#全ジョーカーズ語れる説 Extra Ⅴ セブンシリーズ!
こんにちは!Shinです!
今週もあります!#全ジョーカーズ語れる説 Extra!
今回のテーマは新弾のトレジャーに大量に収録されたジョーカーズ達と、銀トレジャー《ドンジャングルS7》で触れられた“セブンシリーズ”について語っていきます!
1.お宝ザクザク!トレジャー再録!
まさかの14枚の再録が果たされたジョーカーズ。うち黒トレジャー10枚、銀トレジャー3枚という、脅威の収録内容に仕上がっています。
自然文明のジョーカーズからは、《ヤッタレマン》と双璧を成す《タイク・タイソンズ》と、それを支える《メイプル超もみ人》《天体かんそ君》。フィニッシュには銀トレジャーに《ドンジャングルS7》が構えています。
火文明の《花美師ハナコ》《プリプリズン》は手札補充をしながら革命効果を狙っていきます。《アイアン・マンハッタン》のフィニッシュ性能は随一。《SMAPON》で確実なカウンターを狙っていきましょう。
無色のジョーカーズは《ビックラボックス》に《シャダンQ》とハイパーエナジーを支えるコストの散り方が特徴で、逆転撃などを乗り越える《ジャッジCREW二ー》、デッキには惜しくも収録されなかった《ツタンカーネン》に、無償詠唱が特徴の《夢のジョー星》が収録されています。
「これらのカード、ジョニーの書に混ぜて使わなくない?」
こういった声が非常に多いことも、もちろん把握しております。
特に批判の声が強いのは
・《ネフェルカーネン/タイム・ストップン》という上位互換の存在する《ツタンカーネン》
・《モモダチモンキッド》と比較した際に《メイプル超もみ人》はカードパワーが低い
というもの。
ごもっともという他ない意見では確かにあります。
ですが、敢えて彼らの名誉を守るべく、「そうではない」と言わせて頂きます。
今回争点になっている部分で多くのユーザーに認識されておらず、単純な下位互換を収録している理由。それは「セットデザイン」というものが関係しています。
まずはそれについて触れながら、今回のジョーカーズ達を紐解いていきましょう。
1-1.セットデザインについて
「セットデザイン」とは何か。
簡単に言うと「ボックス商品を買ったまま遊べるようにするデザイン」のことです。
トレーディングカードゲームという商品のライバルは、家庭用ゲーム機、ないしは価格帯の同じ玩具です。
これらのゲーム・玩具とTCGのボックス商品は決まって価格帯として4000~6000円前後のものであることが多いでしょう。
TCGはこの価格帯の中で「より長く遊ばれ、次の商品をまた買ってもらえる方」になる必要があります。
その値段のゲームソフトは基本的に買い切り。少なくとも買って数時間で遊び切ってしまったり、追加で何度も何度も課金したり……ということは基本的にありません。最近はエンドコンテンツとしてオンライン対戦を強く押し出しているゲームも多く、文字通りサービスが終了するまで遊び続けられる物です。
玩具は1種類の賞味期限こそ短いですが、何種類も集めたくなる魅力を持っていたり、集めていくことでその人のコレクションにオリジナリティが生まれたりします。
もちろんこれも大会などがあり、人と交流する要素によって人の縁が続く限り、遊び続けられるものになっていきます。
TCGは「一緒に遊ぶ相手が必要で、一度の購入で完結しづらい」という構造的なデメリットがあります。
限られたカードの中で友人と遊び続ける、というには「一度買えばしばらく遊べる」の賞味期限が極めて短いのです。
だからこそ、一度の体験が面白いものになる必要があります。
誰もが必ずしもデッキを買って始める訳ではありません。
「デッキ」という導線は先に挙げたTCGのデメリットを打ち消すほど強力なアドバンテージを持っていますが、それは「始めよう!」という意志を持っている人の為のもの。
「何となくパックを買ったけど、別に強いカードはなかったみたいだし、デッキを組める訳でもないし…まあいいか」となってしまうことは、避けなければならないのです。
《ハイパー・ザ・ジョニー》はパックの表紙にもなっている目玉カード。
封入率の問題はありますが、もし1BOX買って当たったとしてそれだけではデッキにならない……
そうなった時に多くの人はカードショップや通販を巡ったりする前に、もう「飽き」が来てしまうのです。
「デッキが組めたし遊べるしそこそこ勝てる!これなら『ジョニーの書』って奴も買ってみようかな!」
「通販で強い《ポクチンちん》が買えるみたい!買うぞ!」
となる為には最初のパックの段階で失敗はできないのです。
その為に「パックを一箱開けたらデッキがちゃんと組める」というセットデザインはとても大事なのです。
1-2.「あの頃」の顔ぶれが、復帰を後押しする
では、デッキではなく敢えてパックを買う、という層はどういった層なのでしょうか。
大きな層としては「《ジョリー・ザ・ジョニー》を使っていたかつての小学生」がいます。
「《ジョニー》が出ていた時期のデュエマはやっていたけれど、《ジョット・ガン・ジョラゴン》が出てからは忙しくてデュエマを続けられなかった。」
「《モモキング》に変わるタイミングで中学進学!デュエマは《ジョラゴン》までしか分かりません!」
という層は確実にいるのです。
試しに数パック買って、家のカードと合わせてみよう!となった時、《ジョニー》を使っていたプレイヤーに、見たことの無い新カード、見たことの無いキーワード能力が押し寄せたら、モチベーションが下がってしまうというもの。
《モモダチ モンキッド》と《メイプル超もみ人》の世代は、極めて細かく区分すると異なるのです。
フレーバー的にも《モンキッド》と《ジョニー》の繋がりは薄く、馴染みのないカードな上に、キリフダッシュという新能力も備えた《モンキッド》はやや分かりにくさを産みます。
その為に今回はオミットされ《夢双英雄モモキングDM》と共にフィーチャーされるのだろうと思います。
2.セブンシリーズ!
