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ルフィ名言特別編Vol.87「お前達に・・・あいつの心を癒せるのかい?(Dr.くれは)」

物語と名言

Dr.くれはの医術を見込み、ルフィDr.くれはを仲間に誘う。当然断られるが、話を聞いていたチョッパーは、ルフィたちが海賊だと知る。
「ばあさん」と言う言葉に敏感なDr.くれはは、失礼なルフィとサンジを追い回すと、ナミの元にルフィから逃げたチョッパーが戻ってくる。

海賊に興味有り気なチョッパーに対しナミは

「・・・でも ・・・じゃあ あんたも来る?」

と誘う。医者のチョッパーが来てくれれば、すぐにでも出航できる。しかしチョッパーは、化物のような自分の姿で青い鼻だからと遠慮するが、そこにルフィとサンジが戻り、また追い回されてしまう。

戻ってきたDr.くれははナミに釘をさす。

「感心しないねェ小娘・・・ 私のいない間に許可なくトナカイを誘惑かい?」

ナミはこう切り返す。

「・・・あら、男をくどくのに、許可が必要なの?」

Dr.くれはは「いらないさ!!」を笑うが、

「だがね、一筋縄じゃいかないよ!あいつは心に傷を持ってる・・・。私でも直せない大きな傷さ・・・」

と真面目に言う。

チョッパーはその青っ鼻のせいで、生まれた瞬間から、親に「気味が悪い」と見放された。生まれたての頃から、いつも群れの最後尾を一人離れてついていった。ある日、"悪魔の実"を食べたことで化け物扱いされ、群れから追い立てられた。
今度は人の姿で人里に降りたが、完全な人形ではなく、青っ鼻はそのままで、人からも気味悪がられ、銃で打たれ追い返された。

ただ仲間が欲しいだけなのに、化け物と呼ばれ、何が悪いのかわからない。トナカイでも人間でもないと、一人でずっと生きてきた。

そこで、今回のDr.くれはの名セリフ。

「お前達に・・・あいつの心を癒せるかい?」

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                  出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

ナミに返す言葉はなかった。


名言の意味

今回は、チョッパーが抱える心の傷を表すような背景を持った名言でした。
今後の展開で、その深い傷が描かれていきますが、医者は、体の傷は治せても、心の傷は治せません。心の傷を治せるのは、どんな存在でしょうか?家族、友達、仲間、そういう存在が、傷を癒してくれるのでしょう。しかし、チョッパーには家族も友達も仲間もいません。Dr.くれはは師匠で有り、そのどれでもありません。

今後の展開で明かされますが、チョッパーの場合は、傷が深すぎて、興味が憧れはあるものの、一歩を踏み出すことはできません。ナミが「男をくどく」という表現をするのがとても好きなんですが、「恐怖」や「トラウマ」があると、例えやりたいことでも中々一歩を踏み出せないですよね。

傷に塩を塗る「ジョーカーゲーム」

人は誰でも心に傷があります。癒えたものも癒えていないものもあると思いますが、この「心の傷」というのは、気をつけないと、簡単に「ジョーカーゲーム」に巻き込まれてしまいます。
漫画などでよく、「女が弱っているときは落とすチャンス」なんて言いますよね。人は、弱っている時に助けられた恩を強く受け止めるものです。中国では三国志の呂布には当てはまりませんが(笑)

それは置いといて、チョッパーの心の傷を癒せるのがルフィ達だからよかったですが、もし癒せる力を持っているのが悪意を持った存在だったとしたら?

弱ってる時に助けて恩を売れば、自分にとって都合よく利用することもできます。政治家の手段が、まさにこういうことだと言えるでしょう。政治家だけでなく、宗教はまさに完全にこの手口だと癒えます。もっと言えば、人間社会のシステムそのものが、そのように成り立っています。困った人を助ける。欲しいものを提供する。経済もそう成り立っています。

ちなみに、こういうことを表した創作ことわざがこちら。

表も裏も受け止めて、道楽に生きる

ただ、これを自分の意のままに悪用しようというのが「ジョーカーゲーム」です。弱るように仕向け、自らは善人を装い、手を差し伸べる。その手を掴んでしまったら、もうアウトです。
アニメや漫画を見ていると、よくこういうシーンが描かれたりしています。メタ的に観ているからわかりますが、自分がいざその渦中にいたら、中々気付くことはできません。

私はウラヨミという姿勢のコラムを配信していますが、「ジョーカーゲーム」を見抜く為には、表面的なものではなく、その奥や裏にある本質を見抜かなければなりません。

「ウラヨミ」を持って「道楽」に生きる、というのが、本当に必要な仲間や必要なものを手にする方法だと思います。
『ONE PIECE』の名言からも、そのようなことを発見しつつ、「道楽舎」としても推進していきたいと思います。


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