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雨という名前

初めてミャンマーへ行った時、ホストシスターから「ミャンマーネーム」をもらった。アルファベットで書くと Moe Moe、雨という意味だと教えてもらった。モモと呼んでね、と言えば、ミャンマーの人はすぐ覚えてくれてとても嬉しかったけれど、なぜ雨という意味の名前を彼女が付けてくれたのか、その時は深く考えていなかった。

気学を学んで、私は水の性質を持つ人間なのだと知った。それから数年後にふと、私が水星だから雨だったのかな、と思った。ホストシスターは私の星なんて知らないうちから、雨だと言っていたのか。何だか不思議な縁だなぁと思っていた。

今、これからの事業についての理念作りをしている。浮かんできたイメージを文字にしてまとめる作業は思いの外時間がかかるのだと知った。ぼんやりとした世界観の輪郭をくっきりさせるような作業で、頭を使った瞬間イメージが消えていってしまう。現れては消えるイメージと共にこの「雨」という言葉が頭を離れない。雨って何なんだろうと改めて考えた。

地球は水の惑星である。しかし、生き物が飲めるのはほんのわずかで、水分のほとんどは海水(塩水)である。技術が進んで海水を真水にすることもできるようにはなったけれど、簡単ではない。そんな中で難しい技術なしに飲めるのは、やはり雨水なのだ。つまり、雨が降るということは、私たちが生きていくうえで必要不可欠な出来事なのである。

しかし、生活を送る中で、雨の日は気分が落ち込むこともあるし、今のような世の中の停滞した状況を「雨模様」と私たちは呼んだりしている。一見ネガティブな表現に感じるけれど、少し立ち止まったり、考えたりするための状態だと捉えるならば、必ずしもネガティブとは言えないと思う。人も世界も、全速力でずっと走り続けることはできない。休むことの大切さが、雨という要素にはあるのかも知れないと私は考えている。

私自身のこれから取り組む様々なことが、雨のように多くの人の心を潤すものでありますように。



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