ここまでセットデザインについて語ってきましたが、これはものすごく長い前置きです。申し訳ありません。
というのも、これから話すのはセットデザインともうひとつ「ブロックデザイン」の狭間に囚われた悲しき存在、ジョーカーズセブンシリーズについてだからです。
2-1.セブンシリーズとは
本編シリーズでは3度登場したロボット達!
メンバーとして確定しているのは
《ガンバトラーG7》!
《ザンジェットW7》!
《ドンジャングルS7》!
《バングリッドX7》!
《ジャガライガーV7》!
この5体に加え、暫定的なメンバーに《キング・ザ・スロットン7/7777777》がいます。
7体いねーじゃねぇか!!!!
なんなら6体目も確定していないため、7体揃うのか?は永遠の謎。
近年近いコンセプトのスプリガン達は光文明の《ホワイト・スワン》、水文明の《ブルー・インパルス/「真実を見極めよ、ジョニー!」》、自然文明の《メッサー・シュミット》と着実に揃いつつある中、未だに7体目に関する情報と《キング・ザ・スロットン7》が6体目なのかが不明な不思議なサイクルです。
《キング・ザ・スロットン7》は前身となる《キング・ザ・スロットン》がカード化してしまっているので、ややサイクル外の要素の強いカードであることは否めない…のですが、7の名を持つ他のジョーカーズは明らかに関連のない《しらたき姫と七品の小人》しかいません。
2-2.セブンシリーズとデザインの関係
どうしてこんなことになってしまったのか。
その謎を解く手ががりは「ブロックデザイン」にあります。
「ブロックデザイン」とは、「この年度を通してどういったカードを作り、デッキを生み出し、商品を展開していくか」というデザインのこと。
そもそもデュエマにおいてスーパーレアは手に入りにくいレアなカードで、誰が見ても分かる切り札という、「皆の憧れ」でした。
時が流れ、誰が見ても分かる切り札はレジェンドカードという「確実に手に入れる事ができるカード」に変わり、マスターレアからキングマスターカード、overレアまで続いてきました。
そうしてスーパーレアの役割は「マスターカードの補助や代役」へと変化していきました。
スターターデッキのSRには、先に述べた「セットデザイン」として、同期の2種類のデッキで対戦した際に勝率にムラなく、一貫して分かりやすい戦術の要となり、その上でマスターカードと並ぶか入れ替え候補となるような切り札が必要。
パックのSRにはメインとなるマスターカードを支えるサポート性能が必要。
求められる役割が異なる中で、収録したい商品に合わせてカードがデザインされているのです。
ジョーカーズは主人公種族。通年で強化し続けなければならない種族です。
通年で強化し続けるということは、パックでもデッキでも目玉となるスーパーレアを用意しなければいけません。
それでいて切り札を毎月のパックのSR用に都度用意していた過去のシリーズとは異なり、メディアの視聴者の手元にもあるマスターカードを主軸にした強化が求められるのです。
ここからは彼らのデザインとデッキを振り返りながらブロックデザインについて見ていくことにしましょう。
初めに《ジョリー・ザ・ジョニー》の代役や補佐として用意された《超特Qダンガンオー》《超ド級テンクウオー》は完璧なデッキ商品のスーパーレアと言えます。
また《メラビート・ザ・ジョニー》の補佐を行う《超Z級ゲキシンオー》と、《メラビート》からの展開で豪快なフィニッシュを決める《王盟合体サンダイオー》もカードが揃ってきた段階のユーザーを意識したカードと言えますね。
ブロックデザインによって1年ジョーカーズの商品だけを買い続けてきたプレイヤーは《ジョリー・ザ・ジョニー》のデッキも、《メラビート・ザ・ジョニー》のデッキも充分組めるようになるのです。更には入れ替えカードとして《ダンガンオー》《テンクウオー》《ゲキシンオー》などの選択肢を持っています。
そして続く双極編。
こちらでは《ガンバトラー》が大会でも通用するほど強力であったのも束の間、《ジョット・ガン・ジョラゴン》もデッキとして確立し、勢力を伸ばしていきます。
《キング・ザ・スロットン7》や《ポクチンちん》《ザンジェットW7》の加入により、【ガンバトラージョーカーズ】と【ジョラゴンジョーカーズ】の二大巨頭から、【ジョラゴンジョーカーズ】が勢力を拡大していくこととなりました。
