[豆知識]バンドネオン Bandoneon
バンドネオンは蛇腹楽器で、見た目はアコーディオンに似ています。
アコーディオンは蛇腹の押し引きを左手で行い右手で鍵盤を弾きますが、バンドネオンは左右の両手の力で蛇腹の押し引きを行います。そのため楽器のサイズの割りに大音量を出すことが可能で、鋭い明快なスタッカートなど音のメリハリもつけやすいようです。またバンドネオンはアコーディオンとは違い、ボタン式の鍵盤が蛇腹の左右両方についています。
現在、バンドネオンはアルゼンチンタンゴの楽器というイメージが強いですが、この楽器はドイツの楽器です。アルゼンチンへ持ち込まれた経緯や時期については様々な説があり明確ではないようですが、大まかな説明としては、1890年頃、ヨーロッパからの移民や船員によってアルゼンチンに持ち込まれ、1900年ごろからタンゴの楽器として使われ始め、1910年ごろにはタンゴに欠かせない楽器になっていた、ということです。
バンドネオンの使用により、「タンゴ」の音楽の性質は大きく変化しました。
最初の頃のタンゴは、ギター・フルート・ヴァイオリンという編成であり、その頃は、人々がひたすら歌い踊り、生活の憂さを忘れようとするものでした。
バンドネオンの入ってからのタンゴは、人生や恋の苦しみを吐露して、悲しみをつのらせたり、慰めを求めるものになりました。バンドネオンのせつない音色は心の痛みを表現するのにうってつけであったようです。
こんな音色です。
バンドネオン奏者 アストル・ピアソラはご存知の方も多いかと思います。
日本にいた頃、普通のCD屋さんでアルゼンチンタンゴを探したら、アストル・ピアソラしかなかったように思います。
[著名なバンドネオン奏者]
ビセンテ・グレコ(1888-1924)
アウグスト・ベルト(1889-1953)
エドゥアルド・アロラス(1892-1924)
アンセルモ・アイエタ(1896-1964)
オスヴァルド・フレセド(1897-1984)
ペドロ・マフィア(1899–1967)
ペドロ・ローレンツ(1902–1972)
リカルド・マレルバ(1905-1974)
ミゲル・カロ(1907-1972)
アニバル・トロイロ(1914–1975)
エクトル・バレラ(1914-1987)
フアン・カンバレリ(1916-1992)
ドミンゴ・フェデリコ(1916-2000)
アルベルト・カラッチョロ(1918-1994)
エンリケ・アレッシオ(1918-2000)
アストル・ピアソラ(1921–1992)
レオポルド・フェデリコ(1927-2014)
フアン・ホセ・モサリーニ(1943-2022)
ルベン・フアレス(1947-2010)
こんな面白いのを見つけてしまいました!😊