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中学受験 ことばのきまり 第一回 文節



先 生:はい、始めるよ。これから文のきまりを習っていくからね。
初めて習った文のきまりは、何か覚えてる?
四年生で習ったことがあるよ。

生沼くん:記憶の底に大事にしまっています。

天野くん:取り出し不可能だろ。

先 生:良い出だしだね。覚えてたら授業がやりにくい。
   それは「文節」だけど、ちょっと練習しておこうか。
   配ったプリントを見て、線を引いて区切ってごらん。


①「これから文のきまりを復習していきます。」


引き終わった人は手を挙げて。手を挙げないと遅い人に答えてもらうよ。

サッと挙げたのは久保くんです。
あせる生沼、天野くん。
田島さん、柳下さん、谷口さんたちも手を挙げました。


先 生:では、久保くん、答えて。

久保くん:え、ぼくですか。
「これから/文の/きまりを/復習して/いきます。」


先 生:よくできました。「復習していきます」を二分節にできたのは上出来でした。
次です。
②「明日は雨が降るそうだ。」
③「天気予報によると雪になるらしい。」


生沼くん:先生、ぼくやります。いいですか?
「明日は/雨が/降る/そうだ。」

天野くん:次、ぼくでお願いします。
「天気予報に/よると/雪に/なる/らしい。」


先 生:みんな、生沼くんと天野くんの答えはどう?

生沼・天野:間違ってるの?

先 生:答えの違う人が何人かいるね。
谷口さんはどう解いた?

谷口さん:最後の「降るそうだ」は区切らないと思います。

生沼くん:なんで?
「そうだ、あしたは塾がある日だ」っていうときの「そうだ」はどう違うの。

先 生:生沼くんの「そうだ」は、気がついたり思い出したりしたときに使う言葉だね。
じつは、品詞が違うんだ。
「降るそうだ」は「動詞の降る」に連なる助動詞の「そうだ」なんだね。

生沼くん:名詞とか動詞とかってやつ?

先 生:そのとおり。助動詞は文節にならない。
「〜そうだ・〜ようだ・〜らしい」は、文節にしない。
という決まりなんだ。
「雪になるらしい」も「雪に/なるらしい」とするんだ。
特に間違えやすいのが、この「らしい」だね。

次の例文にいくよ。
④「十二月二十五日、この日はキリストの生まれた日だといわれている。」
⑤「十二月二十五日、この日はキリストの生まれた日だといわれていますが、皆さんはどう過ごしましたか?」


先 生:だれかやってみたい人は?

生沼くん:先生、女子にあてよう。

先 生:当たってない人は柳下さんと田島さんだね。ではどうぞ。

柳下さん:はい。
「十二月/二十五日、/この/日は/キリストの/生まれた/日だと/いわれている。」

先 生:各自自分のと比べてみよう。
同じでない人は?

天野くん:ぼくは、「この日」は区切らなかった。

先 生:残念。「この、その、あの、どの」は文節に区切るんだ。

天野くん:こそあど言葉は文節に区切るんだ。

先 生:他にはどうかな。

久保くん:「復習していきます」と「いわれている」がよく似ていると思います。

生沼くん:どこが?

久保くん:「復習する」+「て」+「いきます」
「いわれる」+「て」+「いる」

先 生:久保くんはちゃんと身についてるね。
この「いきます」と「いる」は、それぞれ「復習して」「いわれて」に意味を添える「補助文節」というんだ。中学受験では一部の学校で出されるだけだね。
例をあげておくね。
「置いておく」「遊んでいる」「わかっている」「飛んできた」

さて、最後は田島さんだね。

田島さん:「十二月/二十五日、/この/日は/キリストの/生まれた/日だと/いわれて/いますが、/皆さんは/どう/過ごしましたか?」
先生、「こう、そう、ああ、どう」もこそあど言葉ですよね。

先 生:そのとおり。他にも有るね。

生沼くん:「これ、それ、あれ、どれ」だ!

次回は、文の成分の予定です。

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