《ガンバトラー》は《ジョラゴン》の能力の関係上、全くシナジーがない入れ替えカードという訳でもなく、《ワイルド・シールド・クライマックス》加入以前はパンプアップ効果を発揮することもありました。
自然ジョーカーズの誕生によって《ドンジャングルS7》も登場。【チェンジザドンジャングル】というデッキを生み出し、【ジョラゴンジョーカーズ】とも渡り合える強力なデッキになりましたが、【ジョラゴン】が緑を取り込んで安定性を増す、という強化もありました。
ここでこれまでのセブンシリーズ3体が合体し《DX 銃斬首領SEVEN》になりましたが、デッキ商品のエース枠を立派に果たし、基盤はそのまま《オラマッハ・ザ・ジョニー》の受け皿として引き継がれるということにもなりました。
こうして、セットデザインにもブロックデザインにも成功し、アーキタイプを多数輩出する功績を作ったジョーカーズ。しかし、超天編で暗雲が立ち込めます。
この年のテーマは超GRゾーン。デッキの枚数が1.3倍になった影響は、商品に重くのしかかります。
単純にGRクリーチャーとGR召喚をするカードで2種類の切り札をデザインしなければならない上に、マスターカードは《The ジョラゴン・ガンマスター》というGRクリーチャー。
GRクリーチャーの質も高めたい。また、GR召喚をするカードも強くなければデッキとしての出力が弱まってしまう。
デッキ用にデザインしていた《鋼特QダンガスティックB》、追加された水文明ジョーカーズのGR切り札としてデッキ商品の目玉となる《超Ω級ダルタニックB》と、新たな合体ロボットジョーカーズがデザインされていました。
既存カードのGR化というフレーバーの都合もあってこの枠は絶対に必要で、別の新規を用意することもできません。
最後の一枠を埋めるGRクリーチャーもパックの目玉にする必要がありました。特殊弾の目玉にふさわしい、分かりやすく強力な《超鋼級ダテンクウェールB》が用意されます。
ではメイン弾でGRの展開を補助するようなスーパーレアを用意しよう、となります。《バングリッドX7》のような効果は展開をサポートする上で便利に働く為、GR召喚はしませんが強力な1枚として世に出したものと思われます。
GR召喚をしながらGRクリーチャーの数に応じてメリットを得る効果として強力なものとして《ジャガライガーV7》のような効果も出してみよう、となったのでしょう。
問題が発生したのはこの時期。
なんと、商品の枠に対してSRの枠が足りなくなってしまったのです。
デッキ商品にはGRクリーチャーの3体合体《無限合体ダンダルダBB》を収録する必要があります。
GRクリーチャーを呼び出すカードとして、新規にカードを作る必要がある上で、最終弾の《ジョギラスタ・ザ・ジョニー》を意識して水・火・自然デッキが組めるような商品にした上で、それぞれの戦略の要となるSRも用意しなければならない。
この状況の解決の為に、《無限杖フェニクジャーラ》《無限剣リオンザッシュ》《無限砲アリゲドドンガ》の3種類がデザインされます。
セブンシリーズの2種類ないしは1種類の枠は、収録枚数の上限やその中でのスーパーレアの枚数の上限によって、すでにありませんでした。
次のシリーズである十王篇からは《モモダチ》《モモキング》が目玉になり、チーム切札の「英雄やおとぎ話の力を混ぜて生まれたカード」というフレーバーから逸脱するカードが作れなくなってしまったのです。
こうして、セブンシリーズはその全容が明かされぬまま、シナリオの進行に揉み消されて言ってしまったのでした……。
3.終わりに&次週予告
いかがでしたでしょうか。
願わくばまだ公開されていないスーパーレアの1枠でセブンシリーズの補完が成されると良いのですが、今回のパックはジョーカーズ目線ものすごい厚遇を受けているので望み過ぎな気もします。
さて、今回の記事ではセットデザイン・ブロックデザインのジョーカーズに関する事について十分すぎるほど語って参りましたが、普段はジョーカーズ1枚についてじっくり語っています!
という訳で来週の#全ジョーカーズ語れる説 のカード達は!
月曜日:《モモキングーMAX》
水曜日:《ソイソイミー》
金曜日:《ホッチKISS》
の3種類!
それではまた来週お会いしましょう!!!
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