清原和博、激白(後編)by 貴ちゃんねるず
『世界仰天ニュース』での清原さんの特集に続いて、今回は、『貴ちゃんねるず』での配信から、違う角度で迫ってみたいと思います。
貴ちゃんねるずにて
7月23日から三日間連続で、とんねるずの貴さんが始めたYoutubuチャンネルに特集されました。3本とも観ましたが、元プロ野球選手のスターとして華々しい活躍をしたとは思えないお腹をしていて、覚醒剤を使用していた時のことや、逮捕された時のこと、執行猶予期間の苦しみについて話していました。
男気じゃんけんメンバーからの質問があったり、貴さんは野球好きなので、野球に関する質問が多く、ファンは必見です。PL時代や現役時代の秘話が聞けました。そして、父親としての子供への思いや家族の絆。覚醒剤に手を出してしまい、「野球した事さえも悔やんだ」と述べてします。
苦しんでいたキヨさんを救ったのは、子供の存在であり、野球が自分と子供を繋げてくれたんだと。キヨさんの息子さんは男兄弟で、二人とも野球をしているんだそうです。誰もが知る超有名選手が父親で、その父親が覚醒剤を使用して逮捕された。それは、家族を引き裂いた出来事だったでしょうし、子供にとっては、計り知れない苦しみがあったと思います。父親に対する信用もそうだし、周りの目もあるし、いじめのようなこともあったのではないでしょうか。
せいをおかげに
それでも、野球のことで父親に相談したわけです。そこにはきっと、父親を救いたいなんていう気持ちはなかったかもしれません。単純に野球が好きで、野球が上手くなりたいと思っていたんだと思います。でも、少なくとも父親を思う気持ちはあったのでしょう。そんな息子さんの行動が、キヨさんを救ったことは間違いありません。
キヨさんは、「野球をした事さえ後悔した」と言っていましたが、野球と出会っていなければ、きっとこうなることはなかったでしょう。でも、野球をしたからこそ、お子さんも父の背中を見て、野球をやってくれて、回り回って自分を助けてくれたわけです。「せいをおかげに」といつも言っていますが、やはり、野球が好きで、恩返ししたいと思う気持ちがあったキヨさんだったからこそ、息子さんも連絡したんじゃないかと思います。
野球のせいで苦しんだけど、野球のおかげで救われた。「せいとおかげ」は表裏一体であり、陰と陽の関係性です。どちらがなくても成り立ちません。"せい"がなければ"おかげ"はありません。"せい"にしたくなることは、ないに越したことはありませんが、起こってしまったなら、"おかげ"にすることはできるし、"おかげ"にしなければ、苦しみ続けてしまいます。
前編でも述べていますが、覚醒剤を絶っている間、苦しみから鬱にもなったそうですが、何度も死のうと思ったそうです。そこで死んでいれば、"せい"にして終わった人生だったかもしれませんが、子供の"おかげ"もあり、まだ人生は続きます。
格好いい死に様は、格好いい生き様と同じ
生きとし生けるもの、いずれ必ず亡くなります。つい先日も、山本寛斎さんがお亡くなりになりましたが、最後の言葉は、「俺の生き方、どうだ?」と、異母兄弟の伊勢谷友介さんに尋ねた言葉だったそうです。満足気な顔で亡くなっていったそうです。
なんて格好いい死に方でしょう。
『ONE PIECE』でも、「笑って死ぬ」ということがテーマの一つになっています。
ナミの母親、ベルメールは、娘二人に「大好き♡」と言って、笑って死にました。
チョッパーの家族、ヒルルクも「まったく!!!!いい人生だった!!!!」と笑って死にました。
ローグタウンでバギーに捕まり、死を悟ったルフィも「わりぃ おれ死んだ」と笑いました。
皆、死の間際に笑ったのです。
笑って死ねるということは、自分の人生に誇りを持てて、満足していたからだと思います。人生は色んなことが起こりますが、笑って死んでいきたいものです。その為にも、「せいをおかげに」という精神を持ち続けて生きていきたいと思います。
見習いたい、貴さんの言葉
最後に、なぜ貴さんがキヨさんをチャンネルに呼んだのか。
きっと事件以降、キヨさんから離れていった人がいるでしょう。逆に、調子がいい時や、お金があるときは、人は集まってきます。まさに、甘いものにたかる蟻のようなものですね。なくなれば去っていく。
そういった状況の中、貴さんはいいました。
「一度好きになった人間を、最期まで愛せるか?」
これは、伊集院静さんの本に書いてあったそうなんですが、キヨさんは、大好きな野球のスイングを指導してくれた。そんな好きになったキヨさんへの思いは、
「例え人を殺したとしても、好きって言った自分を変えちゃいかん」
だそうです。
だから、「ずっと応援していこう」と思っているんだそうです。
本物の絆を大事にしよう
覚醒剤に限らず、事件を起こした人からは、人は去っていくものです。暴力を起こしたり、不倫をしたり、問題を起こした芸能人は、自粛する人もいれば、引退した人もいます。不倫の結果、離婚した人もいます。中には、活動の場をYouTubeに移して活躍している人もいます。
多くの人は離れていくかもしれませんが、それでも、信じてくれる人や、好きだと言ってくれる人もいるものです。それは、善悪とかではなく、存在として好きなんだと思います。
もちろん、許されないことをしてしまったかもしれませんが、それで、沢山与えられたことがなくなるわけではありません。本当の関係は、苦境にこそ築かれます。私も、路頭に迷いそうになった時、助けてくれた人がいましたが、本当の仲間とは、順調な時にできるのではなく、苦難を共に乗り越えてこそできるものです。
事件があってから、キヨさんの下を離れていった人がいると思いますが、それでも変わらずにいてくれる人こそが、仲間であり、本物の絆だと思います。
まぁ、悪い言い方をすると、キヨさんには利用価値があるので、金にしようとするメディアもあるかもしれませんが、息子さんや、親友の大魔神・佐々木さん。そして、貴さんといった、本気で思ってくれる人を、大切にして欲しいですね。
もし、自分が問題を起こしてしまった時、大切な人が問題を起こしてしまった時、この言葉を思い出してみてください。
「一度好きになった人間を、最期まで愛せるか?」
自分がそう思えないなら、必要な関係ではないのかもしれません。そう思われないなら、きっと仲間ではないのでしょう。
二日間に渡って、キヨさんについて特集しましたが、私は、清原和博という人間が嫌いになれません。むしろ、人間味があって、もっと好きになったかもしれません。
私は、キヨさんに何かされた訳ではないですからね。巨人時代には、試合を見に言ったこともありますし、テレビでとても楽しませてもらいました。
お父さんが「やってしまったことは仕方ない。もう一度頑張れ」と言っていました。キヨさんはこれから、野球界や高校野球に恩返ししたいと語っていますが、キヨさんにしかできないこと、キヨさんだからできることがあると思います。
過ちを犯しても、何度でも活躍できるということを、示していくことが、キヨさんに課された使命なのかもしれません。麻薬の誘惑は、なくなることはないかもしれませんが、もう負けずに、豪快なホームランを打つような姿を見せてほしいものです。