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「星は微かに光り」 第15話

バイオレットグランプリの大波乱を終え、日常に戻った〇〇達。
新たな友、池田瑛紗と昼食を共にした帰りだった。



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〇〇達が中庭を歩いていると、ジャラン…という音が鳴る。

〇〇達が目をやると、そこにはなにやら人だかり。

何やら路上ライブをやっているようだった。

ギターを持った女子の横の看板には「奥田いろは」と書いてあった。

いろは「皆さんありがとうございます!さて、次が最後の曲になります。聞いてください、『時の轍』。」

○○「へぇ~、学園内で路上ライブか。面白いな。」

和「だね、しかもあの子、どうやら一年生みたい。ちょっと聞いていこうか。」

○○たちは、まだ昼休みの時間があったこともあり、その路上ライブを聞いていくことに。

ジャラン…♪

いろは「ありがとうございました~!」

パチパチパチパチ…。

その言葉を最後に集まっていた生徒たちは解散した。

○○たちも去ろうとすると。

いろは「あ!あのすいませーん!」

○○「?」

いろは「冨里○○君と井上和ちゃんですよね!」

○○「あーはい、そうですけど…。」

いろは「バイオレットグランプリとクレシマとの戦い、見てました!私、奥田いろはって言います!気軽にいろはって呼んでね!一年生です!よろしく!」

○○「よろしく、奥田さん。」

いろは「いーろーはー!」

○○「よろしく、いろは…!」

いろは「ふふん、よろしく!○○君!」

和「私たち、決勝戦行ったから結構有名人なのかもね…。」

○○「うん…。」

咲月「あれ?てかいろはちゃんって同じクラスじゃない?」

いろは「お!よくわかったね!そうそう、外部進学だから知ってる人がいなくてさ。」

和「え!クラスメイトなのに気づけなくてごめん!」

○○「俺も気づかなかった…ゴメン。」

いろは「あはは!まだ学校始まったばっかだし仕方ないよ~!みんなこれからよろしく!」

○○「うん、よろしく!」

いろは「えっと、あなたとあなたは同じクラスではないよね?」

そういって桜と瑛紗の方を見る。

○○「私は川﨑桜です、○○とは幼馴染で。」

いろは「あー!うちの学年の四天王の!あなたが!」

瑛紗「池田瑛紗です…。○○君たちとはさっき友達になったばっかりですけど…。」

いろは「シャイな子なんだね~、でもすっごいカワイイ!よろしくね!」

瑛紗「かわいい…えへへ…。よろしく…。」

○○「うれしそうだね、池田さん。」

いろは「ところでさ、○○君はだいぶたくさんの女の子を連れてるけど、この中の誰かと付き合ってるの?」

○○「へっ!?」

「「!?」」

その場の空気が凍り付く。

いろは「あれ?いろぱ、もしかして聞いちゃいけないこと聞いちゃった?」

○○「いやいや全然!誰とも付き合ってないから!みんな俺の友達!」

いろは「へぇ~。」

桜「…。」

咲月「友達…。」

和「……💦」

いろは(君以外はそうは思ってないっぽいけど…。笑)

