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「目が覚めたら乃木坂4期生の○○でした」 第2話

××は目を覚ますと知らない部屋にいて、自分の姿が女に変わっていた。

鏡に映った自分の姿を見つめる××。

先ほど自分が扉を開けて入ったのは洗面所だった。

××「何これ…!?」

声が高い。

独り言が出た後思わず喉元を押さえる。

喉仏がない。

××は鏡の中の自分を見ながらゆっくりと自分の体をまさぐっていく。

女のシンボルがある。男のシンボルがない。

間違いなく、女。

部屋の探索に夢中で気づかなかったが、服装も女物のパジャマだ。

××「嘘だろ…。」

ここがどこかもわからないのに自分の体にまで異変が発生してしまい、××はパニックになっていた。

××(そうだ、スマホ!)

先ほど自分をアラームで叩き起こした誰かの、いや、恐らく自分のスマホ。

寝室に戻りスマホを手に取り、リビングに行きテレビをつける。

情報収集のためである。

スマホを起動しようとした時、今しがたつけたテレビからニュースが聞こえてきた。

アナウンサー「先日、アイドルグループ乃木坂46に新たに4期生『12名』の配属が発表されました。」

××「ん…?」

テレビには4期生の解禁時の映像が一人ずつ切り替わりながら流れている。

そこに一瞬自分が映った。

いや、正確には今自分がなっているこの少女の顔が映った。

他の4期生と同じ制服をまとい、同じ背景で撮影された映像。

××(どういうことだ…?今は2022年だろう?4期生の解禁なんて4年近く前…。)

スマホの画面を見ると、

「2018/11/18」

××(4年前の日付…!?)

一瞬困惑したが、少しだけ状況が飲み込めた。

恐らくこの少女(自分)は、乃木坂4期生なのだ。

自分の知らない4期生。

自分は4年前の時間にタイムスリップし、そして自分の知る時間軸にはいなかった幻の4期生になって存在している。

自分が就活から逃れたい、乃木坂になりたいと望んだからだろうか?

だとして何故こんな事態に?

わからない。

いや、考えてもこの疑問の結論が出ないことはわかる。

××は次にスマホを起動する。

幸いロックはかかっていなかった。

画面を見た時まず最初に

『今日のスケジュール』

という項目が目に入った。そこには、

『8:30 事務所・レッスン』

とある。

事務所というのは恐らく乃木坂の事務所だ。

今日この少女は、いや自分は乃木坂のレッスンに行くことになっている。

時刻を見てみると

『7:10』

次にマップで乃木坂の事務所の場所を検索する。

『徒歩40分』

××「あと40分、いや余裕を持つと30分以内に家を出ないと間に合わない…。」

ふと辺りをみると、リビングにあるハンガーラックにリュックがかかっている。

中には、ジャージと軽めのトレーナー。

写真の中の自分が着ていた物だ。

他にもハンカチやメイク道具、その他小道具などがしっかり準備されている。

どうやらかなり準備がいい少女のようだ。

《30分後》
玄関の扉を開けて外に出る。

××(こんな格好で大丈夫、だよな…?)

スマホでナビを見ながら事務所へ向かう。

××(あれ、さっきの角を曲がるのか…。)

××(ん、ナビの方角が狂い出したぞ…。)

《8:25》
なんやかんやでかなりギリギリに着いてしまった。

ナビの提示した徒歩のスピードと、ナビを見て探り探り歩く自分のスピードが同じではないことを知る。

××(着いた…。)

そこであることに気がつく。

××(レッスン所って、どこだ…?)

目の前にあるのは複数階層のビルで、幅も広い。

恐らく部屋数も多いだろう。

受付でレッスン所がどこか聞くしかないか…。

その時。

??「あれは…。○ちゃん?」

××「……。」

??「おーい、○ちゃん!」

××「……。」

??「○ちゃんってば!!」

突如肩を叩かれギョッとする。

××「うわぁっ!?」

××(え、この人って…。)

第2話 終 つづく

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次回から少しずつ乃木坂メンバーが登場し始めます。お楽しみに。

ちなみに、
一人の時は今回までのように心の声やナレーション多めです。

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