有事の際の「現物資産」
ウッドショック
皆さんはご存知でしょうか。コロナ禍の影響で、自宅で過ごす時間が多くなり、居心地良く過ごす為にも家を「リフォーム・リノベーション・増築」または「家を建替える」そして「家を新築する」人が世界中に溢れた結果「ウッドショック」という現象が起き、建築材料費・キッチン・ユニットバス・トイレ等といったコストが上昇し、さらには建築現場に物が届かない、という物不足が発生し、建築業界に混乱の嵐が吹きました。
そして、ウッドショックが冷めやらぬ中、今度はロシアとウクライナの戦争の影響で木材が日本に輸入されない、という状況が起きており建築費用が高騰しています。
読売新聞より➡
マイホーム「予算増か部屋数減か」木材高騰で建築ピンチ…合板は7割高・夏に在庫切れも : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)
インフレの時代に突入
この戦争の影響は建築業界だけではなく、物資の輸入をエネルギー大国ロシアに頼っていた日本では、物価上昇をも引き起こし徐々に「インフレ」の時代に突入し始めました。
「インフレ」とは「物価が継続的に上昇すること」ですが、インフレによって懸念されることがお金の「価値」の減少です。
例えば、3個600円のトマトがあったとします。
このトマトがインフレによって価格が上昇し、3個1,200円となってしまいました。
これは何を意味していますでしょうか?
今まで600円で購入できたトマトの価格が2倍になり、1,200円ではないと購入できなくなった、つまり財布に入っていた600円の価値が0になってしまった、ということです。
このように、インフレによる物価上昇は手元の現金価値が減少するという厄介な現象が起き、インフレが始まったばかりの頃はこの現金価値減少に誰も気付きません。
なぜなら、日本は「お金」に対する教育が不十分な先進国だからです。
むしろ「最近物価が上がったけど、コロナで旅行も外食も控えていたし、貯蓄が増えたから安心」と、安心感に浸っている方は多いのではないでしょうか。
そんな安心感に浸っている場合ではありません。毎月の努力で貯めた現金の価値が目減りしてしまうのです。
ではどのような対策を施せばいいのでしょうか。
インフレのリスクヘッジ
以前は、諸外国で戦争が起きれば「有事の際の金」というフレーズが溢れていました。
経済が混乱すればする程、現物資産である金の価格は上昇していたので「金(ゴールド)」を購入して落ち着いた頃に売れば現金が増えて返ってくる、つまり現金の価値が下がらないようにしたのです。
しかし、有事の際の現物資産は必ずしも金だけではありません。
現物資産の一つとして考えられるのが「不動産」です。
「不動産」がなぜインフレに強いのでしょうか。
例えば、融資を利用すると仮定し、現金100万円で1,000万円の不動産を購入しました。
この時の借入れは900万円だったとします。
そして、購入後にインフレの影響で物件価格が上昇したとしましょう。
もし、1,000万円で購入した不動産が1,100万円まで上昇すればインフレ率は10%です。
更に、1年後にその不動産を売却したとしましょう。
毎月借入金額を支払っていますから、仮に残債が950万円であれば・・・
・1,100万円-950万円=150万円
の利益が残ります。
インフレが訪れることを予想し、予め現金100万円を不動産化したことによって、現金の価値が減少しなくてすむのです。
インフレによる不動産投資のメリット
インフレの影響で不動産価格上昇すれば、有効なリスクヘッジになる可能性は分かりましたが、もしこの不動産が「アパート・マンション」といった不動産投資であればどうでしょうか。
売却利益だけではなく家賃収入も入ってきます。
更に、インフレでの物価上昇は「家賃」が上昇する可能性も含みますので、不動産投資はインフレに「相性がいい」のです。
もし、現金100万円を銀行に貯金したままであればどうしょう?
100万円はそのまま銀行に貯金してありますが、インフレ率が10%であれば現金の価値が90万円に下がってしまう、ということになりかねません。
資産価値の高い不動産を所有すれれば「インフレ」に対するリスクヘッジとなり、特に「不動産投資(収益不動産)」であれば様々なメリットがあるのです。
インフレによる不動産投資のデメリット
では、不動産投資はメリットしかないのでしょうか。
いいえ、決してそのようなことはありません。
このように、インフレのリスクヘッジで不動産投資を始める人が多くなれば、融資を利用する人も多くなりますから、需要と供給のバランスで「金利」が高くなるというデメリットがあります。
既にアメリカの金利上昇の影響で、住宅ローンの金利が徐々に上がってきていますが、収益不動産購入後に金利が思っていた以上に上昇すれば、その影響で家賃収入はマイナス、売却利益もマイナス、になる可能性は高くなり、もしそうなれば何の為のリスクヘッジであったか分かりません。
まとめ
今は、サラリーマンでも気軽に不動産投資を始められる時代になりましたが、何も知らずに不動産投資を始めるのは危険です。
資産価値の高い現物資産へシフトできるよう、信頼できる相談先を見つけ、有効な手段になるような不動産投資を行いましょう。