清原和博、激白(前編)by 世界仰天ニュース
今週放送された、『世界仰天ニュース』で、覚醒剤使用により逮捕された清原和博さんの特集されました。6月15日に執行猶予を終え、先日も、とんねるずの貴さんが開設したYoutubeチャンネル「貴ちゃんねるず」のゲストとしても、「タイマン男気じゃんけん」と称して、三日連続で登場し、再生回数も3本合計1000万を超え、ニュースにもなっていました。
長編になってしまったので、前編は『世界仰天ニュース』、後編は『貴ちゃんねるず』について、取り上げていきたいと思います。
世界仰天ニュースで仰天
続いて、昨日放送された『世界仰天ニュース』では、覚醒剤を使用するきっかけや、逮捕された時のこと、執行猶予中の苦しみや、ご家族とのことが再現VTRで描かれました。
「番長」と呼ばれ、プロ野球を代表する華やかなスーパースターだった清原さん。活躍すれば賞賛され、打てなければ叩かれる。大スターにしかわからない、酸いも甘いも味わってきました。
覚醒剤に手を出したきっかけ
41歳で現役を引退をしましたが、華やかな世界で生きてきたからこそ、その後は目標もなく、刺激もない燻った日を過ごしていたそうです。虚しさや喪失感を埋める為に、毎日のように夜の街に繰り出し、そこで差し出されたクスリ。「嫌なことなんて吹き飛びますよ」その言葉に、「一度だけ」というつもりで手を出したそうです。
それをきっかけに、覚醒剤に手を出すようになったのですが、毎回、「あと一回だけ」「これが最後」と思っていたそうです。いつでも辞められると思っていたそうですが、「これが最後」と思っても、続けてしまう中毒性が、麻薬の危険性なのでしょう。
覚醒剤を始めてから、バレないように人と距離を取るようになり、孤独になっていきました。止める家族もおらず、というより、2014年に離婚したことも、覚醒剤に手を出した一つだったのかもしれません。独りでいたことで、歯止めが効かない中で、嘘をついたり覚醒剤をしている自分がとても嫌になっていくのですが、それが、量も回数も増えることにもなるんだそうです。
「情けない。死んでしまいたい」と思うようになり、ある日、多量に使用してしまい、倒れてしまった。もちろん両親が駆けつけますが、両親にクスリを使っていたことが知られてしまったことは、とても辛かったそうです。
2016年2月2日逮捕
このことは当時ニュースにもなり、親友の、大魔神・佐々木も心配の電話をしましたが、「俺はやってない!」と親友にまで嘘をついてしまったそうです。そんな自分を責めながらも、結局クスリを辞めることはできず、2016年2月2日、自宅で覚醒剤を使用した後に、マトリに踏み込まれて逮捕されました。
その時は、クスリが効いていてボーッとしていたそうですが、留置所に入って2、3日経つと、後悔の念に押し潰されそうになったそうです。
執行猶予がつき、しばらくして鬱状態になったそうですが、自殺する危険性があった為、関係者はとても注意を払っていたそうです。そして、弁護士から医師を紹介してもらい、回復に向けて動き出しました。
屈辱を耐え忍ぶ
立ち直るきっかけになったのが、甲子園で優勝した試合で使った金属バットを頂いたことだそうです。
自分の原点を振り返り、意欲が湧いて、ジムにも通うようになったそうです。しかし、外出して警察に見つかると、その度に職質を受け、検査も受けさせられたんだそうです。何度も疑われ、何度も検尿させられたことは、屈辱でしかなかったんだそう。でも、自分がやってしまったことだから、受け入れるしかない。それを頑張って耐え続けました。もしそこで、問題を起こしたり、覚醒剤を使用してしまったら台無しです。
頑張って治療を続けていく中で、医師から、イベントに登壇してほしいという依頼がありました。キヨさんは快諾しましたが、そこで、母親が危篤だという連絡が入りました。急いで大阪に駆けつけましたが、すでに母親は亡くなっていました。その日は奇しくも、清原さんが選手時代につけていた、背番号「3」「5」と同じ、2019年3月5日。
清原さんとお母さんの関係
スーパースター清原和博を生み出したのは、何を隠そう母親である弘子さんなのです。文字通り生み出した訳ですが、雨の日も風の日も、コーチになって、友達の誘いも断り、練習に付き合っていました。
