怪我3 馬鹿の呼吸
みなさんこんばんは。昂平です。
今回は前回の続きから怪我について書いていきます^ ^
前回の記事はこちら
https://note.com/jokerxxx/n/n9fc019046501
大怪我
私は24歳の時に日本のバレエ団を退団し、国から飛び出して
海外オーディションに挑みました。
リュックを背負い、世界中の100を超える劇場、バレエ団にメールを送りました。
なかにはプライベート・オーディションをしてくれる所もあった為、スケジュールの折り合いを付けながら長期間ヨーロッパに滞在していました。
まさに今日どこの国に行くのか、どこに泊まるのか分からないという全くの流れ者状態。
それでも仕事を勝ち取るまでは日本に帰らないと決めていました。
これがいかにぶっ飛んだ行動だったのか…これについてはまた別記事で書きますね😊
今思えばあのバックパッカーの様な状態が私に背水の陣の危機感を与え、チャンスを掴む結果につながったと思います。
そしてそれは1月の末の事でした。あの時期はドイツのミュンヘンにあるバレエスタジオがレッスンをさせてくれて居て、そこに1週間ほど拠点を置きながらオーディション活動を続けていました。
当時の私は兎に角ウチモモを使って踊る事に重きを置いていました。
以前にも書きましたが、自分の身体の弱点や見え方、使い方的に、ウチモモを上手く使いながら踊ることこそ、上達に繋がると考えていたからです。
(それは今も変わりません)
私はそうと決まればやりまくるタイプなので毎日トレーニングを欠かさずしていましたが…
メンテナンスが追いつかなかったのか…
初めての連日氷点下の気候が影響したのか…
ドイツのバレエ団のオーディション中、第1ラウンドの後、第2ラウンドのバリエーション試験に向けてウチモモのトレーニングをしていたら…
「プチン」
と小さな音が左ウチモモから聞こえました。
(内転筋、靭帯損傷)
その時は痛みが走り違和感を感じた程度でしたが、日に日にウチモモの痛みは強くなり3日後には痛みで
基本ポジションの1番すら出来ない状態になってしまいました。
ドイツでは治療院も回りましたが、精密検査などは出来ず、マッサージ程度で全く良くならず…
痛みに耐えながらなんとか出来る動きを続けていました。
しかしウチモモを使う事こそキーポイントだと思っていた私にとって全く左ウチモモが使えなくなった状態の精神的不安はとても大きく、どうしても幹部を強くマッサージしてしまったり痛み止めを大量服用して踊り続けてしまったりで自滅の刃していきました🙁
(舞柱・馬鹿の呼吸・内腿一閃)
その状態で騙し騙し、痛み止めや根性でなんとかオーディションもひと段落し、契約も何個か頂けたので
日本に帰ってきました。
そこで身体が安心したのか、症状は更に悪化していきます。
まさかの超悪化
左の内転筋が機能せず、骨盤のバランスが崩れたことにより下半身と上半身を繋ぐ腸腰筋に過度な負担がかかります。
右の内転筋もバランスを崩します。崩れたバランス、内転筋群をカバーする為に臀筋や腹筋にもおかしな力がかかります。これは踊っていなくてもです。
靴下を履く時、歩く時、立っているだけでも私の身体はダメージを受け続けていたのです。
その結果私は
くしゃみ1つで腹筋と内転筋群、そして鼠蹊部(そけいぶ)に激痛が走り、
寝返りをうてば痛みで目が覚め、足が動かせない為
んんあぁ!!
と叫び声を上げないと
パンツすら1人では履けない状態。
びっこを引いてノロノロ歩くのがやっとという悪夢のような身体の状態になってしまいました😞😞😞
私は股関節のバランスが崩れる事で少しでも身体が動けば鼠蹊部に激痛が走る
グロインペイン
を患ってしまったのです。
これはサッカーのジダンや中田英寿、最近ですと長谷部誠や中村俊輔なども苦しんだ怪我で、引退の理由とも言われています。
瞬間的に怪我をしてそこが壊れるという分かりやすい怪我ではない為、診断も難しく、私自身も日に日に動けなくなっていく
あまりにも怖い感覚に正直押し潰されそうでした。
もしかして呪われているのかも?
一生歩けないかも?
と本気で思っていました。
日本では暫く動かずに休みましたが全く改善せず、治療院も20件近く回りました。
その間様々な人が色々な情報をくれて、沢山の治療家さんと出会いました。
中には鼠蹊部、腹部に直接長い針をぶっ刺して電流を流す様な、評判は良いがどう考えても恐ろしい治療家もいました。
(調べると鼠蹊部に針を刺すことも電流を流す事も生殖機能に異常をきたす恐れがある為推奨されていない。しかし私も藁にもすがる思いで試してしまった。)
そんな中、やはり手術の話が上がりました。しかし難しい手術になる為、
完治は保証できない事、
そして9月にロシアの現在の劇場にて働く事が決まっていた事、
それまでの5ヶ月あまり、日本でバレエのお仕事のオファーを頂いていた事もあり、手術はしない方針でした。
せっかく。せっかく!せっかく夢が叶うって時になんでこんな事に!!
そんな気持ちでしたが、9月までになんとかしなくてはと思いながらも日本の仕事のリハーサルに行き始めました。
リハーサルに行っても自分の踊りはパス…
「すみません、怪我をしているので今日は自分のソロは控えます。」
その言葉を聞いたら普通は
「あら、大変ですね。お大事に。」
が通常でしょう。
しかし。その時お仕事させていただいていた、金町の梨木バレエの梨木先生は違いました。
「どこが痛いの?私凄くいい先生を知っているからいきましょう!」
そう言って早めにリハーサルを切り上げて私を車に乗せて金町にある治療院に連れて行ってくれました。
もう既に夜は10時くらいでしたがまだ営業していて見てくれました。
ただ私はこれまでも沢山治療院にお世話になっていた為、正直期待はしていませんでした…😅
しかし僅か1時間でひっくり返ります。
軽い問診をして、後は施術しながら原因を探していくスタイル。
全くアプローチされなかった場所、方法。
そうして1時間治療を受け立ち上がった瞬間思いました。
「?今、痛みが殆どなくベットから降りれた」
明らかに身体の痛みが減っている。
明らかに!!
何ヶ月も苦しみ、何十箇所も試し、全く良くならないどころか少し動けば悪化する。生活が出来ない。
まるで暗闇の箱にぶち込まれていた様な状態の私でしたがこの治療家
宮本和之先生
が箱を開けて
「コウヘイ君、もう大丈夫だよ」
と言ってくれた。
そんな感覚でした。
金町のこの次元の違う治療家。
聞けばなんと高校が一緒で、熱量や考え方が凄く共感できるし、先生の部活の顧問がなんと私の担任。
運命とは不思議なものですね。
先生に
「こんなに厄介な肉質は初めてだ!」
と言われながらも(笑)通う事5、6回。
グロインペイン完治。
なんてこった!!
本当に宮本先生と梨木先生には一生頭が上がりません🥲
ありがとうございます(^-^)
たなごころ治療院↓
https://www.tanagokoro-chiryouin.jp
かくして遂に身体の痛みが取れて無事にロシアに渡りました🪆
ロシアでも環境の圧倒的変化に足首が痛くなったり、膝が痛んだりはありましたが3年は大きな怪我なく終えました。
しかし2019年4月。
怪我マスターにまたしても大怪我が襲いかかります。
この話はまた次回!!
今回も痛い話に(イタイ)最後までお付き合い頂きありがとうございました!
どうか皆さん怪我には気をつけて…🙇♂️
それではまた!
さようなら!