※200㎡以上の部分は「土地固定資産評価額」×1.4%

・土地都市計画税(敷地面積200㎡まで部分)
「土地固定資産評価額」×「1/3(小規模宅地の特例)×0.3%
※200㎡以上の部分は「土地固定資産評価額」×0.3%

以上が計算方法になりますが、この際に使用される「土地固定資産評価額」とは一体何でしょうか。

まず初めに下の1~4までの項目をご覧ください。

1.公示価格(3月下旬に国交省が発表)
⇒土地取引の指標になる価格。

2.相続税路線価(7月初旬に国税庁が発表)
⇒相続税、贈与税の課税基準を算出するための価格。

3.固定資産税評価額(各市町村が算出)
⇒固定資産税、都市計画税の課税基準を算出するための価格。

4.時価
⇒実勢価格。需給バランスによって決まる。

土地の価格には以上の4つがあり「一物四価」などと言われますが、「土地固定資産評価額」はNo3にあたります。

但し、この4つの中で基準となる価格は「公示価格」です。

「公示価格」とは、国土交通大臣が公示価格を求める区域を決め、土地鑑定委員会が細かな場所を決定し、2人以上の不動産鑑定士を派遣して調査し、その結果を毎年1回、1月1日の1㎡あたりの「正常価格」として官報で公告されるものをいいます。

そして、土地の取引については公示された価格(公示価格)を指標として努めなければならず、国が土地を収用する場合は公示価格を規準としなければなりません。

分かりやすいように、公示価格を100%とした場合の、他3つの価格との関係性を図にしてみました。

このように表すと必ずしも公示価格と実勢価格は一致しません。公示価格は全国にある「標準地」の価格であり、実際に取引される実勢価格は「売主」と「買主」の「需要」と「供給」で決まるからです。

また、「固定資産税路線価」は3年に1度評価替えされるのに対し、「相続税路線価」は、ほぼ全国の市街地の道路に価格が設定されていて毎年更新される為、この中で基準として使用しやすいのは、「相続税路線価」です。

そして、融資を利用して物件を購入する場合、金融機関はその不動産の価値がどれくらいあるかを試算し、試算方法の一つが「原価法(積算)」です。※詳しい内容はこちら→不動産投資の積算評価

この時、土地の評価額の算定に「相続税路線価」が採用されています。

積算が高い不動産は金融機関の評価も高く、評価が高いということは購入するときに資金を多く借りられる可能も高くなり、次の不動産購入時に融資が引きやすくなります。

例えば、所有している土地の評価額が6,000万円で、その土地を金融機関から5,000万円を借入て購入している場合、評価額6,000万から5,000万円を差し引いた1,000万円がプラスの担保余力となりますので、その余力に担保を付けて更に融資を利用して規模を拡大することができるわけです。

よって、常に気にしなければならないのは「相続税路線価」であり、土地の固都税が分からない場合、以下の方法で計算するのがオススメです。

=「相続税路線価」×「敷地面積」×「90%」

そして求めた価格に対して1.4%と0.3%をかけて固都税を求めます。

建物の固都税
建物の固都税の求め方は・・・
「建物固定資産評価額」×1.4%

建物の都市計画税の求め方は・・・
「建物固定資産評価額」×0.3%

となります。

ここで少し話を脱線しますが、「不動産投資」で建物評価額(積算)を求める方法は以下の通りでした。

・「再調達価格」×「延床面積」×(残耐用年数÷法定耐用年数)
※こちらの詳しい内容も→不動産投資の積算評価 をご覧ください。

そして、「建物固定資産評価額」の概算を求める場合にも、この計算方法を活用しますが、「再調達価格」ではなく、「新築建物課税標準価格認定基準」を活用します。

→「新築建物課税標準価格認定基準」×「延床面積」×(残耐用年数÷法定耐用年数)

この「新築建物課税標準価格認定基準」は都道府県によってことなり、地方法務局のホームページで閲覧が可能ですが、今回、東京都の価格表を下記に添付させて頂きました。

この表に定められている数字が不動産投資で建物評価額を求める際に必要な「再調達価格」にあたります。

よって、もし築10年のアパート(共同住宅)で延床面積100㎡であれば・・・

「新築建物課税標準価格11万円」×100㎡×(12年÷22年)=600万円

となり、600万円に対して1.4%と0.3%をかけて固都税を求めることが可能となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は固都税の求め方についてお話させて頂きましたが、あくまでも概算になりますので、冒頭でお伝えさせて頂いたように、なるべく売主側から固定資産税、もしくは固定資産評価額を教えてもらいましょう。

また、土地と建物の固定資産評価額は移転登記をする場合の「登録免許税」を求める時や「不動産取得税」を求める際にも使用しますので、今回の内容を覚えておくと便利です。是非ご活用ください。


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