その甲斐もあって、名門PL学園に入学し、桑田真澄さんと「KKコンビ」と言われて、PL黄金時代を築きました。
巨人ファンで、「読売ジャイアンツに入る」ことが夢だった清原さんですが、ドラフトで巨人が指名したのはライバルの桑田さん。涙を流す清原さんは西部ライオンズに入団することになりますが、今尚語り継がれる出来事です。
その裏で、支えになったのは、母親の弘子さん。落ち込む清原さんに、
「恋愛と一緒や。振られたんや、あんたは。男ならくよくよしとらんと、見返してやりなさい!」
と叱咤していたんだそうです。
そして、引退を報告する時、息子としても選手としても育ててくれた母親に、面と向かっては言えなかったそうです。お墓詣りの際に伝えようとしたんですが、おんぶをして、顔を見ずに引退報告をしたそうです。
そんな母親に、辛い目に遭わせてしまったのは、とても苦しかったと思います。
清原さんは、プロ野球選手として数々の記録を残し、夢を与えてくれました。確かに、覚醒剤に手を出してしまったことは、ファンへの裏切りだったり、失望させたことだと思います。特に、ご家族やご両親にとっては、計り知れないショックがあったと思います。逮捕前に、オーバードーズで倒れた時、お母さんは「あんたをもう一度おなかに戻したい」と告げたそうです。そして、清原さんが留置所にいる間、お父さんに、「ごめんなさい」と書き連ねた手紙を出したそうです。帰ってきた手紙には、「やってしまったことは仕方ない。もう一度頑張れ」と書かれており、清原さんは号泣したんだそうです。
成功にも裏がある
道楽舎でも、「成功」についてのコラムを配信していますが、清原さんも間違いなく成功者です。華やかな舞台で活躍したからこそ、引退した後の喪失も大きくなるものです。道楽家は大きすぎる過去の栄光は、大きな喪失感をもたらします。もちろん、スターになるだけの努力をしてきたし、正当な評価なのかもしれませんが、もしかしたら、正当に評価されるのも、考えものなのかもしれません。
成功が大きいほど、裏に潜む危険性も大きいものです。成功を妬むもの。甘い汁を吸おうとする者。利用しようとしてくる者も出てきます。そして、成功した後には、燃え尽き症候群になったり、清原さんのように、喪失感に苦しむ場合もあると思います。
目標を達成して、成功することも大事ですが、やはり、目標に向けて進んでいる現在(イマココ)こそが、一番幸せなんじゃないかなと思います。成功することだけを目標にするのではなくて、道中を楽しんで生きて、失敗すらも楽しむ。道楽に生きることは、やっぱり最強だと思います。
麻薬は、ダメ!ゼッタイ!!
覚醒剤は、やった人にしかわからない苦しみがあると思います。私はもちろん使用したことはありませんが、一つ思い出したことがあります。中学の頃、当時はヤンキーが結構いたのですが、シンナーを吸って、ラリっている連中はいましたね。歯はボロボロで、ろれつが回らない。一度学校で、ラリっている状態の奴に絡まれたことがありました。トイレに連れ込まれたのですが、とにかく話が通じず、とても厄介でした。異変に気付いた先生が止めに来てくれて助かりましたが、彼はその後、少年院に入ったそうで、会うこともありませんでした。今でも元気でいるのかな。
それはいいとして、普通の人にとっては、麻薬に関わる機会はあまりないかもしれませんが、何かしらの誘惑があったり、清原さんのような喪失感によって、関わることがあるかもしれません。
麻薬に手を出すことによって、傷付ける人がいます。そして、儲けている輩によって、また流通してしまいます。
今回の放送で、「麻薬を使うことが美談のように描かれている」と問題視している記事がありました。確かに、「犯罪は犯罪」と切り捨てることは簡単だし、美談にしてはいけません。ただ、麻薬に手を出すのも理由があるし、そういう危険性を知ることは大事なことです。それに、失敗して復帰させないような風潮が、何よりも危険だなと感じます。そんな社会だから、誹謗中傷は無くならないし、失敗が許されない、殺伐とした社会になっているのではないでしょうか?
個人的には、何を持って美談と言っているのか甚だ疑問ではあります。表面的なことに捉われず、本質を見ていきたいですね。そして、麻薬に手を出すことはどういうことか。清原さんの姿から、学んでいきたいと思います。