いろは「そうなんだ!じゃあいろぱが狙っちゃおうかな~!」

「「ダメ!!」」

三人が一斉に叫ぶ。

いろは「あっはっは!冗談!誰かさんたちの邪魔したくないしね!」

咲月「!」

桜「バレてる…。」

和「わ、私はべつに…モゴモゴ。」

〇〇は何のことやらちんぷんかんぷんである。

いろは「あ!そろそろ授業始まっちゃう!じゃあこれからよろしくね、みんな~!」

和「え!私たちも早くしなきゃ!」

咲月「いっそげ~!!」

○○たちは一斉に走り出す。


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そして、あっという間に下校時刻。

○○、桜、咲月、和、いろは、そして奈央と下校していた。

いろは「へ~!○○君の妹さん!?カワイイ~!」

奈央「冨里奈央です。お兄ちゃんがお世話になってます。」

いろは「いえいえ〜!!」

奈央「にしてもお兄ちゃんにこんなに友達ができるなんて…しかもみんな女の子!やるじゃん!」

○○「いや、みんな女子なのは偶然だけど…。奈央は友達できたか?」

奈央「うん!小川彩ちゃんっていうんだけどね!すっごくかわいくていい子なの!」

○○「そうか!よかったな~!」

いろは「なるほど、○○君は妹が大好きなんだね~。」

○○「あぁ、大切な家族だからね!」

と、その時。

咲月「ねぇ、あそこで絡まれてる子、うちの制服じゃない?」

咲月がある方向を指さし、一同がその方向を見ると、バイオレット学園の制服を着た女子生徒が何やら数人の男に絡まれていた。

??「やめてください…。」

男「おいおい、そんな態度取っていいのかよ?」

男2「俺達には逆らわない方がいいぜ?」

男3「いいからこれから遊ぼうぜ?いいとこのお嬢ちゃん。」

??「だれか…助けて…。」


○○「おい。」


男「あ?」

和「その子嫌がってるでしょ!その子から離れなさい!」

男2「誰だお前ら!」

○○「その子の仲間だ!」

??「え…?」

男3「へぇ、俺らと争おうっていうのか?いい度胸だな!」

○○「そっちこそ、この人数差で俺らとやり合うつもりか?チンピラが。」

和「私たち全員、十分強いよ?」

その言葉で○○たち全員が魔力を全身にまとい臨戦態勢になる。

学年トップクラスの和、桜、○○と、咲月、いろは、奈央の合わさった強大な魔力。

男「うるせぇ!《炎魔法》!!」


男は巨大な火の球を〇〇達に投げつける。

〇〇「《武装・蒼杖》!」

〇〇は青い鎧と棒状の武器を装備する。

〇〇「《蒼杖槍波》!!」

〇〇が棒の武器を横薙ぎにすると、そこから発生した波のような水が男の炎を全て消し去った。

男「この俺の…炎が…!」

男2「俺がやる!《氷魔法》!」

男2は氷のつぶてを浴びせてくる。

和「《フレアカーテン》!」

和は炎の膜でそれらを全て消失させた。

男2「何!?」

和「久保さんの氷に比べたらこんなもの、弱すぎる。」

男3「今度は俺が!《土魔法》!」

男3が巨大な岩を数個発生させ投げつけてくる。

いろは「ここは私が!」

いろはが飛び出す。

〇〇「えっ!?」

咲月「いろはちゃん!?」

いろは「《ビートアックス》!!」

いろはが持っていたギターが変形し、斧とギターを合わせたような形状に変化する。🪓🎸

そしてその武器で岩を次々砕いていく。

男3「俺の岩魔法が!?」

いろは「勝利のメロディー、いっくよ〜!」

いろはがギターをジャジャジャン!と鳴らす。

いろは「《ロックサンダー》!!」

いろはが宣言すると、音波の波が突如電気を帯び、男達を襲う。

男達「「うわぁぁぁぁーー!!」」

〇〇「すっげ…。」

いろは「私の魔法は《音》!勝利を呼び込む祝福の音色!」

桜「いろはちゃん、強い…。」

いろは「ふふん、これでも四天王の次、5番目に強いらしいからね!」

咲月「え、そんなに強いの!?」

男達は蹲っている。

男「ぐっ…うぅ…。」

そこに和が炎でできた剣を突きつける。

和「まだやる?」

男「ひっ…。おいお前ら、ずらかるぞ!」

男2「お前ら覚えてろよ!」

男3「俺らを敵に回すなんて、【セブンス・シン】が黙ってねぇからな!」

そう捨て台詞を残して去っていった。

去り際、その服の背中に『七罪』と書かれていたのが印象的だった。

男たちが去ると、○○たちは絡まれていた女子生徒に駆け寄る。

桜「大丈夫だった?」

??「はい…。」

和「無事でよかった。あいつらが戻ってこないうちに早めに帰りましょう!」

??「はい、ありがとうございました…!」

○○たちとその少女とはそこでお別れになった。


??「あの人たち、何年生かな…あの男の人、かっこよかったな…。」



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時刻は真夜中。

大魔導世界、某所。

ここは政府直属の魔道具研究所である。


ジリリリリリリリリリリリリ!!!!

ウーーーーーーーー……



壮大な警報音が響き渡る。

「早く探すんだ!『アレ』が持ち出されたら大変な事になる!」

「見つけたぞ!捕まえろ!」

「もう終わりだ!観念しろ!」

政府の直属の警備隊が騒々しくかけ回る。

??「お前たちごときが俺たちを捕まえられると思ったか?俺たち【セブンス・シン】を。」

その男の手の甲には『七罪』の文字があった。

「「ぐわああああああ!!!」」

大勢の悲鳴が、夜空に響き渡った。



新たな波乱が、○○たちの知らないところで幕を開けようとしていた。





「星は微かに光り」 第15話 終

続く。

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