恨みのような記述②
今日は隣の隣の駅の近くのカフェに来ています。日差しが強く感じられ、ようやくダウンジャケットが不要となりました。日に日に暖かさを感じると、気持ちも上がっていく気がします。
昨日会社の総務から携帯に電話があったのに出られませんでした。休職中普段は会社のことを忘れるため、会社支給の携帯は持たないようにしていたのです。着信が残っているのを表す画面を見たとき、ギクッとしました。まだちょっと恐怖心はあるようです。
前回の話の続きを進めます。
前回はベテラン女性社員が粗大ごみのように追い出されたというところでした。その後、数ヶ月してまた退職者が出ます。
その退職者とは、僕が異動する前にいた元部署の男性社員で、彼が中途入社したときから僕が上司として大事に育てていた部下の一人でした。仮にK君とします。
彼の直属の上司から僕にすぐに連絡が入ってきました。
「Kが辞めると言ってきたぞ」
僕は(まさか...!)と思いました。K君は責任感が強く、そして辛い面を表に出さない人だったのですが、僕が異動したあと一応心配はしていたのですが、彼は明るく「大変ですけど、やるしかないっすね」と言っていました。しかし、僕は彼から来るメールの送信時間がどんどん遅くなっているのに気づいてはいました。(大丈夫かなあ)と心配しつつ、(まあ、根性あるしな)と陰ながら応援はしていました。
さて、僕の前の部署ではもう一人部下がいました。年齢はK君とほぼ同じで、仮にN君とします。N君は態度や心理状態をかなり表に出すタイプで、僕には「もう、ダメですよ。もうこんなのムチャクチャですよ」と嘆いたり、よくため息ついたりしていました。僕はN君のほうが(もうもたないかな)と心配していました。
このK君とN君を比べると、明らかにN君のほうが先に辞めそうな気がしますよね。でも実際に辞めたのはK君でした。ちなみにN君は今も在籍しています。
この二人の違いは何だったのでしょうか。
実は心配すべきはK君だったのです。彼は仕事も真面目で丁寧でした。僕が異動した後にその部署の上司となった人からも評価は高く、いずれその部署を背負って立つのではないかと思われていました。
逆にN君はミスが多く、周囲の評価はK君より低いものでした。社歴はK君より長く、これまでもいろいろなトラブルを抱え込んでは周囲に助けてもらっていました。でも周りに常にヘルプを出しているから周囲が何となく助けていたのです。
その時の僕は全く気づきませんでした。K君がそこまで追い込まれていたのに。
そして僕はまた会社を、そしてその役員を恨み、怒りが沸いてきました。
何てことしてくれたんだ!
辞めるべきでない人を辞めさせた責任を取れ!
その後K君は逃げるようにして、辞めていきました。僕は自分の異動のせいだと半ば自分の責任であるかのように感じ、彼の出社最終日も気の利いたことも言えずにお別れをしてしまいました。
K君が辞めた穴は当然埋まりません。そしてまた、僕にK君の仕事を兼任するよう役員から指示が来ました。
「まだ覚えているだろ?アイツの仕事。できるだろ?」
腹わたが煮えくり返りました。ただサラリーマンは逆らえません。
「分かりました。できるだけやります」
ベテラン女性社員の退社、K君の退社によりたった数ヶ月で僕は通常の仕事に増して、彼らの仕事を兼任するという超多忙な状態となってしまいました。
僕は元々責任感の強い人間だと思っていますが、さらに彼らの無念を考えると彼らの仕事に一切手を抜くことはできないと感じてしまい、全てに全力投球してしまいました。これでは肩を壊しますよね。
とうとう今に至るということです。自分の限界を超えてしまったのです。
そして会社、その役員に対する恨みだけが残りました。だから当初会社を辞めるということしか思いつかなかったのです。
最後のまとめはこのつづきで